第108話・神へと至る道

 俺の放った神の刃は悪神の腹にしっかりと突き刺さった。


「あああああああああああああああ。我の我の力が消える。何故だ何故だ。何だその力はその刃は。あああああああああああああああ。身体が身体が。我の力が保てない。ああああああ。助けろ助けろ助けるのだ。誰か我を助けろ」

 絶叫し発狂し狂う悪神。行けるなこれは行ける。力を込めろ俺。


「うるせえええええ。さっさとくたばりやがれ悪神が~~~~~~~~~~。ハアアアアアアアアアアアア」

 俺は精一杯の力を込めて深く突き刺していく。深く深く。魔力を込めて刃を伸ばしながら突き刺す。


 スパ


 俺の放った神殺しの刃が悪神の体を貫通させた。


「ああああああああ。イテエエエエエエエ、ああああああああ」

 叫ぶ悪神。それに追い打ちをかけるように俺の眷族達の攻撃に漆黒竜の更なる噛みつき、ガイメイの掩護射撃が入る。


「まだ我は死なぬぞ。聖光魔法・聖光断滅」

 悪神のくせして聖光魔法を放つ。俺は何とか耐えたが万死手の拘束がはがされ、漆黒竜が光にやられて、噛むのを辞める。


「俺はこの程度ではやられないぞ」

 そう言って神殺しの刃を思いっ切り横に振って悪神の腹ごと切り裂いた。

 そっから更に足に神殺しの刃を斬りつける。


「グアアアアアア。我の足が、絶対にお前を殺してやる。光絶」

 俺は神殺しの刃を維持するのに思ったよりも力を使っており、悪神によって放たれたその光の一撃から身を守ることは出来なかった。しかし、俺には眷族達がいた。


「「「闇魔法・闇盾」」」

 眷族達が闇盾を張ってくれたおかげで俺は悪神の攻撃を対処しなくても大丈夫となった。


「ありがたいな。これで俺はこの神殺しの刃に集中できる。さあ死ね悪神よ」

「そうはさせるか。死に晒せ。混沌魔法・混沌への誘い」

 明らかにヤバそうな精神に干渉しそうな魔法が放たれる。

 しかし俺の精神強化は恐ろしいレベルで高い。だから案の定無効化できた。


「何だと、何故だ、何故この魔法が効かない。どんな精神をしているんだ。ならば聖結界・闇遮断」

 その瞬間俺と悪神の周り半径3メートルに結界が展開されて包み込まれる。そして俺の体に激痛が走る。しかしそれの対処法は超簡単だ。


「属性反転」

 俺がそう唱えただけで激痛は消え、代わりにバフがかかったように身体が強化されていく。

 やっぱり反転は強いな。ついでに神殺しの刃も闇属性で作ったと思ってから保てるか少し不安だったか。そういうのを超越した別の神殺しという属性だったのかは知らんがしっかりと形を保ち、扱える。よし行けるぞ。


「お前の方が死に晒せ。貫け神殺しの刃」

 そう叫びながら飛び上がり悪神の頭目掛けて刃を振るった。

 それは油断をしていたのか。それとも闇遮断とか使って自分の中にある闇が遮断されて逆にダメージを負ったかは分からないが簡単に悪神の頭に突き刺さった。


「ああああああああ。頭が我の核が、力があああああああ。何故いきなり属性を変えられるのだ。何故だ何故だ何故だ」

「うれせえ、黙りやがれ悪神が」

 俺は更に力を込めて深く深く突き刺していく。

 そうしてダメージの負い過ぎか張られていた闇遮断の結界の効果が途切れる。これで俺の眷族達がまた援護できるようになり、援護射撃を悪神に入れていく。


「イテエエエ。身体が身体が。くそったれ卑怯だぞ。7対1なんて」

 悪神にくせしてそんなふざけた事を抜かしだす。うん。本当に小物臭いな。


「知るかボケ。勝てば正義だ。知らないのか。さあ眷族共追い打ちをかけろ。このままコイツを殺せ」

「「「了解しました。主様」」」

「ああ。分かっておる」

 そうして全員で攻撃を加えていきながらひたすらに悪神が死ぬまでダメージを与え続けること10分が立った。

 神だけあったか、想像以上にしぶとく。攻撃をしてもしても再生させるし。叫びながらもこちら側に攻撃をしてくる。ただまあ。数は力という事で、どんな攻撃も力を合わせた闇盾なら防げるし。聖属性の大技や結界も俺が反転をすれば万事解決するし。逆にこちら側は魔石を使った尽きることの無い魔力に、俺の神に対して絶対的なダメージを与えれる神殺しの刃でずっと刺したり切り裂いたりしている。

 そりゃ当たり前だが、悪神は段々と再生するスピードも遅くなっていき。攻撃も遅くなり威力が下がっていく。

 そんなわけで結構瀕死の所までようやく追い詰めた。


「クソ我はまだ死なぬ。我は神なのだ。神がこんな下等な存在如きに・・・・・・」

 最初の絶叫じみた叫び声は消えて弱々しい声でそう呟き始める。

 うん。相当弱ってるね。さてと止めを刺しますか。俺は眷族の力を借りつつ悪神の足を攻撃して倒れさせる。


「まあ。お前は下等な存在に殺される雑魚ってことだ。さあ死ね。神殺しの刃よこの愚かなる悪神を貫け。そして殺せ」

 俺は倒れ伏している悪神の心臓部分に向けて神殺しの刃を突き刺した。


「あああああああああああああああああ。死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。消滅する。神である我が我が我が。力が抜ける核が壊れる。我は神なのだ。神なのに・・・・・・・」

 そう最後に叫び声を上げてやがて何も言わなくなった。


「さてと勝ったかな」

 俺は神殺しの刃で悪神をツンツンしながらそう言ってみる。


「我がそう簡単に死んでたまるか。せめてお前は道ずれにしてやる。神の呪いを喰らうがいい」

 ツンツンしていたら死んだと思っていた悪神が急に起き上がり叫ぶが特に何も起こらなかった。

 そしてそのまま倒れ伏して物言わぬ死体となった。


 レベルが上がりました。

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 急に頭の中に大量のレベルアップ音が鳴り響く。


「神を殺したからか、凄いレベルが上がったな。つかあれで死んだんだな。うん最後何か道ずれにしてやるとか言ってた気がしてたのに、まあいっか」


 レベルが最大まで上がりました。


 称号【神殺し】を獲得しました。

 称号【神へと至る可能性】を獲得しました。


 ピコン


 称号【神へと至る可能性】の効果が発動しました。

 条件を確認します。


 1・王系統種族のレベルが最大である。

 2・一定以上の信仰心を獲得している。

 3・神を殺すもしくは神から授かる等の方法で神の因子を手に入れる。


 三つの条件全てをクリアしています。


 称号【神へと至る可能性】が称号【神へ至りし者】へと進化しました。

 種族が死霊王から死霊神になりました。

 それによって、各種能力が大幅に上昇します。

 各種スキルが大幅に進化します。


 進化を開始します。


 そう頭に声が鳴り響く。

 その瞬間だった。


「死後の呪い・この世界から消えるがいい」

 死んだはずの悪神がいきなり起き上がりそう俺に言ってきた。これは不味い。俺は慌てて魔法を唱える。


「破壊魔法・呪い破壊」

 俺は呪いを破壊させようとする。しかし破壊できた感触はあったが、完璧には破壊できずに俺は気を失った。

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