第133話・そうだ異世界の文明レベルをあげよう

 そんなこんなでオークションが終わった。

 いやまあいきなりな気はしなくはないが。ぶっちゃけ賢者の石に聖剣の所が俺の中で一番見たかったオークションやし。怪盗アルセーヌのイベントもそこそこ面白かったがそれを超える面白さというか迫る面白さみたいなのが特になかったからな。


 後は淡々と進むオークションをお菓子食べながら途中飽きて来て、漫画読みながら見てた感じだ。


 ぶっちゃけ品が多すぎて時間がかなりかかった。

 4時間ぐらいかかった。長すぎるよ。それはまあサービスで軽食とかドリンクは配ってるし。休憩時間も挟んではあるが。それにしてもやろ。

 俺が暇になって飽きたわ。

 まあ観客というかオークションに来てる金持ち共は飽きてる風には一切見えなかったが。


 でもオークションは終わったという訳で、俺としては大金を稼げたし。一応当初の目的であった異世界のオークションをやろうはクリアできたし。

 そこそこ楽しかったし。怪盗アルセーヌもとい空間魔法と時空魔法の使い手を眷属として確保できたし。結構いい結果ではある。


 そんな訳で今現在闇助がオークション閉会式をやってる。


 あ。そうだ一応今回オークションで何かを落札した人全員に俺の眷属を付けてあげるか。後怪盗アルセーヌに盗まれた物を取り戻せた人にも眷属を付けてあげるか。

 元々高額商品落札者にはつけようと思っていたが。俺を楽しませてくれたわけだし。俺の元で買ったもしくは手に入れた物を狙う人は絶対にいるだろうし。そんで奪われましたとかなったら最悪だからな。

 そういうアフターサービス精神に溢れてるんですよ俺は。


【という訳だ。商品を買った人もしくは窃盗物返却を行った者に対して死霊虫は気が付かれないように監視につけ、虹スケルトンは商品を安全に届けますとでも言って全身鎧で姿が見えないようにした上で護衛に付け】


【分かりました。主様】


 よし。これで大丈夫だろう。


 後やることは何かあるかな。


 ・・・・・・・・・


 特にないかな。

 うん。大丈夫か。


「では、閉会式を終わりにします。皆様この度は誠にありがとうございました」

 俺が諸々考えている間に闇助がそう言って礼をして。オークション閉会式が終了した。

 そのまま。ぞろぞろと皆が返り始める。様子を見ていたが、しっかりと死霊虫はつき。虹スケルトンも護衛としてついている。

 正直断られることを予想していたが、皆すんなりと受け入れてくれた。理由は多分俺が精神魔法を使って受け入れるように精神いじくったからだけどね。


 さてと、今からどうしようか。


 オークションも終わったし。この異世界でやりたいことと言ったら信者増やしくらいだけど、それは完璧に眷属任せでいいだろうし。

 もちろん楽しそうだなイベントが起こるのならばやってもいいが。今の所は地道な信者集めしてるらしいし。

 うん。別にいっかな。面倒そうだし。


 そうなると。普通に元の世界に戻って。日本で悠々自適に楽しんでいきますか。

 やっぱり日本は娯楽に溢れてるし利便性とかが滅茶苦茶に高い。日本の文明レベルを知ってると異世界の文明レベルがゴミに思えてくる。

 あ。いや待てよ。じゃあ俺の手で文明レベル上げてみるか。


 ・・・・・・・・・


 それは凄く面白そうだな。

 いやでもどうやったら出来るんだ。俺に専門的な知識とかはないぞ。

 まあいつもの様に普通に眷属に丸投げでいいか。


【眷属共。この世界の文明レベルを上げろ。どんな手を使っても構わない】

【分かりました。主様】


 よし。これで文明レベルは上がっていくだろう。

 もちろんそんな急激には上がらないだろうが、いや前言撤回だ。多分急激に上がるだろうな。俺の眷属の力ともう既に目標となる文明が存在してその文明の物を自由に持ってこれるかつその知識があるからな。

 多分恐ろしい速度で文明レベルが上がるだろう。


 それは1日とか2日では無理だと思うが。1か月あれば相当高い水準まで上がるだろうな。1年もすれば大分近くなってると思う。

 もちろんいきなり起こる文明レベルの上昇は結構な混乱を生むと思うが人間は適応力の高い生き物だし。それに治安の維持は俺の眷属がやれば結構簡単に行くだろうし。最悪全体に軽い精神操作でもするればオールオッケーだしな。


 うん。凄く上手くいくそうだ。

 そうなったらばこの世界は実質俺の物になるな。

 まあ、文明レベルの上げ方は色々とあるが、多分優秀な俺の眷属達のことだ。俺の思う効率的は二つの方法を並行してあげるだろう。


 一つ目は今現在実質的支配下にある聖教国と上野王国を使ってのトップ主導の元のインフラ整備や発明品の配布やら販売。

 そんでもって現地の人にも色々と教え込ませてガンガン新たな知識を与える。ようは学校を作るということだ。

 そうしてある程度聖教国と上野王国が便利になったら他の国も真似したがると思う。だからそこで許容できる範囲で金銭や土地を請求して教えてあげる。

 そうして全ての国のインフラを日本と同水準まで整備させる。

 これが出来たら大分デカい。インフラは超大切だからな。ほんでもって超便利。

 そんでもって小さな村々で過疎化の問題が起きるだろうから。ある程度全部出来て余裕が出来たらいい感じの中間地点に国主導で街を作り、そこに住まわせていく。そんで人口をある程度増やさせて安定させよう。


 二つ目は今の日本の文明レベルの商品の販売。

 ようは商会を作るということだ。

 ただこれは敢えて現地の素材でも出来る物とする。

 ぶっちゃけパソコンとかを日本で大量に買って売るとか有りか無しかで言えば有りそうに見えて無しだ。それをしても現地の人が作れない。

 それじゃあ本末転倒だ。俺の目標としているのは俺と俺の眷属がいなくても文明レベルを維持でき。そして新しく発明が出来るという環境だ。


 だから眷属達の力を合わせてこの世界にある物資だけで出来るこの世界にはない画期的な商品をガンガン販売させる。多分知識もあるし今までの眷属達の行った建築物作成やら馬車作成やらオークション会場作成をみる限り余裕だと思う。千鬼死霊大行進が強すぎワロタだな。

 もちろんそれ以外にも、もう既にある日用品とか嗜好品も販売させるつもりだ。ようは闇空間の利用だな。

 闇空間は眷属同士で繋がっている。

 だから遠く離れた場所でしか取れない貴重な品とかの制約を全部無視できるのだ。

 魚とかは常に新鮮なのを届けられるし。他の商品も安い所で仕入れればそれをそのまま販売できる。


 まあもちろんそんなことをしたら大量の失業者が出るだろう。で、そん中で善人と、ある程度優秀な人材をそのまま作った商会に引き入れてガンガン勢力を拡大させていこう。悪人は捨てておきますよ。

 もちろん中には武力行使しようとする輩もいるだろうが。俺の眷属に勝てるわけがない。

 そうしてある程度軌道に乗っていけば生産の方も眷属ではなく現地の人に任せていきって感じでやっていけば。結構うまく文明レベル上がるだろう。


 ・・・・・・・・・


 一応眷属にこのことを伝えておこうか。

 いやまあ。もしかしたらこれよりも良い方法があるかもしれないが。俺の中では結構この方法が混乱も少なくかつ犠牲者とかもほとんどなく。文明レベルを上げれそうだと思ったからな。

 まあ。もっといい方法があったら、それをしろとも伝えておけばいいだろう。


 ・・・・・・・・


 さて。伝え終わったと。

 じゃあ。今から日本に戻って楽しく過ごしますか。

 あれ?何かを忘れているような気がするけど。まあ気のせいか。

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