第104話・星剣・エンドミリオン

 さてと、オークションで良さそうな物って何だろうか?

 まず。俺が元々出す予定だったらドラゴンはいいとして、他に良さげな物か。・・・・・・・・・・・取り敢えず万能なスキルの書は確実に入れるとして。それだけじゃ物足りないな。いっそ賢者の石でもぶち込むか。

 うん。普通にありだな。何か問題が起こる未来が見えるが、というか問題が起こる未来しか見えないが。問題が起こったら起こったで面白そうだしいいか。

 後は武器とか防具は欲しいな。

 どうすれば手に入るかな?


 ・・・・・・・・


 分からないし眷族に聞くか。まあ俺にはデスキングって言うこの世界について詳しい眷族がいるし何かしら良さそうな情報は手に入るでしょ。


「というわけで眷族共、良い感じの武器や防具を持って来いというか闇空間に入れろ、もしくはその情報をくれ」

 俺は眷族全体に向けてそう命令を下した。


「では、死霊王様。聖剣などは如何でしょうか?」

 眷族の一人から早速面白そうな情報が届く。


「聖剣か。面白そうだな。因みにどんな感じだ。教えてくれ」

「はい。死霊王様。聖剣とはこの世界に3本存在すると言われており、一つ目は帝国が二つ目は正教国が三つ目はとある古代遺跡にあると言われてます。その三つ目の聖剣が存在すると言われる古代遺跡がここから200キロほど離れた海に沈んており、その中に聖剣が眠っていると考えられます」


「なるほどね。それは実に面白そうだな。じゃあその古代遺跡に行ってみますか。因みに聞くけどその遺跡に俺の眷族はいるか?」

「はい。今現在私がいます」

「それは都合がいいな。死霊魔法・死霊転移」

 というわけで俺は早速転移をした。

 ――――――――――


「ほい到着と。お。海に沈んてると言われたから空気ないと思ったが普通にあったな。まあ多分ご都合主義的なあれで結界でも張ってあるんだろう」

 パッと見渡すとそこはTHA神殿って感じだった。本当にゲームとかラノベとかで見る感じだ。


「死霊王様今すぐに聖剣を取って来るので少しだけお待ちください」

 そう言って眷族が俺に深々と頭を下げて来る。


「ああ。別にいいよ。せっかくだし俺が聖剣取ってくるよ。というわけで道案内お願い」

「はい。分かりました死霊王様。では私についてきてください」

 というわけで歩き始めた眷族の後をついていく。


 てくてくてくてくてくてくてくてく


 歩いてみるが神殿の中は特に何も無かった。

 よくあるあるの侵入者を殺すための罠とか魔物もいなければ。宝箱も良さげな壁画もなかった。

 あるのはひたすら同じ道と何か無駄に多い分かれ道のみ。

 つか景色が全く変わってないんだが?これ普通に歩いてたら迷子になるコースじゃん。

 なるほどねこれは迷路が罠的な感じかな?


「もう少しで着きます。死霊王様」

「そうか。それは楽しみだ」


 そっから更に歩くこと5分

 大きな扉の前に出た。なるほどねこれがゴールか。中々どうして期待できる扉じゃないですか。


「じゃあ早速御開帳っと」

 俺は大きな扉に手をかけて眷族が何かを言いかけていたが無視して開く。


 ぐさぐさぐさぐさ


 開けた瞬間身体中にとげのような物が大量に刺さった。

 要は罠だ。多分俺のこの開け方正しい開け方じゃなかったんだろうな。知らんけど。

 まあどうせ再生するし別にええけど。


「大丈夫ですか、死霊王様」

 眷族が慌てて心配してくる。


「ああ。大丈夫大丈夫、別に勝手に再生するから、それよりも扉が閉まる前に中入るぞ」

「はい。分かりました」


 そして俺は眷族と共に大きな扉をくぐった。


 そこは金銀財宝の山だった。

 辺り一面に金貨、銀貨、宝石、王冠、武器防具、スキルの書やら魔道具やら、まあ恐ろしい量の財宝が無造作に山の様に置かれていた。


「これは凄いね。早速全部仕舞って行きますか。闇魔法・闇空間」

 ということで一通り全部仕舞い終える。

 そっから更に奥へと進んでいくととある物を見つけた。


 そう。それは聖剣だ。

 金で出来ているからか凄い光り輝やいている台座に刺さった神々しい聖剣だ。

 死霊王である俺は近寄るだけで身体に痛みが走る。


 まぎれもない聖剣だ。


 ただ、何かその聖剣に見覚えが合った。俺は少し考える。


 ・・・・・・・・・・・・


「あ。分かったあの見習い勇者が持ってたやん」

 俺は闇空間から聖剣を取り出す。

 取り出す時に触れた手が焼ける。ただまあ今目の前にある聖剣と比べると何となく劣ってる感じがした。


「なあ。これって何か分かるか?」

 俺は興味本位で今隣にいる眷族に質問をする。


「それは多分正教国が作っている模倣聖剣ではないでしょうか?」

「模倣聖剣だ?てことはこれは偽者ということか」

「まあ。はし。しかしながら模倣といえど聖剣であり魔物や魔族に対しては絶対な力を発揮する非常に優れた剣です」

「ふ~ん。そうなんだ。じゃあこれもオークションに出してみるか。あ。それとサクッとあの聖剣を回収しないとな。少し身体は焼けるがまあしょうがない、手でつかんで闇空間にいれるか」


 俺は痛みを我慢しつつ聖剣に近寄り。触れる。その瞬間腕が爆ぜた。

 一切の比喩とかそういうのではない、本当に爆ぜたのだ。


「大丈夫ですか。死霊王様」

「ああ。大丈夫だ大丈夫、もう再生してるから、にしても流石聖剣だね、触れた瞬間手が爆ぜるだなんて、どうやって回収するかって?良いこと思いついとわ。台座ごと回収すればいいやん」

 俺は台座に手を触れて闇空間に聖剣ごと入れる。

 すんなりと入った。正直言えば成功するか不安だったし。闇空間ってゴリゴリの闇魔法だしね。まあ入ったという事で結果オーライかな。

 さてと、じゃあ聖剣手に入ったし、また別のアイテム探しに行きますか。

 といいたいけど。その前にせっかくだしこの聖剣と模倣聖剣を鑑定してみますか。


「というわけで闇空間から出して、超鑑定」


 聖剣・エンドミリオン

 全ての魔を切り裂く聖剣。全ての魔を終わらす聖剣。

 この聖剣を持ちし者は聖なる加護に覆われ、ある程度の攻撃は全て無効化される。

 真なる勇者がこの聖剣を持ちし時はこの聖剣・エンドミリオンは真の姿を現し神をも殺す強大な力を真なる勇者に授ける。


「何か凄いな。想像以上に凄いな、つか神殺しの効果はヤバすぎのやりすぎだろう。こんなものオークションに出して大丈夫かな?・・・・・・・・・・・・まあ大丈夫か。そうそう真なる勇者なんていないだろうし。さてとじゃあ次は模倣聖剣から見てみますか」


 模倣聖剣・試作5245号

 人類の英知を結集して作られた聖剣。

 持ち主に聖なる力と大抵のものを切り裂く力を与える。


「何かどうしても聖剣・エンドミリオンと比べると見劣っている感は否めないが。それでもまあそこそこの性能はあるな」


 何だろう、何か急にオークションの商品集めるの面倒になってきた。

 いや何、聖剣っていう目玉商品あるし。今回手に入れたそのほかの価値のある宝石やら武器防具もほとんどが聖属性を宿したいいものだし。これあればオークション成功する気がしてきた。それに眷族達がこれから俺の命令に従って大量に武器防具集めてきそうだし。

 もう無理して物を集める必要性を感じない。


 というわけでオークションの為の物を集めるのは終わりだ。終わり。

 でもまだオークションまで時間あるしな、何をしようか。


 ・・・・・・・・・・・・


 取り敢えず俺のやりたいことメモでも見ますか。


 ・・・・・・・・・・・・・


 よし決めた。魔王を討伐しよう。

 というわけで次の目標は魔王城だ。さて魔王はどんなことをして俺を楽しませてくれるかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る