第106話・光神

「何という力を持った四体だ。これが貴方様の眷属だというのか。私の作った四天王とは格が違うな」

 メイメイちゃんのお父さんがそういって驚く。まあ無理もない。だって俺も驚いてるんだもん。


 何でかって。そりゃ想像以上に四天王が強くなってたからだよ。マジで。もちろん俺の方が戦えば強いだろうけど、四人全員でかかってこられたら正直言って負けそうだ。魔力的にも全員俺の半分以上はあるし、一番最初の眷属である闇助は俺に迫る勢いである。マジでビックリだ。


 まあ、俺が死霊王になって強化が入ったのはあると思うが、それにしても強すぎる。化け物過ぎる。これは多分俺が転移してから各自強くなる為に自分を相当鍛えたな。あ、つか俺召喚王のままじゃん。属性を変換させっぱやん。戻しとこ。


「属性転換・ほい死霊王に戻ったと。さてとお前たち、俺がこの異世界に転移してから相当特訓して強くなったな」

「流石、主様。その通りでございます。我ら四天王は主様が異世界に転移してしまったと聞き、自らの不甲斐なさを呪い主様のお役に次こそはしっかりと立てるように特訓をしておりました」

 闇助が代表してそう言ってくれる。なるほどね。まあそうだろうと思ってましたよ。それにしても強すぎるな。これは嬉しい誤算ですな。きっと光神との戦いで役に立ってくれるだろ。


「そうか。ありがとう。では、今から行う目標を説明する。それは光神殺しだ」


「光神殺し、つまりこの世界の神を殺すということですか?」

「ああ。その通りだ。楽しそうだろ。力を借りるぞお前ら」

「「「「は。主様のご命令とあらば。必ずや光神を殺して見せましょう」」」」

 息ぴったりでそう言ってくれる。これはかなり心強いな。ありがたい。ありがたい。


「あのう。ありがとうなのじゃ」

 俺がそう光神殺しに息巻いていたらメイメイちゃんが俺の方に走ってきてそう言って笑ってくれる。

 うん可愛すぎだろ。そういえば俺元々魔王にあうぞって感じで魔王城に突ったのに、メイメイちゃんという素晴らしく可愛い褐色幼女に会って、メイメイちゃんの両親を蘇らせて、成り行きで光神を殺そうとしているな。

 うん、人生何が起きるか分かりませんな。まあメイメイちゃんがこうして喜んでくれているからいいか。可愛いは正義だ。


「いいよ、メイメイちゃん。こうしてメイメイちゃんが笑って喜んでくれるだけで俺は超絶嬉しいよ。ほら。ナデナデナデナデ」

 俺はそう言って可愛い可愛いメイメイちゃんの頭をナデナデしまくる。


「にゃぷ」

 そう言って可愛い声を上げて気持ちよさそうに目を細めてくれるメイメイちゃん。これは写真撮らねば。

 俺は闇魔法・闇手を使い、闇空間の中からスマホを取り出して、音と光が付く機能を完全にオフにしてから、メイメイちゃんの頭を撫でつつ、闇手を器用に使って写真を撮りまくる。


 暫く時を忘れてナデナデと写真撮影を繰り返して、ふと我に返ってあたりを見渡すと。四天王はどうぞお好きにやってくださいという顔で、メイメイちゃんのご両親は、俺が命の恩人ということもあり、文句を言いたいけど言えない困った表情をしていた。


「あ~っと。ごめんねメイメイちゃんをついナデナデし過ぎてたよ。さあ。お母さんの所にお戻り。俺は今からお父さんと一緒にメイメイちゃんを危険に晒す可能性の高い光神を成敗してくるから」

「光神って、お父さんとお母さんを殺した、あの化け物なのじゃ?」

 怯えたような感じで俺に質問をしてくる。やっぱりメイメイちゃんの中で光神はトラウマになってんだな。


「ああ、そうだよ。その化け物だよ。何大丈夫だよ俺最強だから」

「本当に大丈夫なのじゃ?」

「ああ。大丈夫だよ。だからいい子にしてて待っててね。絶対に光神を成敗してあげるから」

「分かったのじゃ。信じるのじゃ」

「そうか。じゃあ信じて待っててくれ。というわけで、メイメイちゃんのお父さんって呼ぶの面倒だな、何て呼べばいい?」

 俺はメイメイちゃんのお父さんから光神の居場所を聞こうと思ったが。名前を知った方が円滑に話を進められると思ったため、そう質問をする。


「ああ、これは失礼。私の名前は魔王シャグラニッド・パルエスロット・ガイメイです。長いのでガイメイと呼んで下さい」

 今魔王ってさらっと言ったな。うん。まあそうだとは思ってたけどやっぱり魔王だったか。でもまあ今となってはどうでもいっか。


「そうか。ガイメイか。ではガイメイその光神ってのは何処にいる?」

「大変申し訳ないのですが。私はいきなり光神に襲われましたので。どこにいるかは分かりません」

「そうか。まあそうだよな。流石にそんな都合よく知らないか。じゃあ、眷属共、光神の居場所を知っている奴おるか?」

 俺は適当に眷属全体に向けて質問をしてみる。

 まあ、デスキンングという便利な組織があるし。意外と知ってそうだな。この魔王城についても詳しく知っていたし。


【はい。私が知っております。光神もとい、悪神・ヘレストス。元々いた光神・カエサスを殺し光神の地位を乗っ取った。別の世界の滅んだ神であり。今現在聖教国で祀られている神です。所在といたしましては、多分聖教国の最大の神殿パレストストの最奥にある神の部屋という場所にいると思われます】

 眷属からすぐに念話が来る。流石ですな。ここまで完璧かつ望んでいた回答がすぐに手に入るとは、流石俺の眷属だぜ。というか、まさかの悪神だったんだな。元居た光神殺してその地位を奪うなんて、そんなことできるんだなって、待てよ?これ俺も出来るんじゃね?その悪神・ヘルストス殺して俺が神になること出来るんじゃね?これは凄くそそられるな。


「よし。お前ら光神の居場所が分かった。聖教国最大の神殿パレストスの最奥だ」

「そんな場所にいたんですか。確かに言われてみれば納得です」

「そうだな。あ、因みに光神っていうけど、実際は悪神ヘルストスって言って、元々いた光神カエサスを殺して光神になったクソ野郎だよ」

「そうだったのですか。通りで光の神なのに闇の力がこもってるような気がしましたよ」

 ガイメイはそう言って笑いだす。いやそれは気が付けよ。光の神なのに闇の力使ってるなら異変に気が付けよ。

「まあ。いいや。取り敢えず今すぐ攻めに行きたいう気持ちはあるが。取り敢えず俺の魔力が死者蘇生のせいでかつかつ何でな。すまないが少し待ってくれ。今魔石を使って回復させる」

 俺はそう言って闇空間から大量にある魔石を取り出して、その魔力を吸収して魔力を回復させていく。

 ただ、俺の魔力がかなり大きいこともあり、全部回復するまでに10分も時間がかかってしまう。


「ほい。ごめん、待たせたな。魔力完全回復したぜ。さてとじゃあ、光神もとい悪神・へレストスを殺しに行きますか。皆頑張るぞ」

 俺がそういって激励をすると。ノリの良い俺の眷属達は「エイエイエオー」と言って乗ってくれる。


 それを見てメイメイちゃんも「エイエイオーなのじゃ」と可愛い声尾で俺を応援してくれる。

「頑張ってください。アナタ」

 メイメイちゃんのお母さんがそう言ってガイメイに寄り添う。

 うん。何か腹立つな。まあ広い心で許してあげるか、素晴らしく可愛いメイメイちゃんのお父さんなわけだし。


「ああ。絶対に光神、いや、悪神・へレストスを打ち滅ぼしてみせる」

 うん。ガイメイも決意が固いですな。

 何だろう、何か絶妙にガイメイが死ぬフラグ立った気がする。まあ状態が良ければ俺が蘇らすんだけどね。あれ?これもまたフラグが立ってない?

 ・・・・・・・・・・

  まいっか、気にしても仕方がないし、さてと。じゃあ皆で悪神・へレストスを殺しに向かいますか。

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