第103話・マリアお嬢様との関係がギクシャクギクシャク

 というわけで幸か不幸か判断には非常に悩むが。楽しそうなイベントのランキング一位を取った。

 いや。まあ、あっけなさ過ぎてマジで楽しくないんだけどさ。

 そんなわけでこっから退屈な授業を受けるつもりなんかは毛頭ないので、一応お嬢様と相談をしてから適当にダンジョンでも回ったりし冒険者として活躍でもしようかなと思っていた時だった。

 衝撃的なことが起こった。


「タイト、私のアレンに何てことしてくれるのよ。私の初恋の相手だったのに」

 お嬢様に怒られた。


 ・・・・・・・・・・


 は?待て待て待て待て待て、何を今口走ったこのクソアマは。

 初恋の相手とのたうち回ったぞ。コイツ。いやまあ別に俺は死霊王になったせいもあるが。お嬢様に対して恋愛感情を持ってはいない。というか持てない。あるのは興味と感心、趣味に近いものだ。それでもさあ、そこそこ仲は上手くいっていると思っていた。


 だのに、そうだのに?俺が嫌いなタイプの人間に惚れやがった。

 いや、マジかよ。でも考えてみればアイツ強さ的には強者に入るし。スキル魅了という中々ふざけたものを持っていたし。称号にハーレム王の素質とかいうのもあったし、ありえなくはないどさあ。


 いや。待て、確かお嬢様の持っている能力である、死霊王の弟子ってさあ、状態異常無効の効果なかったけ?

 いや、もしかしたら状態異常耐性かもしれないけど。それでも、ある程度は耐性があるのだから、そんなホイホイ魅了にかかんないやろ。

 いや。まあ本人が望んていたり。そういう人間が元々好みならばあり得そうだけど。


 ・・・・・・・・


 ヤバい、何かお嬢様がああいうタイプの人間が好き説出てきちゃたよ。


「ちょっと、何を黙り込んでいるのよタイト、何とかいいさないよ」

 お嬢様がそう言って俺に怒鳴ってくる。


 うん。何だろう急に冷めた。それもめちゃくちゃに急激に冷めた。

 お嬢様との日々は中々に楽しかったがしかし、お嬢様が俺の嫌いなタイプの人間に惚れるという恐ろしいことをしたんで、何かこう寝取られとか浮気とかそういう類のものではないけど、似たような気分になるとともにお嬢様に対する興味もかなり減った。というか持てなくなった。


「冷めた。何かこう冷めた。いやまあ別に俺はマリアお嬢様の自由な意思を尊重するけど。マリアお嬢様が俺の嫌いな人間に惚れてしまってその馬鹿と付き合うんだったら。俺はマリアお嬢様と関係を断つわ」

 俺はそう冷たく言い切った。この思いは紛れもない俺の心からの思いだ。


「そう。じゃあ失せなさい。元々私とあんたは歪な関係だったし。私も貴方にもう興味はないわ」

 お嬢様。いや。彼女も俺にそう冷たい態度を取った。まあこうなったら終わりだな。

 さてとこの場にいるのも何か気まずくなりそうだし。丁度お腹も減ってきたし学食にでも行くか。


 でまあ、今俺は学食に来ているわけなのだがここが思った以上に凄い。

 作ったのが誰かは知らないけど。よくアニメとかで見る大学、高校の大きな食堂って感じで凄く心が躍る。

 しかも驚いたことに、置いてあるメニューはラーメンや蕎麦やカレーやカツ丼などの昔懐かしのものがいっぱい置いてある。


 まあ素晴らしいね。

 というわけで俺は、まあ今現在お嬢様と離れ離れというか、疎遠?関係を断ち中?になっているので、一人で座って食べ始める。


 食べているのはもちろん皆大好きのカレーです。中々に美味しいです。いい仕事しているねここの料理人。後でお金あげよ。

 そうやって一人で黙々とカレーを食べていた時だった。


「おい。お前ボッチ飯とか可哀そうだな。俺らがお前と一緒に飯を食ってやるから金を払え」

「おお。いいなそれ。丁度お腹減ってたし、こいつの財布でご馳走になるか。ついでに今から遊ぶお金も貰いますか」


 二人組の不良に絡まれた。


 いやはや。なんとまあ、こんなべたっべたなイベントあるんだな。面白すぎかよ。しっかしせっかくのイベントだし、ここは思う存分楽しませてもらいますか。

 といっても、どうやって楽しもうか。単純に暴力で訴えてもよし。俺の魔力を解放させて死の恐怖を味合わせるもよし、大食い対決とかして破滅させるもよし、それも捨てがたいですな。

 よし、決めた。


「一回お前ら死んでみるか。死魔法・抗えぬ死」

 俺は不良二人を殺した。


「死霊魔法・死者蘇生」

 そしてすぐさま蘇らせた。


「今、一瞬死んだはずのお祖母ちゃんが見えた」

 不良の一人が愉快なことを言い出す。いや。でも一回殺してるわけだから本当に見えてるかもね。


「おい、お前そんな恐ろしいことを言うなよ。怖いだろ。でもまあ俺も死んだはずのお祖母ちゃんがって死んでいないわ、俺のお祖母ちゃん」

 もう一人はやけに余裕なことを言い出す。

 というわけでもう一回殺してみますか。


「死魔法・抗えぬ死からの死霊魔法・死者蘇生」

 もう一回臨死体験(笑)をする。


「はあ、はあ、はあ。今度はお爺ちゃんが見えた」

 さっき死んだお祖母ちゃんを見た不良がそう汗水を垂らしながら言う。


「何で、何で死んだはずの俺の兄貴が見えたんだよ。怖すぎるよ。誰か誰か助けてくれ~~~」

 さっきふざけたことを抜かした不良は死んだ兄貴がみえたとかで発狂している。そうして二人とも俺の顔を見て、こんな目に合わせたのが俺だと気が付いてに逃げて行った。


 しっかし、あの不良は兄貴と何があった。怖すぎるだろう。

 まあでも、こんな所でええやろ。今回は一滴の血も流していないし結構平和的に解決できたな。うん素晴らしいよ。

 さて、じゃあカレーを食べますか。


 その後、とても美味しかったのでカレーを10杯いただきました。

 とても美味しかったです。


「さてと、腹も満たしたし。今後しばらくは何か面白そうなイベントなさそうだし。2か月後に開かれるらしい全学校対象の武道大会まで適当にぶらり旅でもしますかって?あれ?何かを忘れている気がする」


 ・・・・・・・・・・・・・・


 「あ、オークション。オークション忘れてた」


 というわけで眷属にそのことを聞いたらあの第二王子が起こした反乱でオークション会場が破壊されていてなくなったらしい。

 なるほどね。じゃあ今からやること決めた。

 オークションを立て直して、オークション開こう。


 そうと決まれば早速行動だ。


「死霊魔法・死霊転移」

 俺は国王につけている死霊を使い転移した。

 因みに国王は何か重大っぽそうな会議をしていた。


「やあ。何か重大そうな会議をしている途中申し訳ないけど。今からこの国にあったオークションを立て直そうと思ってるんだ。好きにやっていいかな?」

 俺はまあ確実に許可は貰えると思うが一応確認を取る。


「それは、本当でございますか、タイト殿。今丁度わが国のオークション会場の立て直しについて話していたところです。それであのう、差し出がましいようですが、よろしければわが国の為にタイト殿の出せる範囲でかまいませんがオークションの目玉となるものを頂けませんでしょうか?」

 凄い低姿勢で対応をされる。うんまあこの国王は俺の力を知っているからな。そうなるはな。


「オッケー。元々そのつもりでしたし大丈夫ですよ。てなわけでサックっと一人でオークション会場を直したうえでいくつか目玉となりそうな商品を用意しますね。多分過去一番のレベルで凄い品が出ることになると思うので。各国に宣伝をしてみてください」


「分かりました。タイト殿がそういうのでしたら間違いはないでしょう。我が国としましても、内乱でズタボロになっているという噂が流れているのでこの機会に払拭したいですし。各国への宣伝、全身全霊を持って当らさせていただきます」

 そう言って深々と頭を下げる国王。それを見て慌てて他の臣下も俺に頭を下げる。

 うん。何かこう俺がこの国の影の支配者みたいな感じで中々悪い気分はしないな。


「じゃあ、その宣伝にどれくらいかかりそう。多分俺は一週間あればオークション会場から出展品の用意まで出来るけど?」

 これは見栄とかではなく純然たる事実だ。なぜならこっちには頼もしき味方【千鬼死霊大行進】がいるのだから。


「そんなに早くですか。でしたらこちらも全力で急がせていただきますが、やはり二週間は欲しいです」

 申し訳なさそうにそう言う国王。

 うん。二週間くらいなら全然大丈夫だな。


「分かった。じゃあ二週間後ということで。俺は今からオークション会場を直してくるわ」


 というわけで城から出てオークション会場跡地に行く。

 そこはぎりぎり骨組みは残っているもののかなりの部分が壊れていた。というか焼けていて炭になっていた。


 まあそうだろうね。このオークション会場話を聞けば高級木材で作られていたそうだから、一応耐熱加工の魔法はかけられていたそうだが。そんなものそこそこ腕の立つ魔法使いであれば簡単に破壊できる。そりゃよく燃えるだろうな。


 まあ、燃やした理由は多分悪意だろうけど。オークション会場を襲った理由は出品される高価な品を狙ってだろうな。


 まあ、そんなこと考えても仕方がないか。

 サクッと立て直しますか。


「というわけで、まずはこの中途半端に残っているオークション会場を全て更地にしましょう。消滅魔法・物体消滅」

 本来であればかなり魔力を消費する消滅魔法であるが、死霊王となったおかげでちょちょいのちょいと簡単に発動できる。


「よし。綺麗な更地になりましたね。というわけで。千鬼死霊大行進・部分発動・オークション会場作りに適した者」

 俺がそうスキルを唱えると。いつものように数十体の鬼と死霊が現れる。


「さあ。今から皆には何万人って人が入れる最高のオークション会場を作って欲しい。何か必要なものがあったら遠慮なく言ってくれ。後今から作り始めてどれくらいかかりそうか?」


「そうですね。主様が労働力として意思疎通が出来て力のある者を用意してくだされば1週間以内に出来ると思います」

 髭もじゃの職人って感じの鬼がそういってくる。

 うん。その程度なら簡単だ。


「千鬼死霊大行進・部分発動・力持ちでしっかりと意思疎通が出来る者」

 その瞬間何百体という鬼と何百という死霊が現れた。


「何なりとご命令を。主様」

 現れて早々俺に膝まづく。


「じゃあ。今からオークション会場作りってのやるんだけど、それを手伝ってくれ」


「分かりました。主様」


「どお?これだけいれば足りるでしょ?」


「はい。大丈夫でございます。それにこれだけの人材を自由に使えるのでしたら、3日で必ずや最高のオークション会場を作って見せます」


「おお、そうか。別にそこまで急いでるわけじゃないから、一週間程度なら丸々建設に使ってくれて構わんよ」


「そうですか。分かりました。では一週間かけて最高を超える最高のオークション会場を作って見せます」


「そうか。それは期待してるよ」


「はい。では今から作業に入らせていただきます」

 そう言って鬼と死霊達はオークション作りを始めた。


「さてと。じゃあ俺はオークションに出品する品でも探してくるか」


 ――――――――――

 補足説明というか作者の思い。

 私はこの作品にヒロインを出すつもりはありません。

 出しても良かったのですが出すところ見失ってしまい、何か気が付いたら30万文字よは単行本3冊分くらいいってしまい、こっからヒロイン出すのは無理だなと思い出すのを諦めました。

 何となく。マリアお嬢様をヒロインにしようか悩んだのですが。元の世界に戻ったら大変そうですし、今後の小説の書き方が狭まるので勇者に惚れるという事で強制退場させてもらいました。

 はい。一応少しはマリアお嬢様出てきます。

 後、オークションの事を作者は完璧に忘れていました。慌てています。

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