第6話 通帳を見たら……
「ん~おいしい!」
「久しぶりの鍋は最高だな!」
柚葉の調子はいつも通りになったらしい。鍋を食べ始めたらさっきまでと同じ人とは思えないくらい、元気になったようだ。
まああの調子のままだと、俺もどうすればいいか分からなくなるから、ちょうど良いのだけど。
「ところでさ、今お前の通帳に何円入ってる?」
「あの…すごく言いにくいのですが…」
嫌な予感がする。食費も、自炊するって言っても少しは増えてるだろうし…もしかして、0円に近いのか!?
「3円です…」
「おお!すくなっ!」
家賃とガス代、水道代など諸々合わせて、9万円だから…
俺の通帳には20万入ってる…ということは、2か月しか持たない…
そして、毎月10万しか入ってこない…ってか何でこの会社は訴えられないんだ!?
食費を1万円以下にしろってか!?そうじゃなきゃ1か月すら怪しくなるぞ…
「贅沢は今日で終わりだ。柚葉」
「急に真剣な顔してどうしたんですか~?」
「食費を1万円以下にするぞ」
「ええ!何でですか~?1万円とか生ごみを食べるしかなくなりますよ!?」
「エコだな」
「私たちエコタウンになっちゃいますよ!?」
「いや、タウンにはならんだろ」
そして、今どういう状況下を説明し…
「やばいじゃないですか!」
「そうだよ、やばいんだよ!」
その後、少し複雑な気持ちで、鍋を食べた二人であった────
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