第102話・異世界の学園生活からの決闘

 というわけで俺は今異世界の学園もとい国家連合学園にいます。

 え?どうやって来たかって?そりゃ普通に俺特製の馬車でちょいちょちや。特にイベントとかは起きずに普通に漫画読んでたから割愛した。


 因みに入試とかそういうのは無し。


 そのまま直でクラスの挨拶から始まった。先生からの事前説明は一応あった。あまり面白味はなかったが一つだけ面白そうだと思ったのがあった。


 それはランキング制度だ。


 どうやらこの学園には戦闘によって決まるランキングがあるらしい。

 ランキングを上げるには闘技場という所で生徒同士でポイントを掛けて戦うらしい。まあ、普通に楽しそうだ。せっかくだし一位になってみますか。因みにポイントは生徒全員に配られる時計みたいなもの(正式名称・ポインサー)で確認出来るらしい。その他このポインサーを使って生徒同士でポイントのやり取りとかも出来るらしい。結構簡単でありがたい。

 あ、ほんで話を戻すけど自己紹介する場面だ。


 この自己紹介で第一印象が決まる。どんな人間か決まる。中々悩みはするが俺は少々ふざけてはいるがとあるキャラで行こうと思っている。


 それは中二病キャラだ。


 ちょっと何言ってるか分からないかもしれないが。そのまんまだ。ようは中二病みたいな発言を滅茶苦茶する明らかなる中二病だけど。実はそれが全て本当というものだ。

 うん。やっぱりちょっと何を言ってるか分からないかな。まあいいや取り合えず実践すれば分かると思う。

 というわけで俺は自己紹介を始める。


「我が名前はタイト、万を超える死霊と千の鬼を従え、世界を滅ぼす邪竜を滅ぼせしものにて、異世界から来た死霊を統べる最強の王、死霊王なり。逆らうものは皆殺しだ。ハハハハハハハハハ」

 俺はできる限りかっこいい感じで振り付けをしてそう言い放った。

 うん。決まった。結構かっこよく決まった。

 さて反応はどうかな。


 ・・・・・・・・・・・


 沈黙だ。

 何とも言えない気まずい空気が流れ込んでいる。いやまあ、うん。そうだよね。気まずいよね。

 いやでもここまで露骨な気まずい雰囲気はまずいって、俺が辛いよ。もう少し何か反応してくれても良くない。

 俺が一人そう悶々と考えていたら隣にいたお嬢様が小声で俺に耳打ちをしてくる。


「ちょっと、タイト、何恐ろしいこと言ってるの皆委縮してるじゃない。タイトは本当に化け物みたいに強いんだから、あまり恐ろしいこと言わないでよ」

 え?ちょっと待って。その言い方だと皆信じていることになるよ?


「さて、じゃあ次は私の番ね。私の名前はマリアンヌ・アセロラ・エリオント・マレリアよ。カレリア王国・公爵家の長女にして次期党首よ。得意な魔法は闇魔法。近接戦闘は苦手だけれども一部を除いて誰にも負けない自信はあるわ。後さっき馬鹿な紹介をしたタイトは私の忠実なる騎士よ。くれぐれも手を出さないでね」

 お嬢様が俺にそんな紹介をしてきた。

 なるほどね。うん。少々恥ずかしいんだが。私のって俺別にお嬢様の物ではないんだけど。

 いや、そういう意味じゃないのは分かってるけどさあ、凄い俺を誰にもとられたくないって感じが凄い。いやまあ俺の頭のおかしい能力を考えればある意味当然かもしれないけど。


「はい。というわけで新しく転校してきた、タイト君とマリアちゃんでした。皆仲良くしてあげてね」

 そんな。頭がお花畑みたいなことを言った先生は、うちの担任であるキャンディー先生だ。

 若い女性の先生で、背が低めで中々可愛い感じの先生だ。それでいて凄い誰にでもフレンドリーな感じの人だ。

 人によってはとことん嫌いなタイプだと思う。ただ、彼女は滅茶苦茶強い。多分だけど俺よりかは流石に強くないが、お嬢様が100人束になっても勝てないぐらいには強い。


 ついでに言えば鑑定が通じなかった。

 いつものように興味本位で鑑定しようとしたらはじかれた。いや。この世界に来てから人間相手にこんなこと初めてなんで。本当にどれだけ化け物か分かる。


 え?鑑定してないのに何で強さが分かるかって。そりゃ隠そうとはしてるが隠しきれていない膨大な魔力だよ。多分俺の半分くらいある。

 まあ、ある程度話をした感じからして多分日本からの転生者だろう。

 発言にオタクしか知らないものが混ざってたから。まあ。俺にはどうでもいいか。


「そんなのは認めない。そっちのお嬢さんはともかく、あの化け物はだめだ。体から感じるそのあまりにも禍々しい魔力。オーラ全てが駄目だ。そんな化け物を許してはいけない。この学園から今すぐに追放すべきだ」

 いきなり生徒の一人が立ち上がってそんなふざけたことを抜かした。


「コラ、アレン君気持ちは分かるけど、そんな酷い言葉をこれから新しく友達になる人に浴びせちゃ駄目だよ」

 おい。待てこのクソ教師気持ちは分かるけどって言ったぞ。俺のことを思いっきり罵ったぞ。まあいいけどさ。


「皆。なんて酷なことを言うのだ。この我の力を恐れてか。そんな愚かなことを言うだなんて。それに一つ聞こうかこの我が何をしたというのだ。我はまだお前たちに一切害は与えておらぬぞ」

 俺はせっかくなので中二病?ムーブをしながら言い放った。多分結構かっこよく決まったと思う。


「じゃあ、決闘だ。今からお前と俺で決闘だ。勝った方が敗者になんでも命令を出来るという条件で決闘だ」

 おい、この馬鹿俺に決闘を申し込んだぞ。

 俺に勝てるわけがないのに。馬鹿だな。しかも何でもって条件を付けるなんて。いやこれが美少女とからな嬉しいが男にそんなこといわれてもだろ。

 まあ楽しそうだからやるけど。


「ハハハハハハハハ。そうか愚かにもこの我に決闘を申し込むか。いいだろう。この我の力お前に見せつけてやろう」

 まあ断ってもいいが面白そうなので決闘を受けてみることにした。


「分かりました。戦ってお互いを知り、芽生える友情もありますしね。友情努力勝利です。この決闘私が許可しましょう。というわけで、今日の授業を変更です。アレン君とタイト君の決闘見学です。さあ、決闘を行う闘技場まで案内しますよ」

 いや、戦って互いを知りって、何その少年漫画のノリ?絶対に意識してるやろ。

 まいっか。どうでもさてと、闘技場まで先生に付いていきますか。俺はまだこの学園の道をほとんど知らないんでね。


 テクテクテクテクテクテクテクテク


 そして決闘を行う闘技場に付いた。

 闘技場はコロッセオのようなものだった。本当に漫画とかでよく出てきそうなコロッセオだった。いや普通に感動もんだな。こんな絵に描いたようなコロッセオがあるとは。


「さて、タイト君とマリアちゃんに一応説明するけど。このコロッセオは特別製でどんな怪我をしても、最悪殺してしまっても、時が巻き戻って全てをなかったことにしてくれるの。私が魔力を込めて頑張って作ったんだ。どう凄いでしょ」

 いや、さらっととんでもないことを言ったぞこの教師。

 時を巻き戻すって、え?この人まさかまさかの時空間魔術の使い手でいらっしゃいますか?下手したら俺よりも強いんじゃ。

 ・・・・・・・いや、考えるのはやめておこう。大丈夫だ。流石に俺よりも強いってことはないだろ。何。俺には漆黒竜にたくさんの眷属たちがいるしね。そう簡単に負けんやろ。


「さあ、今の説明は聞いたな。化け物よ。ここなら思う存分戦える。さあ手加減なしてこい」

 アレン君が俺を思いっきり挑発してくる。

 うん。こいつ人を煽る才能がありますね。しっかし、こんだけ盛大に啖呵を切るんだ、さぞ凄いステータスをしているんだろうな。早速鑑定しますか。


 超鑑定


 名前・アレン 年齢17歳 種族・人間 レベル48


 エクストラスキル

 見習い勇者 


 ノーマルスキル

 剣術 魅了 攻撃力強化 防御力強化 身体強化 存在強化 正義感 蛮勇


 称号

 見習い勇者 空回り者 ハーレム王の素質


 なるほどね、中々に凄いステータスだな。

 つか見習い勇者って、勇者に見習いなんてあったんやな。はじめて知ったわ。しっかし勇者か勇気のせいであまりいいイメージはないな。いや、あいつは別に悪い奴ではなかったが。ただ俺のことをガンガン敵視していたやつだったが。まあでも、なんとなくだがこいつも同じ感じな気がする。

 多分悪い奴ではない、むしろ積極的に人を助けるいい人ではありそうだ。ただ俺みたいな化け物を殺そうとか俺のこの禍々しい魔力だけで判断して決めつける的な。


 うん。まったくもって酷い話だ。

 ぶち殺してやろうか。というか殺しましょう。どうせ時は戻るんだし。殺しても問題はないだろ。後私的にあの見習い勇者の持つスキル魅了と称号ハーレム王の素質が気に食わない。


「おい。見習い勇者。来いよ。我がお前を教育してやる」

 俺は指をくいくいとさせて煽った。


「この化け物が~~~~」

 俺の挑発に簡単に乗り、俺に斬りかかってくる馬鹿なアレン君。

 俺はその剣を片手で受け止めて、無理やり奪い取り闇空間にしまった。

 後多分だけど。俺が全力で奪い取るという、かなり力のかかることしても無事なのと。聖なる感じがして俺の手が焼けたのを見ると結構良い聖剣って感じがした。

 絶対教会とかから貸し出されてそう。奪われたあかんやつやん。知らんけど。

「さてと、剣がなくなっちゃったね。アレン君。どうする」


「剣がなくたって俺にはこの身体がある」

 そんあふざけたことを抜かすので。闇の力を込めた右腕でぶん殴った。


 グチャ


 頭が結構惨たらしく潰れた。

 そりゃそうだ。俺が腕に闇の力を込めて思いっ切り殴ったんだ。鉄志みたいに超絶鍛え上げてるか、勇気みたいに俺の弱点属性で中和するとかせん限り。頭の一つや二つ簡単に吹っ飛ぶだろう。


「キャアアアアアアーーーーーーー」

 悲鳴が上がった。まあクラスメートの頭が潰れたんだそりゃ悲鳴を出すわな。


 俺がそんな感じでくだらないことを考えていたら。

 まるで逆再生のような感じでアレン君の時だけが戻り、頭が復活した。

 見ててあまり気持ちの良いものではないな。つか凄いな本当に時が巻き戻ったよ。


「今俺は死んでいたのか」

 頭の潰れていたアレン君が恐怖に震えながら俺にか弱い声をあげる。


「ああ、そうだな。この我の圧倒的な力の前にお前は殺されていたな。所詮お前はその程度の人間という事だ。さて、そういえば勝った方が何でも命令を出来るんだったな。じゃあおお前のポイントを全て寄越せ」

 俺はちょっとカッコをつけつつそう高らかに声を上げた。私的に中々カッコよく決まったと思う。


「誰がお前なんかに屈するものか。俺はまだ負けていない」

 おい、コイツなんかふざけたことを抜かし始めたぞ。殺していいですか?


「コラ、アレン君は負けたのよ、負けてるのにそんな身勝手なことを言ったらダメでしょうが」

 先生が優しく怒鳴りつけた。ただし強烈な魔力圧付きで。もはやただの脅迫じゃないか。


「すみません。先生。私が悪かったです」

 そうして先生に謝るアレン君。やっぱり舐めてるだろこのクソガキ。俺に謝れよ。


「コラ、アレン君。謝る相手は私じゃなでしょ」


「その、えっとあれだ。俺が悪かったよ。後約束だからポイントは全部お前にやるよ」

 ツンデレかな?それとも煽ってるのか?というか男のツンデレは需要が無いからな。ひたすらに気持ち悪いだけだからな。

 まあでも、時計みたいなもの、もといポインサーを通してポイント貰えたし、一応だけど謝ってもらったからいいけど。

 さてと、それよりもアレン君はどれだけポイントを持ってたかな。今の俺の順位は何位かな。

 というわけでポインサーを使って順位を確認してみた。

 するとそこにはこう記されていた。


 1位


 と。


 いや。まさかのアレン君がこの学校で一番強いんかい。

 ――――――――――――――

 補足説明

 今主人公がいる世界では10代20代に限ってですが年上の男性の方が女性にモテます。

 理由としましては、強いからです。

 世界観として戦闘の多い世界です。そんな世界で年下というのはどうしても自分よりも幼い弱いというイメージがついてしまい、あまりモテません。

 逆に年上は自分よりも強いというイメージがあり、モテますというか恋愛対象として見られます。


 もちろん中には15歳とかで世界を滅ぼせる化け物とかもいますし、10代前半でも20代後半より強い人はいます。

 しかし、当たり前ですが全体で言えば10代前半より10代後半の方が強いですし。それよりも20代前半の方が強いです。

 というわけで女性は基本的に自分よりも年上の男性に惹かれやすいです。


 後ネタバレですけど、あの先生は転生者です。当たり前ですがメチャクチャ強いです。それこそ小国一つ自力で落とせるくらいには強いです。ただ主人公の方が強いです。


 一応彼女は時空間魔法の使い手で時空間を自由に操れますが、自分よりも魔力の大きい者は操れないもとい干渉が出来ないという設定です。

 更にある程度は制限があり一日に操れる時間の総量も決まってます。

 というわけで彼女は主人公に対して時空間魔法による干渉が出来ないのでクソザコになります。

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