第100話・お嬢様のご両親

 というわけでお嬢様に連れられて、お嬢様の両親に会いに行くことになった俺。


 お嬢様の父親はこの国の公爵でかなり偉いらしい。

 まあこの国を救い国王諸々を蘇らせている俺の方が偉いんだけど。因みにお嬢様のご家族は反乱が起こるや否や自分たちだけ地下に用意したあった逃走経路を使い、逃げたらしい。


 うん、この国の公爵が王様見捨てて自分たちだけとんずら決めるって普通に大問題じゃない。

 いや、まあ俺がこなければ反乱で国は終わってたからただし判断ではあるけど。あるけど、流石に駄目じゃないの?


 ・・・・・・・・


 まあ、でも何も俺には聞かされていない上に王様も特に罰するつもりもなさそう何で大丈夫そうだけどさ。

 因みに逃げたお嬢様の両親とその執事やら騎士は魔導通話という魔道具で俺という英雄により国が救われたと報告が入ってから速攻で戻ってきたらしい。


 いや自分勝手かて。何で速攻で戻ってきたかというと国王様に自分たちだけ逃げたことをバレない様にするためらしいっすね。


 はい。うん。この話だけ聞いているとこんなやつを公爵にするとかそりゃ反乱されるわな。

 まあ、合ってないから分からんけど。因みにこの話はお嬢様とそのお付きに騎士から教えてもらった。で。まあその両親は王城の隣にある第一公爵城という所にいるらしい。

 というわけでそこまで距離はないので歩いている。


 まあ、そうやって雑談をしながら歩いていたら、あっと言う間に第一公爵城についた。

 そして騎士とお嬢様に案内されて第一公爵城に入り、お嬢様の両親がいるところに案内された。


「やあ。君がタイト君か。色々と話は聞いてるよ」

 案内されて入った豪華そうな部屋に飄々とした感じの青年がいた。


 年齢はパッと見た感じ20代前半くらいだ。その隣には凄いモノをお持ちの若々しい黒髪の美女がいた。なんかこう年上のお姉さんって感じだ。


 お嬢様とは正反対だな?うん?ちょっと待てよ。この二人がもしかして、いやもしかしなくてもお嬢様のご両親ということか?

 え?お嬢様って確か18だったよな?若すぎないか。

 まあいいや、取り敢えず鑑定してみますか。


 超鑑定

 ステータス

 名前 バルモンド・アセロラ・エリオント・マレリア 年齢 39歳 種族人間 レベル142


 エクストラスキル

 王の資格 剣王


 ノーマルスキル

 拳術 健康 魔力強化 魔力操作 風魔法 算術 交渉術 領地経営術 老化低下


 称号

 公爵家当主 剣の天才 隠れた実力者 秘めし者 一騎当千


 ・・・・・・・・・

 いや、ヤバすぎるだろ、ナニコレ普通に強いやん。

 じゃあこれ母親のほうはどうだ。



 超鑑定

 ステータス

 名前 マレッサマ・アセロラ・エリオント・マレリア 年齢 37歳 種族人間 レベル83


 エクストラスキル

 魔性の魅力 


 ノーマルスキル

 巨乳 闇魔法 魅力 話術 未来予知 占い 直感 老化低下 


 称号

 公爵家当主妻 魔乳 秘めし者 見通す者  


 ・・・・・・・・・・


 いや、母親のほうもヤバすぎやん。

 そもそもレベルが83って、父親の方も142とメチャクチャ高いけど、この人もこの人でかなり高いやん。


 うん。しかも年齢二人とも、まあ納得のできる年齢ではあるが。そうあるが、何この老化低下っていう権力者が欲しそうなスキル。なんでこんなものを二人とも持ってらっしゃるの?凄すぎて草。

 いや、さすがお嬢様の両親やなって、いや違う、これだけ力があったらなんでお嬢様が捕まった時に助けに行かなかったんだ?絶対いけたやろ。

 てことはあれか自分子供に対して愛情が薄いのかな?


「ンフフフ、待ってたわよ。私の可愛い可愛いマリアの運命の人」

 お嬢様の母親がその豊かな胸を揺らしながら俺にそう言ってくる?


 ん?運命の人ってどういうこと。俺今しがたお嬢様に告白していないのに降られているのだが。

 俺が考え込んでまあ、少々ポカンとしていると。お嬢様の父親が俺に話かけてくる。


「ああ、タイト君、ごめんね。自己紹介がまだだったね。私の名前はバルモンド・アセロラ・エリオント・マレリア。まあ、皆からはバルモンド公爵と呼ばれている。それでもってマリアの父親だ。いや、タイト君には娘が世話になったよ。盗賊に攫われた所を助けてもらい、ここまで一切の傷を負わせることなく届けてくれた。そしてマリアを弟子として鍛え上げてもくれた。本当に感謝しかなしよ。いや。もしマリアと結婚したいと思うなら喜んでオッケーするよ」

 そう、飄々とした態度で俺に言ってきた。


「いや。そう言われましても、私はお嬢様と結婚したいとかは考えていませんし。それにさっき程お嬢様に年下は無理だと、告白してないのに振られましたよ」


 ・・・・・・・・・・・

 しばし走る謎の沈黙。


「ちょっと待って。マリアこんな優良物件を貴方振ったて正気?」

 お嬢様の母親がその沈黙を破ったって、おい、優良物件ってなんや?人のことを優良物件って、というかその概念が異世界のくせしてあるのかよ?不思議やわ。


「何よ、いいじゃないお母様。私は年下と付き合う気はサラサラないのよ。まあ、まだ1歳ぐらいなら許容範囲だけど、3歳は無理よ」

 なんか知らないけど拒否される俺。いや、そんな無理って言わなくても。


「え?待って3歳年下ってことはタイト君今15歳なの?」


「はい。そうですが?何か問題でも」


「いや、問題はないけど、ただ、タイト君かなり強いからてっきり最低でも20歳以上、最高で数百歳まであると思ってたわ」

 流石お嬢様の母親だな。お嬢様と考えていることが一緒でいらしゃる。だから数百歳って俺は何のバケモンやねん。

 まあ人間辞めてるけど。


「いや。そんなわけないじゃないですか?」


「あら?そうなのね。ごめんなさいね勘違いしていて」


「まあ、いいですけど。それよりも気になるのですが、どうして第二王子の反乱の時に逃げたのですか?貴方二人の力なら十分抵抗出来そうですけど?」


「ああ、それはね。妻の占いで逃げて待つのが吉と出たからだよ」

 お嬢様の父親が当たり前のようにいった。まるでその占いを絶対的な物だと思っているように。


 いや、待て、違う。絶対的な物だと思うじゃないんだ。絶対的な物なんだろう。今考えてみればお嬢様の母親のスキルには未来予知と占いと直感というスキルがある。この3つがあればそりゃ絶対的な未来予測が出来るだろう。

 なるほどね、じゃあ、お嬢様が攫われたけど助けなかったのは占いでお嬢様と俺が出会い吉へと向かうと分かったからか?うん。そう考えると辻褄があうな。


「なるほどね。納得しました」


「そう。納得してくれたかい。まあいいや。じゃあ一応の本題に入ろう。私はタイト君の事を信頼しているんだよ。それは妻の占いもあるが、今実際に会ってみてタイト君はマリアに危害を加えないマリアを守るためなら国一つ落とす、そう感じ取れたよ。あわよくばマリアとタイト君が結婚してくれたら嬉しかったのだが、それはどうやら無理そうだ。だから、マリアと学園に行くにあたりマリアを守ってくれ。頼む」

 そう言って俺に頭を下げた。

 なるほどね。ようは自分の娘を守れと。うん。言われるまでもないな。元々守るつもりでいたし。それに学園に行くことになった原因は俺にあるしな。


「はい。分かりました。国を滅ぼしてでもマリアお嬢様をお守りすことを誓います」

 俺はそういって頭を下げた。


 まあ。ぶっちゃければ遊びの一環ではあるが。俺は何故か、この人に敬意を払えた。俺が蘇らせた国王には一切敬意を払えなかったがこの人には敬意を払えた。この人からは王の覇気というのを感じれた。

 だから俺は頭を下げた。凄く簡単な理由だな。


「そうか。そうか。ありがとう。タイト君」

 そう言ってお嬢様の父親も俺に頭を下げた。


 ――――――――――

 そっからまあ一緒に食事を取り会話をした。

 思った以上に話しは盛り上がり、何か仲良くなれた。

 ほんでもって養子になった。


 理由は明確な身分が欲しかったからだ。今の俺は扱いとしては誰もが恐れた邪竜を殺した邪竜殺しの英雄であり国を救った英雄である。だけど明確な身分がなかった。どこで生まれてどこで育ったかが不明だった。まあ。異世界から来たんだから当たり前だが。流石にそれは不味いし、これからやっぱり身分というのがあった方が便利かなと思い、養子にさせてもらった。


 因みに拘束力とかは一切ない。本当に身分だけ貰ったって感じだ。

 ありがたいね。まあでも身分的には俺はお嬢様の弟となったわけだ。うん。なるほどね。今度いたずらでお姉ちゃんって呼んでみよう。

 まあ、そんなこんなでお嬢様のご両親とは上手くいき。

 後は楽しく異世界の学園に行くだけとなった。

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