第68話・学園祭の準備(ほとんど眷族が頑張ってくれてます)パート1

「てなわけで、先生、俺達Sクラスの出し物はお化け屋敷と戦闘劇になりました。それにともなってこの部屋だけではスペースが足りないので北先生の空間魔法で広くして下さい。具体的な大きさとしては横1キロ縦500メートルくらいで、魔力が足りないようでしたら俺の魔力使っても良いので」


 少々北先生に腹立つことはあれど、結果的には出し物決まったしなんとかやれそうなので、怒りを抑えてそう報告したら。


「いや、無理」


 断られた。は?ひ?ふ?へ?ほ?


「いや、何で断るんですか、俺の魔力使っていいんですよ、自分で言うのもアレですけど魔力大量に持ってますし、空間拡張できるでしょ」


「ハア、いいか、いくら魔力が合ってもそのレベルの空間拡張にはそれ相応の核がいる。そりゃ、その核がないわけではないがこの学園祭のためだけにわざわざ使うなんて出来ない。だから無理だ」

 大きくため息をつかれた後にキッパリと断られた。腹正しい。


「じゃあ、自分で核を用意しろってことですか?」

 俺は少々切れ気味に言う。


「そうだ、というわけで頑張れ」

 頑張れって何て無責任な。やっぱこの人教師失格だろ。


「いや、頑張れじゃなくて、せめて核がどんなのならいいのか教えてくださいよ」


「ああ、確かにそうだな、まあ、あれだ、竜の魔石とか魔人の魔石、高魔力保持者の体の一部とかかな」

 ん?俺普通に持ってない?魔人はなんだかんだで結構倒してるし、竜の魔石もかなり持ってるし、高魔力保持者の体の一部って俺の腕とか良いんじゃ?

 取り合えず、闇空間からたまに闇カスダンジョンに出てくる魔人の魔石を取り出して北先生に見せる。


「北先生この魔石なら核として使えますか?」


 俺の魔石を手に取りまじまじと見つめる北先生。


「うん、これなら行けそうかな。うん行ける、行ける、何ならもう少し広くできそう、というかこんな上等な魔石よく持ってたな、本当に使っていいのか?」


「まあ、このくらいの魔石ならいくらでも用意できますし、それよりも、もっと広げれるってマジすか?」


「ああ、大マジだ。というか、いくらでも用意できるって凄いな。いくつか分けてくれ」


 北先生が魔石を分けてくれと図々しくいってきたのはガン無視して話を進める。


「それじゃあ、せっかくだし、限界まで広げてください」


「分かった、早速やってみるわと言いたいのだが流石に魔力が足りないので分けてくれ、というか、魔石分けてくれはガン無視なのね」


 そういって北先生が俺の目の前に右腕を出す。確か手を握って魔力を渡すんだったよな?

 俺はその手を握った、その瞬間ガンガン魔力が減っていった、ここ最近は魔力切れなんてほとんど起きなかったのに魔力切れで少々ヘトヘトになるまで魔力を吸われた。


「北先生、流石に魔力使いすぎです」


「あ、悪い、悪い、まあ、許してくれ、ほら、見ろ教室が横2キロ縦2キロまで広がったぞ」


 そう言われたので教室を見ると、本当に広がっており、その中央部分に魔石が浮かんでいた。多分これが核ということか。


「凄いですね、空間拡張って」

 俺は心の底からそう思った。だって、あれだぞ、そこまで広く無かった教室がこんなに広くなるんだぞ、これを凄いと言わずして何て言う。


「だろ、てなわけで後は任せた、俺は今から他の場所も空間拡張しなければならないからな」

 そう言って北先生はどこかに消えてしまった。

 まあ、ぶっちゃけ北先生がいなくなっても支障はない。ここからは俺の眷属達の出番だ。


「千鬼死霊大行進・部分発動・工事系」

 これは千鬼死霊大行進の応用技、何かするたびに一々全員呼び出すのをちょっと場所的にめんどくさいなと思い部分発動出来ないかなと思い何度か試したら出来るようになった技だ。

 この技のおかげで無駄に大量に召喚しないで済むし場所も取らないし結構重宝している。

 そんなわけで、俺のスキルに答え15体の鬼と211体の死霊が現れた。


「さて、お前ら、今回の仕事はお化け屋敷と戦闘劇の場所造りだ、基本的に使いそうな材料であるペンキ、木材等々はすでに買って闇空間に入れてある、どんな風にしてほしいかの設計図も十川さんと白木さん協力の元書き上げたのを闇空間に入れてある。それと、今から石嶋の家に行って、呪いのアイテム的な物を借りてきた後、闇空間に入れるから、それも使ってくれ、というわけで、作業開始、頑張れ」


 俺がそう言った瞬間にもの凄いスピードで土台ができて色が塗られていく、それを少々満足げに眺めた後、死霊転移を使い、石嶋の近くにいる監視用死霊虫めがけて転移した。


 ――――――――――――

 補足説明

 前回の話の後、更に時間をかけて、お化け屋敷はどんな風にするか、戦闘劇はどんな風にするか、時間はどうするか、客の回転率はどうするか等々、様々なことを話し合いました。

 一瞬、そこを書こうと思いましたが、そこ書き始めると異常に長くなりそうな上に特に面白くもなさそうなので辞めました。

 今回の話はその次の日という設定です。

 因みに他のクラスメートは勇気とハーレムメンバーはまた事件に巻き込まれてゴタゴタ中。

 十川さんと鉄志は闇助とともに材料を買いに行っています。ほんで全部闇助の闇空間にポイっと。

 金山はさぼりで、石嶋は実家に戻って呪いの品漁ってます。


 それと、北先生は他のクラスの教室を空間拡張しに行ってます。

 もちろん、主人公の教室みたいにかなりとんでもなく広げるわけではなく、元の広さの倍くらいですが、それでもかなり凄いけど。

 ついでに言えば、学校には体育館に食堂に多目的ホール等があります、ただ、そういった場所は学生だけでは物足りなくなると考えダンジョン連合が様々な出し物をするのに使っています。

 だから最悪、学生の出し物が失敗してもダンジョン連合のほうでなんとか持ち直す的な設定です。

 まあ、保険をかけるのは当たり前ですね。ということで主人公Sクラスは自分の教室しか使えておりません。(一部クラスは申請して体育館や食堂、多目的ホールを使用できてますが)その辺はあまり突っ込まないで下さい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る