第99話・年齢って大切だよね
というわけでお嬢様が俺の弟子となったんで早速魔法を教えていくことにした。
魔法を教える場所として広くて丈夫な場所の方が良いので訓練場を借りて始めた。
因みにお嬢様の護衛でいた騎士も一緒だ。
「さてと、マリアお嬢様早速魔法を教えて行きますが、教えてほしい魔法はありますか?」
「そうね?じゃあ簡単に使えて汎用性の高い魔法を教えてもらえるかしら」
「簡単に使えて汎用性が高いですか?それでしたら私もよく使っている魔法。闇魔法・闇切りと闇魔法・闇飛ばしの二つですかね」
「闇魔法・闇切りと闇魔法・闇飛ばしね。じゃあ早速それを教えて貰えるかしら」
「分かりましたマリアお嬢様。ではマリアお嬢様は闇の魔力の知覚は出来ますか?」
教えるに当たり闇の魔力が知覚出来なければまずは闇の魔力を知覚させるところから始めなければならないので質問をする。
「全く分からないわ。元々私には魔法の才能が全くなかったからね。魔力の知覚なんて出来ないに決まってるじゃない」
なるほどね。どうやら魔力の知覚から始めていった方が良さそうだな。でもあれだなむしろ好都合かもな。変に癖がついている状態よりも何も知れない状態の方が教えやすそうだしね。
しっかし魔力の知覚か。前なんかの本で読んだ有名なやり方と言ったら体に魔力を流し込むだけど。あれ人によってだけど凄い快楽を伴うんだよな。それこそエロめのライトノベルのように、それをお嬢様にやるのは・・・・・・まあ。ありだね。うん普通にありだな。むしろ最高だね。
「ではマリアお嬢様、今から私がマリアお嬢様に闇の魔力を流し込むので、それで魔力がどんなものなのか知覚してください」
「分かったわタイト」
「では行きますよ」
俺はそう言ってお嬢様の白く柔らかな手に触れると少しずつ俺の闇の魔力を流し込んでいく。
「アアア、アアア、ア」
中々に可愛いらしい声というか喘ぎ声を上げるお嬢様。
それを聞いて可愛らしいなと思っていた時だった。
パチン
急に顔面をお嬢様に叩かれた。
別に痛くは無かったがいきなり叩かれたもんで驚いて魔力を流すのを止めてしまう。
「何をしたのよ。タイト、後少しで私お嫁に行けなくなっちゃう身体になる所だったじゃない」
頬を赤らめて涙目で俺に怒鳴って来るお嬢様。
まあ、うん。可愛いですね。これはこれで素晴らしい。
「大丈夫ですよ。マリアお嬢様その時は私が貰ってあげますから」
俺はほんの冗談でそんな事を言った。当たり前だが俺はお嬢様と結婚するつもりはサラサラない。本当に冗談で一切そんな気はなくふざけてそう言ったのだ。しかしお嬢様の反応は違った。
「・・・それならいいわよ。続けて頂戴」
そう、さっきよりも顔を赤らめ、具体的には耳まで真っ赤にして少し下を向いて俺の服の裾を引っ張りながらそう言った。
・・・・・・
あれ?これって俺はお嬢様に惚れられてない?何だかんだで行動が読めない人ではあるが、流石の俺もこんな態度をされたら、もう。惚れられているんじゃないかって分かるぞ。
・・・・・・・・・
ヤベ、俺にそんな気はないんだけど。
・・・・・・・・・
まいっか、あまり深く考えないようにしよう。何、流石に告白されるとかいうイベントは起きないだろ。うん。起きないよな?まあいいや起きたら起きたら楽しそうだしね。
「ちょっと、タイト早くしてよ」
お嬢様に怒鳴られてしまった。ヤベ少し考えすぎてた。
「申し訳ございません。マリアお嬢様。では魔力を流させて頂きますね」
「ええ、お願いするわ。後少しで何か掴めそうな気がするから」
というわけでお嬢様に俺の闇の魔力を流していく。
「ん、んんん、アアア」
最初の方は必死に我慢をしたがすぐに途切れて可愛い声を上げるお嬢様。
「どうですか、マリアお嬢様魔力を感じ取れそうですか?」
俺は一旦お嬢様に魔力を流し込むのをやめてそう問いかける。
「そうね。多分だけど掴めたわ。ようは魔力ってのはこういうことでしょ」
そういってお嬢様は右腕に闇の魔力を纏わせた。
マジかよ。今お嬢様がやってるの俺もよく使う闇魔法・闇纏いだぞ。一応魔力を放出するのは簡単だが留めるのは結構難しいはずなんだが、それこ結構レベルの高い魔力制御スキルが要求されるのに。
ん?魔力制御スキル?そういえば俺がお嬢様に上げたスキルの書の中に魔力制御系統スキルが結構あったよな?
・・・・・・・うん。スキル魔力制御に魔力安定に魔力定着・・・・・うん。そりゃお嬢様いきなり闇纏い使えるわけだな。いやはやついさっきまで魔力を感知すら出来なかったのに、闇纏いを使えるか。スキルの書は偉大だな。
「はい。その通りですマリアお嬢様。因みに今マリアお嬢様が使っている闇の魔力を纏わせるのは闇魔法・闇纏いといい私が今から教えようとしていた魔法よりも難易度の高い魔法です。おめでとうございます」
「あら。そうなの。じゃあ私って結構才能あったのね」
嬉しそうに無い胸を張るお嬢様。いやまあ、才能じゃなくてスキルの書のおかげなのだが。まあ余計なことだし言わなくても大丈夫か。
「そうですね。マリアお嬢様には才能がありましたね。では早速闇魔法・闇切りと闇飛ばしについてお教えします」
「ええ。早く教えて頂戴」
「では。まず見本を見せますね。闇魔法・闇切り」
俺は訓練場に置いてあった鉄製の案山子に向けて手刀で闇魔法・闇切りを放ち切り裂いた。
「こんな感じですかね。今は手刀でやりましたが、剣を使った方がやりやすくはありますよ。まあ。コツとしましては闇の魔力を剣に軽く纏わせて目の前にある対象を切り裂くことを意識して放つ・開放するという感じです。というわけでマリアお嬢様、木剣を持って、レッツトライです」
そう言ってお嬢様に訓練場に置いてあった木剣を渡す。
「分かった。やってみるわ。フーーー、ハーーー。闇魔法・闇切り」
お嬢様が深呼吸をして精神を集中させて闇魔法・闇切りを放った。それは綺麗に放たれ鉄製の案山子に大きく切り傷を与えた。
「ヤッタ、成功したわタイト」
「ええ、成功しましたね。おめでとうございます。マリアお嬢様。やはりマリアお嬢様には才能がありますね」
「ええ、そうね。私は天才ね。さあタイト次の魔法を教えなさい」
「分かりました。次の魔法。闇魔法・闇飛ばしをお教えします。この魔法はマリアお嬢様がさっきやったように腕に魔力を軽く纏わせます。それを指にのみ集中させます。そうして指に闇の魔力を集めたら対象に向けて放ちます。以上。これだけです」
俺は実際に闇の魔力をたっぷり使って可視化させて実践しながらお嬢様に闇飛ばしを教える。もちろん闇飛ばしを放った対象は鉄製の案山子だ。
「なるほど。そうするのね。闇の魔力を指に集中させる。集中させて、集中させて、集中させて。放つ」
ドン
マリアお嬢様が放った闇飛ばしは鉄製の案山子を軽く貫通して更に奥にある訓練場の壁に当たり盛大に爆発した。
「ワオ。これ闇飛ばしというよりも闇爆発だな。うん、確実に魔力を込めすぎの圧縮しすぎだな。いや凄いな。おい」
「でしょ、でしょ。私凄いでしょ」
またもや無い胸を張るお嬢様。いや、可愛いけどさ、なんでお嬢様こんなに魔力があるんだ?俺はお嬢様にそんな大量というかここまで強くなるほどスキルの書使わせてないぞ。・・・・・・一応鑑定してみるか。
超鑑定
ステータス
名前 マリアンヌ・アセロラ・エリオント・マレリア 年齢 18歳 種族人間? レベル1
特殊スキル
【死霊王の一番弟子】
ノーマルスキル
礼儀 気品 王宮所作
称号
公爵家第一令嬢 悪役令嬢 我儘娘 波乱万丈 運命を乗り越えし者 死霊王の一番弟子
・・・・・・・・
まず、色々とそう色々と突っ込みたいが、うん、言わせて欲しい。
「マリアお嬢様、まさかの俺よりも3つ年上なんかい。おい。ええええええええええ」
「ちょっと、どうしたのタイト急に叫んで。というか待って今3つ年上って言った?じゃあタイトって今15歳なの?」
「はい。そうですお嬢様。私は15歳です。お嬢様よりも3つ年下です。うん。マジかよずっと同い年だと思ってた」
「いや。私だってタイトはずっと何百年と生きた化け物だと思ってた」
「いや。何百年も生きた化け物って、まあ、化け物ではあるがそんな長く生きてはいない。というかマリアお嬢様より生きてないっていうね。うん。しっかしそっかマリアお嬢様俺よりも3つも年上か。何か辛いな」
「それはこっちセリフよ。私の初恋だったのに相手が自分よりも3つ年下だった私の気持ちを返して」
いや。お嬢様まさかのここでそのカミングアウトする?え?おい?え?いやまあいいんだけどさ。それよりも私の気持ち返してってお嬢様年下は無理なのかな?
「いや。返してと言われましても・・・というかマリアお嬢様こんな形で私に恋心を伝えて大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。もう恋心は持ってないんだから。私は3つも年下の人と付き合うとか無理な人間だから」
何か振られた。告ってないのに振られた。んな理不尽な。
「そうですか。まあマリアお嬢様がそういうのなら、それでいいですよ」
「そうね。私もタイトに抱いた気持ちは忘れるわ」
いや。忘れるわって。マジで本格的に振られてんじゃん。告白してないのに。何か辛い。
「そうですか。ではそうしてください。さてとマリアお嬢様、今からどうしますか?このまま魔法の特訓を続けますか?それとも部屋に戻りますか?」
「そうね。まあ、それなりに魔法は使えるようになったし家に戻ってこの事を両親に伝えてくるわ。フフフ、父上と母上の驚いた顔が楽しみだわ。というわけでいくわよタイト」
「え?行くってどこにですか?」
「そんなの私の両親の所に決まっているじゃないの」
え?両親って?俺まさかの告白してないのに振られた相手に両親を紹介されるの?
それなんてラブコメ?誰か教えてくれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます