第116話・日本食は素晴らしい

 取り敢えず家帰ってからはアニメを見まくって見まくって。大量に見て夜を明かした。

 そうして一応今期の見たかったアニメはあらかた見終わってから窓を見ると太陽が昇っていた。ようはすっかり朝だったという訳だ。

 ほんでまあ、何のアレもなく取り敢えずテレビを動画配信サービスの画面から普通のチャンネルに戻したら。

 凄いニュースになってた。何かアニメ制作会社が盛大な脱税をやってたとかで捕まってた。それに手を貸していた警察官が何人も捕まってた。


 うん。確実にアレやな。俺が昨日殺して眷族にしたアレやな。

 まあ、しっかりと自首したんやな。しっかし脱税ですか。もっと罪が重い犯してるかと思ったけど、想像よりもしょぼかったな。いや、しょぼくはないか?脱税額8億って考えると相当だな。

 逆に言えばそれだけ儲かってるってことか?凄いな。


 いやまあ、昔のアニメ制作現場は物凄く簡単に言えば利権を取りたいオッサンが無理やり予算を決めて、アニメ制作会社に低賃金で仕事を強いて酷い状態だったたらしいがな。

 まあダンジョンが出来て。アニメや漫画の需要が高まり大ヒット、それと同時にアニメ保護法が出来てアニメの権利はアニメ制作会社と作者のみが持つというのが法で決まり。国からもある程度の補助金が出るようになったからな。

 そんでもってアニメ制作に関わってる人達の最低賃金が結構高めに決められて労働環境の改善がなされたからな。そんである程度税率も下がったはずだ。


 あ、それと確か、あの超大ヒットした鬼丸の刃の制作会社が脱税をした件でも法が改正されて。アニメとは長期的に作るものなので。作った期間を分けて利益を計上してよいってなってたからな。

 それで年度ごとの利益を誤魔化して別の年で分けたりする系統の脱税はほとんど無くなったからな。


 まあ、この今捕まった人の脱税は普通に人件費を滅茶苦茶に上げて計上していたが本当は最低賃金分しか渡してなかったって脱税方法だけど。まあ、脱税というか微妙なラインだが。

 まあいいや。そこまで考えるのは面倒だ。


 さてと、じゃあ今後の予定を立てますか。

 あ、その前に朝飯食べよう。

 久しぶりの家族全員での食事だしっかり取らないとな。


 俺はそう結論を出すとリビングに降りる。

 朝ご飯を大分準備が出来ていたが。まだ皿が出ていなかったのでお手伝いをする。


「あら、ありがとう。泰斗」

「いいよ。お母さんこのくらい」

 そうして皿を出し終えてから暫くするとお父さんと妹が二階から降りてきて椅子に座る。


「さあ。皆揃ったし、ご飯を食べましょう」

「それじゃあ。いただきます」

 俺はそう言って元気よくいただきますを言って朝ご飯をかきこむ。

 うん。美味しい。

 今日の朝ご飯は日本人の魂ともいえる米にサケに出汁巻き卵にみそ汁に納豆だ。

 素晴らしい。

 なんだかんだでここまで完璧な日本の朝食を食べるのはすごく久しぶりだ。やっぱり日本の朝食は最高だな。


「泰斗。お代わりはいっぱいあるから遠慮せずにどんどん食べてね」

 お母さんが優しくそう言ってくれる。ありがたい。俺はその言葉を聞いて白米をとりあえず全部かきこむ。


「じゃあ。お母さん。おかわり」

 俺はそう言ってお母さんに茶わんを渡す。

「はいはい。少し待っててね」

 そう言って台所に行きご飯をよそいでくれる。もちろん大盛りでだ。


「ありがとう。お母さん」

「どういたしまして、あ、泰斗、海苔の佃煮あるけど食べる?」

 海苔の佃煮だと。なんと素晴らしい。そういえば最近食べていなかったな。これは食べるしかない。


「食べる~~~」

 俺は元気よくそう言った。少し語彙力崩壊してんな。

 それを見てお母さんはくすって笑いながら海苔の佃煮を渡してくれる。

 そうしてホカホカ山盛りの白ご飯の上に海苔の佃煮を入れて豪快にかきこむ。

 うん。美味しい。

 これぞ日本人だ。本当に美味しい。


「泰斗、いっぱい食べるんだぞ」

 お父さんが嬉しそうにそう言ってくれる。やっぱり、息子がこうしてご飯をたくさん食べる姿は嬉しいんだな。小さい頃から俺がたくさん食べると喜んでくれてたな。懐かしい。


「うん。もちろん」

 俺は元気よく頷き。ご飯を食べ進める。

 そうして結局大盛りの白米を6杯お代わりした。

 正直食べようと思えばまだ食べれそうではあるが。俺の心がお腹一杯もう満足と言っているのでやめておいた。


「ごちそうさま。美味しかったよお母さん。あ、片付け手伝うよ」

「いや。いいよお母さんがやっておくわ」

「ありがとう。お母さん。じゃあお言葉に甘えて」

「それじゃあ。俺はもうそろそろ仕事に行ってくる」

 そう言ってお父さんが立ち上がり。鞄を持ち玄関に出る。

 それに合わせるようにお母さんと俺に妹の家族全員で玄関まで向かってお見送りする。


「じゃあ、いってらっしゃい。お父さん」

「ああ。いってくるよ」

 そして家族全員でお父さんが仕事に行くのを手を振ってお見送りした。

 まあ普段はここまでしないけど。まあ出張の時とかはしてるけど。まあ久しぶりにあったし、これくらい普通かな。

 それにしても何だろう凄く嫌な予感がする。お父さんが何か危険な目にあうという嫌な予感が。

 取り合えず護衛の数増やすか。


 俺は普段付けている護衛にプラスして、今速攻で魔石と魔力を大量に突っ込み無詠唱で隠密型の眷属を作りお父さんの陰に潜ませた。

 多分。これで大丈夫やろう。俺の力はかなり上がっているし、今作った眷属は感覚だが魔人が束で掛かってきても勝てるくらいの性能はあるだろうしね。もしよほどなことが起こっても眷属から連絡が来て俺がすぐに死霊転移で駆け付ければいいだけやしね。


 うん。大丈夫。大丈夫。

 さてと、じゃあ俺は今後の予定をこなしていくか。といっても一番大きい目標は女体化して妹の仲間になることなんだが。うん。なんで俺こんなことすることになったんだ。

 いや、まあ成り行きでしょうがなかった部分はあるが。

 さてと、そのために必要であろう、女物の防具と武器を買いに行きますか。

 というかその前に女体化した俺の設定を考えようっと。


 じゃあ、一旦自分の部屋に戻って設定を考えていきますか。


 というわけで部屋に戻る。


 さてとどういう設定で行きますか。

 まず一旦女体化させた自分の姿を見てみよう。


「反転・性別」

 俺は女体化すると同時に闇空間から眷属が買ってくれてた鏡を取り出して自分の姿を確認する。


 まあ、可愛いね。前みたのと変わらない身長160㎝の黒髪長髪巨乳の美少女ですな。

 ん?あれ?なんかお胸が前よりでかくなってない?


 具体的には前の時は測ってはいなかったが、まあ、大体Eくらいだったのんだけど今はGくらいになってない?

 これは、なんともまあすごい成長ですな。


 超たわわだな。クソ、自分が女体化してるのと死霊神となったせいで存在しない性欲が憎い。

 これ、純度100%人間の頃の俺だったら絶対にあんなことやこんあんことや、そんなことや、アレなことをしているのに。

 クソ出来ない。いや出来るけど。しようっていう気持ちになれない。

 クソったれ心は俺の心は喜んでいるのに。俺の体はピクリとも反応しなければ、何も思わない感じない。

 辛い。辛すぎる。


 ハア。まあ嘆いても仕方がない。頑張って設定を考えていきますか。

 まず、名前はそうだな、適当にイトでいっか。まあ一応この女体化状態で魔物暴走を終わらせた英雄であるけど、まあ流石に気が付く人はいないでしょ。うん大丈夫大丈夫。

 ほんで、年齢は15歳にならないとダンジョンには入れないし16歳でいっかって?

 ん?

 あれ?俺の妹ダンジョンに潜ってなかった?確か今の年齢13歳じゃなかったけ?


 ・・・・・・・・・・・


 あれ?おかしくね?なんで潜ってんだダンジョンに?


「闇助、質問だ。何故俺の妹13歳なのにダンジョンに潜れている」

「それはもちろん私の方で裏ダンジョン連合の伝手を使い特別に潜らせました。元々主様の妹君は主様のおかげで能力は非常に高いですし。常に主様の眷属達で護衛をしておりますので。ダンジョンに潜るという行為自体は何ら問題ありませんでした」

「そうか。ありがとう」


 なるほどね。なるほどなるほど。伝手というかコネって凄いな。

 まあ、それに妹が強いというのも事実だし。俺の眷属が守ってるってのも事実だし。そう考えると確かに安全だな。

 うん。何も問題はないな。


 まあ、でも俺の年齢設定は16歳にするけど。

 ほんで経歴はどうしようか。普通にダンジョンに憧れる女の子で運よくレアなスキルの書を獲得して強くなったって感じの設定でいくか。

 そうなると、どんなスキルがいいかな?


 俺の能力範囲内じゃないと駄目だから。

 そうだな。

 う~ん。


 ・・・・・・・・・・・・


 そうだ、極精神魔法にでもするか。

 ほんで戦い方は、敵を精神魔法で乗っ取ったり、混乱させて同士打ちさせたり、自分たちを味方だと思い込まさせたりと、補助が基本な感じで。

 うん。いける。これはいけるぞ。絶対にいけるぞ。

 後は服じゃなかった、防具と武器を揃えないとな。これはどうしようか。眷族に買わせてきてもええけど、せっかくだし自分で買いに行くか。

 まあ移動は面倒何でその場所に眷族を向かわせてから死霊転移するけど。

 というわけで行け死霊虫。

 これで十分程で武器防具屋に転移出来るようになるやろ。


 じゃあ、次の設定は俺とどうして知り合ったかって設定を決めるか。


 うん。これはまあダンジョンに潜ってて精神魔法が効かない強敵が現れて死ぬと思った所を俺に助けられてという設定で行くか。それで恩を感じている的な。

 うん結構良い設定だな。

 後は性格どうしようか。そうだな。


 ・・・・・・・・


 物静かってのは何か似合わなさそうやし、活発な元気娘ってのも何か違う気がするし。

 うん。どうしようかな。


 ・・・・・・・・・・


 よし、決めた。普段は物静かだけどダンジョンに潜ると急に活発になる、戦闘狂感のある少女という設定でいきますか。


 まあ。こんな所かな。他はそこまで考えなくていいかな。

 あ。つか俺妹に仲間を紹介してあげるとは言ったが具体的に何処で何時にとは言ってないな。

 これどうしようか?取り敢えず聞きに行くか。


 というわけで俺はいつもの様に部屋を出て隣にある妹の部屋をノックする。


 コンコンコンコン


「今大丈夫か?」

 俺がそう言うと妹がドアを開けて一言。


「あのう?どちら様でしょうか?」


 ・・・・・・・・・・

 へ?


「いや。何を言ってるんだよお兄ちゃんだよ」


 ・・・・・・・・・・・


 沈黙が流れる。


 ん?

 あれ?

 あれれれれれれ?

 そういえば俺性別反転させたまんまやない?


「もしかし。アニイ性別変換のスキル持ってるの?それでもしかし、昨日仲間として紹介出来るって言ってたの性別が反転したアニイのこと?」

 流石俺の妹だ。血が繋がり同じ家で同じ両親に育てられただけで合ってか俺の事を完璧にお見通しですな。

 やらかした。マジでやらかした。完全にポカミスした。

 アホ過ぎる。マジでアホ過ぎる。辛すぎる。泣けて来るわ。


「はい。その通りです。何も間違っておりません」

 俺はそう言って正座した。俺は神だけど怒ってる妹には逆らえません。はい。


「そうだったのね。しょうがないわね。まあ許してあげるわ。というか今闇助さんをお洒落にコーデするのに忙しかったしダンジョンに潜る気は起きないし丁度良かったわ」

 うん。クッソ自分勝手だな。ヤベ妹じゃなかったら殴ってるわ。まあでもこんなのでも可愛い妹なのは変わりないし許しますか。ハア兄は辛いよ。


「そうか。じゃあ仲間の件は無しという事でいい?」

「いいわよ」

 うん。いいんだ。昨日あれだけ仲間欲しい敵な事言っといていいのかよ。まあその方が俺としてもありがたいしいっか。


「分かった。じゃあゴメン邪魔したね」

 俺はそう言ってドアを閉めて自分の部屋に戻る。


 さてと。せっかく考えた俺の設定無駄になったな。何か少し勿体ないな。

 ん?待てよ、せっかくだしこの姿でダンジョンに潜ってみるか。

 いや。何となく美少女の目線というのも見て見たかったしね。

 仲間は取り敢えずは要らないかな。まあ何かあっても俺神だし大丈夫やろ。

 よし、そうと決まれば防具と武器を買って適当なダンジョンに潜りますか。


 ――――――――――――――――――――

 補足説明

 妹は学校あります。

 ただ、偶然今日は創立記念日で学校は休みだったという設定です。明日からは普通に学校に行きます。

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