第125話・オークション忘れてた件について

「というわけで俺は異世界の神となる。手伝え眷族共」

 俺は神の力を高める信仰力獲得の為にそう眷族に命令を下すとともに自分で目的を声に出してやる気を高めた。


「はい。分かりました主様」

 念話で眷族達の了承の声が聞こえる。


「よし。じゃあまずはどうやって俺を神として認知させるか。う~ん、デスキング幹部共何か案はあるか?」

俺の問いに対して、色気ムンムンの女性幹部が答えてくれた。


「そうですね。では、主様。精神魔法を使いこちらに好意を持ちやすくさせた上で、主様が殺した神が悪神であったという証拠を捏造しでっち上げで、民衆に悪神の恐ろしさを伝え、主様がその悪神を殺した神界から使わされた新たなる神であると声明を出すのは如何でしょうか?」


「なるほどね。それは中々に良い案だな。でも悪神って証拠の捏造とかでっち上げってそんなに簡単に出来ることなのか?」

「はい。もちろんでございます。私共を信じてください。しかしながら時間は必要です。申し訳ございませんが1週間お待ちいただけないでしょうか?」


「逆に一週間で出来るのか。それは凄いな。一週間ぐらいだったら全然待つよ。で?その間俺がやることはあるか?」

「いえ。特にはございません」


「そうか。じゃあ何をしようか?ん?あれ何かを忘れている気がする。えっと前もそういえば忘れていたな?何だっけ?」

 マジで思い出せない。喉まで出かかっているのでだがそっからが出ない。何だっけ。確かえっと。ヤバい思い出せんわ。


「あのう。主様、その忘れているのってオークションではないでしょうか?」

「オークション、ああ。オークション。そうだオークションだ。すっかり完璧に忘れていたよ、何か色々と濃かったからな?あれでもオークションまでまだ日数無かったっけ?」


「はい。まあ一応ありますが、私共眷族が広告を手伝ったので広告自体は終わったますし。私共の死霊転移を使えば遠くにいる様々な国の重鎮に大貴族・大商人等を一瞬かつ安全に連れてくることが可能なので後2日いただければオークションを開催することは可能です」


「そうなのか。あれ?でも各国の重鎮に大貴族やら大商人って、そういう人たちは何か予定とかあるんじゃないのか?」

「何を言ってるのですか主様。世界最大規模でありとあらゆる様々な商品が出品されるオークションですよ。基本何においても優先されるに決まってるではないですか」

「ああ、確かにそうだな。じゃあオークションしますか。そんじゃ今から2日間かけてオークションに出品出来そうなものを、もう一回探してみるわ。暇だしね」


「分かりました、主様ではそのように致します」

「オッケー。ありがとね色々と」

「いえいえ。全て主様の為ですから」


「さてと。じゃあオークション出品物探しをしますか。といっても今からしたいことは決まってるんだがな。それはずばり剥製作りだ。イエーイ。いや何だ魔物の剥製とか超絶迫力あってカッコイイやん飾りたいやん。私的に屋敷でも作ったら魔物の剥製。それもドラゴンとか虎とか熊みたいなカッコイイ系の魔物を剝製にしてドンと飾りたいやん。来た人が圧倒されるような剥製があったらカッコイイやん。というわけで剝製を作って行きましょう。まずは適当に眷族に俺の求めるカッコイイ魔物のいる場所を探してもらい。そこに転移」


 ――――――――――――――――――


「ほい。転移完了と。おお。しっかりとカッコイイ魔物がいますね」

 俺の転移した場所は木が生い茂る密林であった。そしてその密林の中にはカッコイイ大虎に大熊や大狼等のカッコいい魔物がいっぱいいた。


「いやはや。これはこれは剥製にしがいがあるな。さてと毒魔法・麻痺毒散布」

 範囲設定は取り敢えずここら一帯の森全てにする。因みに植物に害はない。

「さてと。これで全ての魔物が麻痺したわけだけど、こっからどうすれば剥製になる?・・・・・・分からないわ。よし眷族達に聞くか。というわけで眷族で剥製の仕方を知ってる奴おるか?」


「私が知っております。よろしければ私を主様の元に転移させてくれませんか」


「分かった。じゃあ召喚するわ。死霊転移・ほいほいほい」

適当に呪文を唱えて俺に転移させろと言ってきた眷族を俺の側に転移させた。


「どうも呼んでくださりありがとうございます。主様」

そう言って現れたのは50代くらいの行けてる狩り人って感じのイケオジだった。


「どうも、じゃあ早速で悪いが剥製の仕方教えて貰える。というか剥製処理やって貰える?」


「は。分かりました。主様。しかし主様剥製というのは本来時間のかかる物です。到底2日で終わらせられる物では出来ません。しかし主様の膨大な魔力の一部を私に貸していただければ、1時間で終わらせられることが出来ます」


「魔力程度だったら別にいいぞ。それで剥製が1時間という短い時間で出来るのだったらオッケーだ」


「本当ですか主様。ありがとうございます。ではありがたく主様の魔力をお借りします。あ、それと主様よろしければ剥製にして欲しい魔物や動物は全部闇空間の中に入れてくれませんか?」


「ああ。確かにそうだね。死魔法・抗えぬ死からの闇吸引・闇空間収納」

俺は麻痺させていた魔物全員を殺して闇空間に吸引して収納する。


「取り敢えず。今闇空間に入れた魔物全部と闇空間にいると思うドラゴン系統何体かよろしく」

自分でも正直数多すぎるかなと思ったが。まあ大丈夫やろ。


「分かりました。では今から作業に入らせて頂きます」

眷族がそう言うと闇空間から俺が剝製にしてくれと頼んだ魔物を次々と取り出していく。

そして取り出した魔物の内臓を肉を一瞬で抜き出す。

まさに熟練の技、流石だな。


「では主様、この魔物の死骸に魔力を注入してください」


「いいけど。ほいっと」

俺は魔力を注入していく。

その瞬間、魔物の死体が輝きだす。

何だこれ。凄いな死体に魔力を注入したらこうなるんやな。初めて知った。


「因みにこの魔力を注入する効果って何だ?」


「はい。これは余分な物を取った魔物の死体に特別な処理を施すことにより余分な物を魔力で押し流し、魔力でコーティングし劣化しない様にする処理でございます」


「なるほどね。なるほどね。でこっからどうするの?」


「はい。ここからは私特製の薬品を塗り、色つやを出すととも肌触りを良くしていきます。それが終わったら、もう一度魔力を流して薬品を定着させてからもう一度薬品を塗り更に色つやを出させた後。また別の薬品を塗って劣化しないようにすれば完成です」


「なるほどね。じゃあ始めてくれ」


「はい。分かりました。主様」

 そうして魔力面で手伝いつつ俺は魔物の燻製を作り終えたのだった。因みに流石に眷族一人では薬品を塗る作業が大変だと思い。途中眷族を呼んで手伝わせた。

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