第118話・久しぶりの裏ダンジョン連合
さてとこのレア魔物どうしましょう。
そうだな。適当に眷属にしますか。
「眷属になれ~~~」
俺はそう適当に唱えるだけでレア魔物は簡単に眷属になる。
うん。やっぱり神の力凄いな。あの面倒な呪文のようなものを唱えなくても簡単に眷属にできるとは。ついでに言えば強くなれとも少し念じたから勝手に強化も入ってるし。
うん。素晴らしい。素晴らしい。
しかもあれだなレア魔物だけ合って結構強いな。闇助とかとは比べちゃいけんけど。眷属の中ではかなり上位の強さなんじゃないか。せっかくだし更に強化を施してみますか。
「というわけで。魔石用意よし。水属性のカッコいい剣の用意よし、さあ。これらと合体して強くなれ。強くなれ」
俺は闇空間から魔石をたくせんと眷属が気が付いたら闇空間の中に入れていたそこそこ力を感じる水属性の属性剣を取り出すとそう適当に唱えた。
その瞬間レア魔物が光が輝き合成される。
「主様に絶対の忠誠を誓いましょう」
そういって俺に跪いてくる。
うん完璧ですね。
力も結構強化されて、四天王の半分くらいの力は感じるな。多分漆黒竜あらため神喰竜と四天王を除けば一番強そうだ。
いやまあ千鬼死霊大行進は除いてるけど。後まあすごく人間って感じになった。容姿は水属性だからかクールイケメンって感じやし。ちょっと腹立つわ。
しっかし。これは中々に貴重そうな完璧に自我を持って動けるタイプの眷属っぽいな。
いや、まあ俺の力強いんで死霊虫とか剣スケルトンでも一応の自我はもってるけど、やっぱり虫だったり骨なのか自分で考えて行動をするという点では非常に弱いからな。
このレア魔物はその点、自分で考えて行動してくれそうだ。非常にありがたい。
「さてと、じゃあ。レアな魔物っていうのは面倒なんで、お前はこれからミズレアだ」
因みに名前の由来は水属性のレア魔物だからだ。超簡単だ。ほぼ一切何も考えずにつけた。
「ミズレア、素晴らしい名前をありがとうございます。主様」
喜んでもらえて何よりだ。まあ俺の眷属だし多分クソって名前とかにしても喜ぶだろうけど。そんな名前は流石に鬼すぎるんで付けないけど。
しっかし。こいつ何に使おうか。せっかく自分で行動できるタイプの眷属なんやし有効活用したいな。
・・・・・・・・・・・・
うん。思いつかん。
まあどっかで必要になったら使うか。それまでは適当に俺の持ってるダンジョンにでも潜らせますか。
ん?待てよ、別にこれ俺の持ってるダンジョンじゃなくても大丈夫じゃないか。
こいつ元人間の俺が強化させた影響か、超人間らしい容姿になってるし、変な角とか翼に尻尾も生えてなければ眼もしっかり二つだ。
うん。ええやん。ええやん。この案。いろんなダンジョンに潜らせてドロップ品に魔石にスキルの書をガンガン集めさせよう。
普通の眷属に任せるのは怖いが。こういう自我を持ち思考能力が非常に高い眷属ならば安心して任せられる。きっと不測の事態に陥っても大丈夫だろう。
そうと決まれば裏ダンジョン連合の人に身分証を作ってもらってやらせるか。じゃあ今から裏ダンジョン連合に向かうとするか。
「というわけで行くぞミズレア。ほい転移」
―――――――――――――――――――――
俺は広島にある学園の地下?にある裏ダンジョン連合に死霊虫を介して転移した。
「あ、どうもお久しぶりです。今日は眷属の身分証が欲しくて来ました」
転移したら近くにいる受付嬢にそう挨拶する。
「はい。分かりました。泰斗様。今回はどのような身分証でしょうか」
なんだかんだで身分証を貰ったことがあるのと。受付嬢さんが結構俺の担当をしてくれてた人だけあってスムーズに話は進んでいく。
というわけで事情を軽く説明したら。ミズレアの身分証明書貰えた。
何かこういうことを考えて身分証明書をある程度の数常備してあるらしい。
うん。身分証明書が常備してあるって凄いな。さすが裏ダンジョン連合。ありがたいわ。
因みに俺と俺の眷属の功績のおかげで特に費用は掛からなかった。いやはやありがたいですね。
「そんなわけで。ミズレア。この身分証明書をもっていろんなダンジョンに潜って、そこで手に入れたドロップ品に魔石にスキルの書は闇空間に入れてくれ。それと人に危害は加えるな。犯罪者に出会ったら捕まえてダンジョン連合の人に突き出せ。困ってる人がいたら助けてやれ、まあ、なんかあれば報告しろ。ほんでもお前は自分で考えて行動できるだろうから大丈夫だと信じてるけど。ほんじゃあ頑張ってくれ」
「は。分かりました。主様。その命令必ずや完璧に成し遂げて見せましょう」
そういって裏ダンジョン連合の中で俺に跪いてから俺の命令に従うためにダンジョンに向かって走り出した。
「さてと。これでミズレアもといレア魔物の処理は終わったな。さてと今から何をしようか。よしせっかく裏ダンジョン連合まで来たことだし、お爺ちゃんに挨拶をして、多分今上で授業を受けているであろう、鉄志に勇気のハーレムメンバーに挨拶でもするか」
俺は裏ダンジョン連合の中でそう大きな独り言を呟いた。
「ふむ。久しぶりじゃのう。泰斗よ。元気にしておったか?お主がここに来たと聞き急いで向かってきたのじゃぞ」
いきなり後ろから話しかけられたんで振り向くと、そこにはお爺ちゃんがいた。
「あ。どうもお爺ちゃん。すみませんわざわざ。あ、それと俺は元気ですよ。元気で溢れてますよ」
「そうか。そうか、それは良かった。さて、じゃあ仕事の話をしようかのう」
お爺ちゃんはさっきまで凄く優しい顔をしていたのに急に険しい仕事モードの顔になる。
仕事か。いやはや何か嫌な予感がするな。
「仕事ですか。どんな内容ですか?」
「ふむ。正直この仕事はかなり難易度が高いと思う。本来であればお主ではなく儂等ダンジョン連合が解決すべき内容じゃ。少なくとも一個人に頼む難易度ではない。この仕事が成功しなくても誰も文句は言わんし、お主としてもあまりいい気分にはなれぬかもしれん。それでも受けてほしいのじゃ」
いや。内容を言えよ。
「そんなに引っ張らなくても。取り敢えずどんな内容か教えてください。それがわからないことには何もできません」
「うむ。そうじゃのう、その内容はのう。その内容は、いやすまん。やはり。難易度が高すぎる。この内容をお主に頼むのはやはり気が引ける」
いや。言えよ。めっちゃ気になるやん。逆にどんな内容だよ。
「いや、教えてくださいよ。ここまで引っ張られた逆にすごく気になりますよ」
「うむ。そうじゃのう。その内容というのはな、純武 勇気を見つけ出すということだ」
あ、想像以上に簡単な内容だった。
え?まあ、確かにアイツ異世界に転移してるし。俺の眷属は俺の安否を伝えているだろうが。勇気の安否なんて興味ないだろうし、言う必要もないと判断してるから言ってないだろうな。
そんでまあ。多分ダンジョン連合側で行方不明になった勇気を探すことになったんだろうけど。異世界に行ってるから当然見つからず。お手上げ状態だろうな。
というか探してた人員が勿体ないな。絶対に見つからんのに必死こいて探したんだろうな。少なくとも俺に頼むくらいやから。いやまあ、俺も一応勇気の勇者召喚に巻き込まれてた。もとい。傍から見れば一緒に何処かに飛ばされたように見えるか。そう考えるとなんか納得がいくな。
まあ。ほんでもお爺ちゃんがあそこまで俺に言うのを躊躇った理由は多分というか一応俺は勇気とは仲悪くて結構問題を起こしてるってのがあるからな。
うん。そう考えてみると探して欲しい人がいるから仲悪い人に探して貰うって。アホみたいな状況だな。
「やはり無理か。すまんのう。無理難題を言って」
お爺ちゃんに謝られた。ヤベ考え込んでた。思考能力加速してるとはいえ流石に考えすぎた。
「いや。全然大丈夫ですよ。多分1週間あれば確実に勇気は見つけれると思いますよ。まあただ、勇気本人が俺に大人しくついてくるかは分かりませんが、一応やろうと思えば無理やりでも引っ張ては来れますけどどうしますか?」
俺のその言葉にお爺ちゃんは少し考える素振りを見せてから困ったような顔で喋り出す。
「ふむ。そうじゃのう。では勇気を探し出して見つけたならば儂含め母親に婚約者に北先生、その他色んな人が心配していると伝えてくれんかのう?」
なるほどね。まあそれが一番良い落としどころかな。何だかんだで俺以外の人には優しい主人公属性の勇気だから。多分帰らせること可能かな。多分だけど。
「分かりました。ではそのように伝えておきます」
「うむ。頼んじゃぞ。あ、報酬はいつもの様に口座に振り込んでおく。それとお主の眷族のおかげでかなり儂らの仕事が楽になった、遅くなったが礼を言わせてもらう。ありがとう」
え?最後の何?
眷族が仕事を手伝った?
・・・・・・・・・
そんなこと知らないのだが、あ、いや、そういえば何か言ってたな。あんまり覚えてないけど。うんまあ、俺のプラスになってるからいっか。
「そうですか。お役に立てて何よりです。では今から久しぶりに鉄志や北先生に会いに行くので、また何か用事があれば呼んでください」
「分かったのじゃ。それじゃあ、勇気の件頼んじゃぞ」
そう言うお爺ちゃんを後に俺は裏ダンジョン連合から出て懐かしの学校に向かうのだった。
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