第114話・さあ、投資しよう
夕ご飯を食べ終わり部屋に戻った後、俺はやることを考えた。
まあもちろん色々とやらなければならないことはあるが、しかし。今、こんな夜に外に行くのは少しどうかと思った。一応お父さんにも顔を見せないといけないと思ったのでな。という訳で今俺は家の中にいなければならない。
そして暫く考えて出た結論は溜まってしまっていた深夜アニメの消化活動だ。
いやマジですっかり忘れていたが。今期は俺の大好きなアニメの2期に3期に5期やら、新作アニメやらやら、恐ろしいくらいにパラダイスなアニメが大量にあったんだった。
これはもう観るしかない。それをすっかり忘れて異世界で楽しんでいたとは某一生の不覚。
俺は基本的には録画や動画サービスで良いと考えているが、好きな作品は出来る限りリアルタイムで見たいという考えの持ち主なのだ。
それなのに。それなのに。クソ。後悔してもしきれない。いや逆に考えよう。おかげで何話かたまっている状態でみれるじゃないか。うんそう考えると悪くない。
というわけで、早速アニメを見ていくぞ。
さあ、眷属に買わせたポテチにコーラよし。
眷属に買わせた超高性能大型テレビよし、動画配信サービス加入よし、快適なアニメライフの為に眷属に買わせて組み立てさせた高性能ゲーミングチェアよし。
早速座ってっと。
いざ、アニメライフにドボンだ。
2時間後。
取り敢えず凄く見たかった新作アニメを最新話まで見終わった。
マジで神アニメだった、だけで、そうだけど欲を言えばもう少し予算をかけて欲しかった。
所々予算が足りていないのか時間が足りなかったのか人が足りなかったかは分からんが、雑な部分があったし。モブの声優とかは凄く手抜き感が合ったりした。
クソ、もっとこの作品は輝ける神アニメなのに。惜しい凄く惜しい。
・・・・・・・・・・
そうだ。投資しよう。
俺今超大金持ちやん。自分でも引くくらいに金を持ってるし稼ごうと思えばいくらでも稼げる。
その大金を投資しよう。
それで俺の大好きな作品たちが神アニメになれば万々歳だ。
というわけで思い立ったらすぐ行動だ。
早速アニメ制作会社に凸りに行こう。
「ただいま」
俺がそう結論を出してアニメ制作会社に向かおうとして時だった。お父さんが帰ってきた。
間が悪い。いやでもお父さんが帰ってきたし。何だかんだで心配もかけてるだろうし、少し顔を出してからアニメ制作会社に行きますか。というか当初の目的それだし。すぐ忘れるのは俺の悪い所だな。
さてと一階に降りるか。
タッタッタッタ
「お父さんおかえり」
「ああ。ただいま。それよりも泰斗何か暫く見ないうちに成長したな」
お父さんはそう言っていつもの様に俺の頭をくしゃくしゃっと撫でてくれる。
正直もう15歳で神にもなっている俺としては恥ずかしいけど。それでもやっぱり心地よかった。いつまでたっても俺はお父さんの子供なんだなってそんな気持ちにさせられた。
「そうかもね。異世界で色々あったし。まあ何だかんだで楽しかったよ」
「そうか、楽しかったか。それは良かったな」
「うん。良かったよ」
「そうかそうか、まあ元気で楽しくやれていたのなら良かったよ。ただタイト、次遠出をするときは一言いれろよ。泰斗の部下の闇助さんがお前の近状報告を定期的に入れてくれていたから大丈夫だったがな」
「うん。分かってるよ。じゃあ俺は今から用事があるので少し出かけるね。すぐ戻ってくるから」
「そうか、気を付けて行けよ」
そう激励してくれるお父さんを背に俺は一旦闇カスダンジョンに転移した。つかお父さんまで闇助のことをさん呼びしてるんやな。
――――――――――――
「さてと、お父さんに顔も出したし、アニメ制作会社に向かいますか。あ、そういえば俺って今どれくらいの資産を持ってるんだろ?おい、闇助俺が今すぐに使える資産総額を教えてくれ」
俺はふと疑問に思い念話を使って適当に闇助に質問する。
まあ、今闇助は妹に遊ばれているだろうけど、並列思考が出来るし大丈夫だろう。
「はい。今現在の主様が今すぐに使える資産総額は154億円です」
思った以上に多かった。
あれ?つか何で俺そんなに持ってんだ?そこまでの大金を稼いだ覚えはないぞ。というわけで闇助に質問してみる。
「はい。それはこの世界で何かとお金が入用になると考え私共眷属で一部スキルの書やドロップ品に魔石を売買したり、戦闘指南と看板を用意し道場を立てたり、売れ残っているダンジョンを買い占めて、占有しドロップ品と魔石にスキルの書の安定供給を図ったりと、さまざまなことを行った結果です。今後これからもこの資産は増え続けると予想させます。また、これはあくまで今すぐに使える資産総額であり、今現在主様の闇空間にあるものの資産価値を考えれば1兆円は軽く超えると考えられます」
なるほどね。何だろう想像以上に眷属達が優秀過ぎて驚きなのだが。まあ確かに自我は持っていたけど。まさかここまで自分たちで考えて行動が出来るとは凄いな。
つか、昔の俺だったら自分たちで考えた結果反乱を起こしますとかなってたら詰んでたぞ。
まあ、今の俺ならば神の権能・死を使えば一発で終わりやから大丈夫だろうけど。まあそもそも論かもしれないけど眷属達が裏切るなんてないか。
うん、あり得ないあり得ない。
「まあ、取り敢えずよく分かったよ。ありがとう闇助。また何かあったら言うわ」
「分かりました。主様」
「さてと、じゃあ今から俺の好きなアニメを作っているアニメ制作会社に片っ端から言って投資しますか、といっても場所が分からないからな。取り敢えずダンジョン内じゃあ電波繋がらないし。外に出ますか」
俺はサクッと1階層出口付近にいる眷属の所に転移して外に出る。
「検索、検索っと」
俺はスマホを使ってアニメ制作会社の場所を調べる。
基本的に東京にある会社が多かったので、東京にいる眷属を探してみたら、ありがたいことにいたから転移をする。
転移したら幻影魔法を使って俺の姿を見えない様にしつつ、空を飛んでスマホ片手にアニメ制作会社を探す。
取り敢えず一個目を発見したので降りて幻影魔法を解除する。
「すみませ~ん。この会社に投資をしに来ました」
俺はそう大声を出しながら向かい堂々と自動ドアをくぐった。
「ちょっと止まりなさい」
警備員のおっちゃんに止められた。
まあ、当たり前か。
「いや。ここのアニメ凄く好きなので投資にきたんです。株とかを買ってもよかったんですが。それだと少し手間がかかりますので、というわけでこれが証拠ですね」
俺はそう言って闇空間から札束を取り出す。
いくつも取り出す。
そうして近くにあった机に札束を大量に置いていく。
机一つじゃ収まりきらなさそうだったので、隣の机にも置いていく。
ザット10億円ほどだ。
「え?これって本物?」
警備員のおっちゃんに、受付にいた人が驚きながらそう声をもらした。
まあ、そうだろうね。
ちょっとだけ、この直接言ってお金を渡す方法は失敗だった気がしてきた、というか、これ税金関係は大丈夫なのか?まあ知らん。それに俺はなんだかんだでダンジョン連合という日本国とはなんだかんだでずぶずぶの関係の組織に一員だし、何かあってもだいじょうぶやろ。
「ええ。本物ですよ。でまあこれを投資しに来たわけですよ」
「ちょっと、ちょっと待ってください、今社長を呼んできます」
受付の人がそう慌てて言ってから電話をかけ始める。
そっから、まあ社長さんがここまで来るってなったんで、適当に本でも読みながら待つこと3分。
社長さんが来た。
「どうも貴方様が投資をしたいと来てくれた人ですか」
ザ・社長って感じの高価なスーツに身を包んだ中年のオッサンが出てきた、因みに顔はそこそこダンディだ。
「そうです。俺滅茶苦茶アニメが好きなんですよ。この会社で作れてきた様々なアニメには本当に楽しませていただきました。それでそのお礼ともっとクオリティの高い作品を作って貰いたく今回投資をしようと思いました。どうぞお納めください。その代わりこれからもより良いアニメ作りをしてください。あ、もしもじぶんの懐とかに入れたら恐ろしいことになるので覚悟してくださいね。ではこれで」
俺はそう言ってドアを出て、また次のアニメ制作会社に向かう前に。電話を入れた方が良いと思い電話を掛け、今から10億円投資するということを伝える。
いたずら電話だと思われて軽くあしらわれてしまったが。まあ現物を見せれば納得するだろうし。空を飛んで向かう。
そして到着する。
「どうも。さっき電話した上野 泰斗です。お金を投資しに来ました」
俺はそう言って、近くにある机に同じように闇空間から札束を出していく。まあ変わらず10億円分だ。
「え?ちょっと待ってください。え?あれ本気だったんですか?」
さっき俺の電話対応をしてくれた受付の人が驚きの声を上げる。まあそうだろうね。それでいて超焦っている。まあ10億円投資言って渡すような大物にクソ失礼な態度取ったからそうだろうね。まあ俺はそこまで気にしてないけどね。
「ああ。本気さ」
「マジすか。あ。すみません。変な口の聞き方をしてしまい。今すぐに社長室まで案内します」
「ああ。そう、じゃあ直接渡した方が良さそうだね」
俺はそう言って闇空間に札束を全て収納する。
「じゃあ。案内よろしく」
「はい。分かりました。どうぞこちらです」
受付嬢の人は少し震えつつも俺を社長室の所まで案内してくれる。
「君が10億円の寄付をしてくれるという、上野 泰斗君か」
何か凄い立派な椅子に座りながら黒色のスーツを着て眼鏡をかけたオッサンそう言ってきた。少々上から目線だな。あと寄付じゃなくて投資なんだが。
「いや。寄付じゃなくて、投資ですね。ここのアニメがより良いものになればいいなという想いを込めての投資ですね。この投資で従業員の給料上げたり、人員を増やしたり。良い声優さんを雇ったり、高性能パソコンをいれたりして。より良いアニメを作ってください。もしも懐に収めるとかより良いアニメ作りとは違うお金の使い方をしたら、まあ恐ろしい目に合うことを覚悟してください」
俺はさっきと似た感じでそう言った。因みにだがさっきと同じように殺意とか魔力とかは一切放出していない。
「そうか。じゃあ死ね」
いきなり社長がそう言うと銃で撃たれた。
バン
派手な音が鳴って俺の脳天に当たるが、まあ無傷だ。
死霊神である俺にとって銃弾なんてものは何の意味もなさないからな。
つか、何故コイツ俺を打った?そういえばここの会社の社長金にがめついで有名だったな。
すっかり忘れてた。うん。どうしようか・・・・・・
バンバンバン
俺が考えている間にもう3発銃弾が俺の脳天に当たる。
意味はないけど。
「何故だ。何故生きている。頭に銃を4発もくらってるんだぞ。どういうことだ?」
慌てふためく社長さん。いや。ここは1発目で気がつこうよ。
うん。よし、良いこと思いついた。殺して眷族にして心を入れ替えさせようか。
「死ね。そして俺の眷族として蘇れ」
俺は社長を眷族にする。うん。しっかし神になったおかげか。こんな適当な言葉で眷族に出来るんだな。凄いな。
「は。ただいま蘇りました主様」
「じゃあ。命令だ。より良い素晴らしアニメを作るのに全てを捧げろ。そして部下は大切にしろ」
「は。分かりました。主様」
そう言って跪く。俺はその姿を見て、ふと何故俺を銃で撃ち殺そうとしたのか気になった。
もちろん。俺が10億という大金を持っていたのは分かるが、それでもいきなり殺すとはおかしいと思う。少なくとも俺の事を調べたりはしないか?というかあの10億が偽札という考えには至らないのか?
「質問だ。どうして俺を殺そうとした?というか俺が10億用意したってのが偽札だとは考えなかったのか?」
「はい。その時は主様の持っているであろう空間系統スキルの中身が欲しくなり殺そうとしました。空間系統スキルで収納している物は所有者が死ねば外に出ますから。それと今後ろにいる受付嬢は鑑定眼というスキルを所持しており。それでお金が本当だということは把握していました」
あ~、なるほどね。そういうことか。
確かに納得だ。
「じゃあ。殺した後の死体の処理はどうするつもりだった?」
「それは警察と繋がりがありますのでどうとでも出来ます」
なるほどね。つか。警察と繋がりがあるのか。それは不味くないか?一応告発させとくか。
「その、警察の罪は一応ばらしておけ。あ、もしもお前も捕まりそうだったら。捕まって罪を償ってこい。あ、この会社は信用できる奴に任せろよ。いなかったら俺の眷族にやらせるけど、いるか?」
「分かりました。では私にはいくつも罪がありますので罪を償ってきます。それと信頼できる部下はいませんので。主様の眷族のお力をお借りしたいです」
まあ、そんな気はしていた。しっかし任せるとしたら誰がいいかな?闇助は駄目やし適当にデスキングの連中から経営に向いてそうな奴突っ込ませるか。
「反転・召喚神・来い・俺の眷族の中で経営に向いてる奴からの反転解除」
俺のその適当極まりない言葉に対してしっかりと能力は発動し一人のオッサンが呼ばれたって、このオッサンデスキングの幹部でいなかったけ?見たことあるぞ。まいっかどうでも。
「というわけで命令だ、この会社で素晴らしいアニメを作れ」
「分かりました。主様。その任務この命に代えても達成させて見せます」
やる気は十分だな。
「じゃあ。後は二人で話し合ってより良いアニメを作るために努力をしてくれ、あ。10億円は闇空間から自分達で取り出せよ」
俺は少々投げやり気味でそう言う。
「「分かりました。主様」」
そう言って跪く二人を背に俺はまた別のアニメ制作会社に向かった。
そうして4つのアニメ制作会社を周り10億円の投資を済ませた。
三つ目からは俺のことがネットで拡散されて広まり。アニメ制作会社に10億円を寄付みたいな投資する超大富豪って感じで素早く済んだ。
後まあ。2つ目の会社の社長が真っ黒だったし。一つ目も含め一応悪感知で悪党を探して見つけて、相当酷かったら眷族にしてアニメ制作に尽力を尽くさせた。
これでより良いアニメが作られることだろう。
うん。素晴らしい。素晴らしい。
その弊害で俺が少々目立ってしまったが。まあ些細な事だろう。ああこれから出来るであろうアニメが非常に楽しみだ。
――――――――――――――――
書きたくて書いた。
後悔はしてない。
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