第115話・外伝・闇助

 私の名前は闇助。

 我が偉大なる主であり死霊の神であらせられる主様の定めた四天王の一人であり。最も最初に主様に生み出された眷族である。


 私が生み出された直後の時はまだ主様の力も弱く自我はほとんど無かった。

 あるのは、そう主様に対する忠誠心だけだった。


 そんな私だが。主様より魔石を頂いていってから少しずつ身体が強化され強くなり自我が芽生え始めた。

 そうして気が付いたら人の形を取れるようになり、自我も鮮明になった。


 それから主様の命令に従いとあるダンジョンの管理のような物を任せれた。

 いや。正確に言えば主様の眷族の中で私が一番早く生まれて。一番強かったため。主様の眷族を統率する立場になっていたというだけではあるが。

 それからそのダンジョン内でひたすらに魔物を倒しスキルの書を魔石をドロップ品を主様の為に集め続けた。


 そんな生活を続けていた時だった。

 主様からダンジョン外での作業を頼まれるようになって来た。

 私は主様の眷族の中でも珍しい完璧な人型の眷族である為。主様が他のダンジョンに潜るといった時や。主様が倒した犯罪者共の見張りや尋問を任せれたり、主様との模擬戦をさせてもらったりと。本当に様々な事を主様にやらして貰った。

 それから四天王という位を授かり、同僚が出来た。

 今まで私は主様の眷族の中でも飛びぬけて強かったため。対等に話せる仲間がおらず少しだけ寂しかったのだが。主様のおかげでそういったことはなくなり。四天王同士で楽しく話が出来るようになった。

 といっても、話す内容はいつも主様の自慢話であるが。


 ただまあ、少しだけ残念なのは。漆黒竜という主様の眷族最強の存在が現れて。私の主様の眷族最強という地位が奪われてしまった事位である。だがしかし主様の為、その程度で決して弱音は吐かず主様のお役に立てるように頑張っていこう。渡すが弱音は吐かない眷族なのだ。


 その後。主様と共に文化祭を行ったり、主様提案の元、弱い人間にダンジョンでの戦い方を教わらせたり一部人間を護衛したりした。


 それから主様の為を思い自分達で考えて行動もし始めた。

 私達眷族一同は今まで主様の命令ばかりをこなしていて、自分で考えて行動するというのを放棄してた。


 これは非常に不味い。


 やはり偉大なる主様の眷族であるからには自ら考えて行動するというのは絶対必要だと思うのだ。

 そうして私は様々な事を行った。

 裏ダンジョン連合という主様の所属する組織に協力を申し入れ、主様の眷族一同で様々な犯罪者達を捕まえていき、功績を上げていった。

 また。そうやって手に入れたお金を元手に人気のないダンジョンを買い、ダンジョン攻略班を作り、ダンジョンを攻略していった。そこで手に入れた魔石やドロップ品にスキルの書を売りさばき。主様の為にお金を溜めていく。

 また。一部高額で売れる美肉体や美骨格は今の主様に必要ない物と判断し様々な場所で売りさばき、さらにお金を増やしていきました。

 そうして主様の為に眷族一同で様々な事をに取り組んでいた時だった。


 主様の反応が消えた。


 突然でだった。

 余りにも突然だった。

 慌てて主様の近くにいる死霊虫に質問をした所、どうやら勇者・勇気との戦闘中に魔法陣が現れてそれに巻き込まれてしまったらしい。


 絶望だった。絶望で目の前が真っ暗になった。

 主様の為に生き、主様の為に行動をし、主様が全てのこの私が主様の危機に対して何も出来なかった。本当に屈辱的で自分の無能さが酷く刺さった。

 その思いは他の四天王も同じだった。

 幸い千鬼死霊大行進のスキルによって召喚される主様の眷族であり仲間から主様の無事が伝えられました。

 しかし主様がこの世界に戻って来るのは1年以上先のようでした。


 主様は気にしている様子はなかったとのことですが。多分主様の性格的に本当に気にしていないと思いました。

 だからといって。この度の失態が許されるわけではありません。

 そして私含め四天王全員にその他の眷族達を徹底的に鍛え始めました。


 もちろん、主様の為のお金稼ぎは止めていません。むしろ、主様が戻ってきてから主様が快適な生活を送れるようにより一層お金稼ぎに力を入れました。

 もちろん人脈作りやコネ作りといった主様の為になりそうな事も並行してやっています。

 主様が帰って来た時に主様に敵対する存在が現れないように、主様が安心して楽しくこの世界で過ごせるようにと眷族一同必死に努力をしました。

 それと主様は非常に家族を大切にするお方でしたので、主様の家族のケアもしっかりと行いました。


 そうして主様が異世界にいってしまわれてから1ヶ月以上が過ぎた頃主様によって召喚されました。

 久しぶりに見た主様のお姿はやはり神々しく禍々しく最強にして最高にして最凶の至極の存在でした。

 多分他の四天王も私と同じ意見だと思います。

 主様直々のご命令を久しぶりに頂き。私達は神を殺すこととなりました。


 流石主様です。神に挑むとは。主様なら絶対に神に勝てると信じております。そしてこの命に代えても主様の為に神を殺して見せましょう。


 そして主様と四天王にガイメイ殿で神に挑みました。

 途中眷族最強の漆黒竜も加わり厳しい戦いでしたが、主様の圧倒的な力により神を殺すことに成功しました。

 やはり主様は最強です。元は人の身でありながら神をも殺すとは。主様が私の主様で本当に良かったです。


 しかしそんな私の安堵もつかぬ間主様は卑劣なる神の手によって何処かに飛ばされてしまいました。

 また私は同じ過ちを繰り返してしまった。しかも今度は私が目の届く範囲にいながら。私は慌てて主様を探しました。幸い主様の繋がりは薄くですが存在しました。

 その薄い繋がりを手繰って主様を探し見つけました。

 しかしどうやら主様はお取込み中のご様子でしたので、少し待ち、主様がお一人になられたタイミングを見計らい念話を行いました。

 そして主様から新たな命令が下されました。

 私はそれを完璧にいや。完璧以上に達成すべく今この世界にいる眷族を総動員させ、主様の為に準備を行いました。


 そうして主様に相応しいお迎えが出来ました。

 少し過剰だったかもしれませんが、主様の為これくらい普通です。何の問題もありません。

 それから主様はご自身の力を確認し試し始めました。

 私もそんな主様を見習い、主様が神になった事により上がった自分の力を確認しました。

 能力的には今までの10倍以上に跳ね上がったのと、主様が卑劣なる神の手によって何処かに飛ばされた時は繋がりが薄く感じましたが。力が馴染んでなのか前以上に主様との繋がりを感じるようになりました。


 そして主様が元の世界に帰られるようになったので命令を受け私達も帰りました。

 帰ってから暫くすると主様から主様の妹君の護衛のような物を任せれました。少しだけ主様から申し訳ないという感情を感じましたが、私は主様の為に存在する者、一切気にしません。

 どのような扱いを受けようが主様から与えられた任務絶対に成し遂げて見せます。

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