第98話・弟子

 メイドの写真を撮りまくって結構満足した後。いつもの様ににスキルの書の消費を始めた。

 ぶっちゃけさ、マジでスキルの書が山のようにある。俺の眷族たち頑張り過ぎや。まあでも使えば使うほど強くなっていくからな。あるのに使わないというのは勿体ないんで使っているんだけど終わりが見えない。ヤバすぎやろ。


 スキルの書を消費するという苦行をすること4時間後


「タイト様、夕飯の支度が出来ましたがどう致しましょうか」

 メイドが俺に話かけてきた。

 夕飯か。別に今お腹が減っているわけではないが。というか死霊王なんやし何も食わなくても大丈夫そうやけど。まあ異世界のそれも王城の料理やし食べてみますか。


「じゃあ頂こうかな」


「分かりました。では少々お待ちください」

 メイドがそう言って全員部屋を出る。まさかの全員と少し驚きつつ待つこと30秒。

 それぞれ豪華なお料理を持って部屋に戻って来る。


 いや。早すぎだろ。これはアレか?部屋の前でもう既にお料理を待機させてあった的な?

 そういうことかな?まあでも早いことに越したことはないか。しっかし凄い量だな。まあ5人で運んでくる時点で分かってはいたが。これだけの料理となると軽く10人前は超えるぞ。


 しかも。この料理同じものが一つとしてないな、見た感じではいまいちどんな料理かは分からないが、どれも全て美味しそうだな。多分だけど俺がどんな料理が好きか嫌いか分からなかったんだろうな?だからどんな料理でも大丈夫なようにこんな感じで色んな種類の料理を出したのか。

 相変わらずメチャクチャ待遇が良いな。まあいいや。取り敢えずいただきますか。


 俺は手前にあった肉料理を手に取り食べ始める。


 ふむふむ。なるほどね。その他の料理も幾つか食べてみる。


 ・・・・もぐもぐもぐもぐ・・・・・・


 なるほどね。


 ・・・・もぐもぐもぐもぐ・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・


 うん。分かったわ。思った以上に美味しくなかった。

 まあ、美味しいっちゃ、美味しいよ。でも何だろうか絶妙に味のバランスがミスってる気がした。

 何かこう余計な物をいれてしまった感がある。まあ、もちろんここは異世界なわけだし俺の味覚と異世界の人の味覚が同じってのはあり得ないだろうか。普通は美味しいと感じるんだろうけど。そうだような?普通は美味しいと感じるよな?ちょっと不安になってきた。あ、そうだ。メイドに食べて貰おう。

 これでメイドが美味しそうに食べたら異世界の味覚と俺の味覚が違うという事で良いかな。うん。そうしますか。


「メイドさん。もしよろしければ一緒にお料理食べませんか。一人で食べるよりも皆で食べた方が美味しいでしね。それに俺だけ料理食べてメイドさんを立たせているってのは何かこう辛いんでね」

 因みにこの言葉は嘘偽りない本心だ。元々メイドを無視して一人で食べるの少し辛かったしね。後は普通に美人の女性5人と一緒に食事とか最高やん。


「では、お言葉に甘えまして」

 メイドは少し悩み互いに顔を見合わせつつも、多分俺の言葉を断る方が失礼だと思い。料理の置いてある机の椅子に座って食べ始める。


「「「う」」」


 バタン


 メイドが全員倒れた。

 それぞれ違う料理を食べていた。それなのに倒れた。ということはつまり、これって?全ての料理に毒入ってない?


 ・・・・・・・


「タンマ、タンマ、タンマ、メイドさんの命がピンチやん。毒魔法・毒操作」

 俺は慌てて毒魔法・毒操作を使ってメイド5人全員の身体の中にある毒を抜き出した。


「大丈夫ですかメイドさん」

 俺は一番近くにいた。黒髪ロング巨乳のメイドに声を掛ける。


「う、私は一体・・・・・、何が起こった・・・の」

 急いで毒は抜き取ったが多分強力な毒物だったのだろうか。意識が朦朧としている。他のメイドも同じように意識が朦朧としている。

 俺はそれを確認すると、闇空間から毒耐性のスキルの書を探して5つ取り出す。


「さあ、これを使って」

 俺は一人一人の手に無理やり毒耐性のスキルの書を渡して使わせていく。

 その効果は劇的で全員意識が覚醒する。


「タイト様。お見苦しいところをお見せしてしまいました」

 メイドの一人が俺にそう言って謝罪をする。


「いや。大丈夫だよ。それよりも体調はどうだい?もしまだ具合が悪いようだったら遠慮なく言ってくれ」


「多分大丈夫です。それとあの。本当に申し訳ございませんでした。気が付かなかったとは言えタイト様に毒の盛られた料理を運んでしまい」

 そう言って黒髪ロング巨乳のメイドが俺に土下座をしてくる。いやはやこの世界にも土下座という文化あるんだな。しかしメイドに土下座とは中々業の深い、つか凄くいいお尻やな。写真撮らせて貰お。

 俺は闇空間からスマホを取り出して何枚か写真を撮る。因みにモードはサイレントの為音は出ない。


「いや。別に気にしなくてもいいよ。それに俺は基本的に毒が無効化させる体質だしね。むしろ俺が料理を勧めたせいでこうなったんだから謝るなら俺の方さ。申し訳ない、まあでも無事で良かったよ。メイドはオタクにとっては尊く守り崇めるに値する存在やからな。さてと犯人捜しをしますか。悪魔法・悪感知・指定・俺に毒を盛った人」

 俺が適当に範囲指定をして魔法を唱える。


 ・・・・・・・・


 あ、いた。犯人は長いローブを着た人だな。ん?ローブに何か魔術式で書いてある。何々。魔道師団長か。なるほどねつまり犯人は魔道師団長ということか。一応魔道師団長以外にも何人か人いるしそいつらは協力者いや魔道師団長の部下?腹心?といったところかな?

 なるほどね。どうしようかな。

 ・・・・・・・・

 よし。直接行って殺して俺の眷属にしてあげよう。


「というわけでメイドさん。俺に毒持った人を殺して来るわ」

 俺はそう伝えるとその言葉を聞いて驚き止めるないし詳しく事情を聞こうとするメイドをガン無視して走って魔道師団長とその部下?の元に向かった。


 ――――――――――――

 走ること3分。

 あっという間に魔道師団長とその部下?がいる部屋に辿り着いた。

 俺は結構豪華そうな部屋のドアを蹴破る。


 ドン


 派手な音とともに砕け散るドア。ぶっちゃけ蹴破る必要はなかったけど一度ドアを蹴破るというのをやってみたかったからやったというのが本音ですね。中々気持ちよかったです。


「さてと、こんにちは。魔道師団長とその腹心?部下かもね?まあどっちでもいいや、取り敢えず良いことを教えてあげるよ。俺に毒は効かないよ」


「そうか。毒が効かないか。それは誤算だったな。ならば魔法はどうだ火炎魔法・火炎弾」

 魔道師団長が俺に火炎の弾を打ち出す。それを闇の魔力で覆った右手で握り潰してやる。


「そういうのも効かないよ。俺を殺したいならもっと強力な魔法を打たないと」

 というわけで適当に煽ってみる。それを見て頭に筋を浮かべて面白いように怒ってくれる魔道師団長。煽り耐性低すぎだろ。


「お前ら。打て。ありったけの魔力を込めてコイツを殺せ」

 多分部下っぽそうな人達を怒鳴り散らし、その場にいた全員が俺に向かって魔法を放ってくる。


「闇魔法・闇盾」

 俺は魔法一つで全てをガードする。うん。弱いな。いや俺が強すぎるのかな?


「何だ。その魔法はこの化け物め、あれだけの魔法を浴びせられて無傷だと」


「そうだね無傷だね。あのさ?あの程度の魔法で俺を殺せると本気で思ってるの。いや、本当に間抜けだね」

 俺はそう言って普段から多少なり抑えている禍々しい闇の魔力を全開にする。


「ひえ、ハハハハハハハハハハ」

 俺の闇の魔力を浴びてその場にいた全員が狂った。うん。ですよね。まあ狂うだろうね。


「さてと、殺して眷属にしますか。闇魔法・闇斬り・死霊魔法・死霊生産」


「というわけでお前ら答えろ。何故?俺を殺そうとした」


「はい。主様。それは主様が強すぎたからです。主様の力は圧倒的です。死者を自由自在に蘇らせて生者を自由自在に死者とする。何万という化け物を従えありとあらゆる物の破壊と再生を同時に行える。そんな化け物をこのまま野放しに出来ますか。出来ません。私共は恐れたのです主様の力を主様が何らかの気まぐれで我が国に害をなそうとすれば。我が国は抵抗らしい抵抗も出来ずに滅ぼさせれでしょう。だからその前に殺そうと思いました。これが理由です」


「なるほどね。まあ納得は出来るわ。まあでも今のところはこの国を滅ぼすつもりはサラサラないから安心しろって言っても無駄かな、もう俺の眷属になって絶対的な忠誠を誓っているわけだしね」


「はい。その通りでございます。私は主様に絶対的な忠誠を誓っております」

 そう言って俺に平伏する魔導士団長。まあ眷族にしたわけだしもう害はなさそうだな。


「さてと。一応これで毒を盛った件は終わったかな」

 自分の部屋というか客室に戻ってスキルの書消費の続きでもしますか。

 俺はそう考えて客室まで歩いていると護衛の騎士と一緒にいるお嬢様に出会った。


「タイト貴方一体何てことしてくれたの、何で私が国家連合学園に行くことになっているのよ」

 おっと、お嬢様に学園に行くこともう伝わっていましたか。


「いや。マリアお嬢様と一緒に学園生活を楽しみたいなと思いまして」


「楽しみたいなって、タイトはあそこがどんな場所か知っているの?完全実力主義で弱い者は淘汰されるような場所よ。タイトはいいでしょうけどそんな場所にろくに戦えない私が行ったら確実に馬鹿にされて虐められるわ。どうしてくれるのよ」

 凄い剣幕で怒鳴って来るお嬢様。しっかし完全実力主義か。それは知らなかったな。まあ別に解決方法を超絶簡単だけどね。お嬢様にスキルの書を使わせて強くすればいい。

 俺は闇空間から身体能力系統に魔力強化系統に闇系統魔法のスキルの書を取り出す。


「ではマリアお嬢様これを使って下さい。これを使えばマリアお嬢様もメチャクチャ強いとまでは言いませんが。この世界に限って言えばかなり強くなれますよ」


「タイト、ちょっと待って。これってスキルの書」


「そうですけど」


「こんな貴重な物をこんなに大量にいいの?」


「いや、別に何万と持ってますし大丈夫ですよ。というかスキルの書って結構貴重なんですね」


「結構貴重ってスキルの書といったらダンジョンで極まれにしか排出されない超絶レアアイテムよ。そのスキルの書の内容にもよるけど。最低価格は金貨10枚。強いスキルの書なんかはオークションで金貨何

 百枚と簡単に行く貴重な物よ。それを何万枚って」


「まあまあ。私にとっては貴重でもなんでも無いですから遠慮せずに使って下さい」


「分かったわ。タイトがそう言うならありがたく使わせて貰うわ」

 そう言うとお嬢様は俺の目の前でスキルの書の使用を始める。


「あれ?別に今この場じゃなくても良いですよ。部屋に戻ってゆっくり使ってくれても」


「嫌よ。そんな恐ろしい。こんな高価な物もし誰かに横取りされたりしたら最悪よ。だから絶対にそんなことが無いように今この場で使っているの」


「なるほどね。納得しましたマリアお嬢様」


「そう。それなら良かったわ。それにしても凄いわねスキルの書という物は使うたびに身体から力が溢れて来るわ。確かにこれなら皆が高いお金を払って買うのも分かるわ」

 マリアお嬢様はそう言いながら次々とスキルの書を使っていく。


 2分後。

 マリアお嬢様が全てのスキルの書を消費し終えた。


「少し気になったのだけれど、タイトはどれだけのスキルの書を使っているの?」


「どれだけですか?申し訳ございませんが私自身もう正確な数は数えていないので憶測ですが。多分何万枚は超えてると思います」


「何万枚・・・桁が違うわね。流石タイトだわ。あっ。そうだタイト私に闇の魔法を教えてよ」

 魔法を教えてか。そういえば俺のやりたいことリストに弟子を取って強くするってのあったな。


「良いですよマリアお嬢様、丁度私も誰か弟子を取って強くしたいと考えていましたから」


――――――――――――――――――


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