第67話・学園祭ってやっぱりいいよね

「学園祭が始まるぞ~~~~~~」


 朝のホームルーム北先生がいきなり声を上げた。ちょっと待て学園祭だと、この学校そんな楽しそうなイベントあったの。俺がそう思い北先生に質問をしようとしたら。


「え、この学校って学園祭あるんですか?」


 俺よりも先に勇気が突っ込みを入れた。まあ、確かにこの学校は冒険者育成学校だからな突っ込みを入れたくなるな、でも、このクラスの中でハーレムメンバーとともに一番学園祭を楽しみそうなやつが突っ込みいれるとなんか腹立つ。


「ああ、そうなんだ、これがまたふざけた話でさ、うちのクソ理事長がテレビで学園祭を見て楽しそうとか言って強制的に学園祭をやることになったんだ、しかも、質の悪いことに半分以上の教師が学園祭楽しそうと賛成しちゃって、上も良いアピールになるとか言い出して、かなり大々的にやることになったわかだ、ハアめんどくさい、しかも、俺らはSクラスだから一番良い出し物を期待されたし、最悪だ」


 そんな嫌々語らなくても、俺としては普通に楽しみというか楽しそうなのだが、ん?というかいつやるんだ。


「北先生、因みに学園祭はいつ開催するんですか?」


「1週間後だ」


 ・・・・・・・・・


「北先生、すみませんよく聞き取れませんでした、もう一度お願いします」


「だから1週間後だ」


 ・・・・・・・・


「1週間後だと、マジというかえ、は、ひ、え、え、普通にやばくない、何それちょっとした試練じゃん」


「まあ、そうだな、でも大丈夫だお前らなら1週間で最高の学園祭の出し物をできる」


「いや、でも俺ら一番クラスの人数が少ない」


「大丈夫能力がある」


「いや、でも、流石に1週間はいくらなんでも急だと・・・」


「大丈夫だ、泰斗お前なら出来る、お前の能力をフルに使えば人材問題も解決する。頑張れ、てなわけで、お前を今回のSクラス学園祭代表に任命する、これからはお前がこのクラスを指揮してSクラスの出し物を出してくれ、じゃ、俺は今から用事があるのでな、空間魔法・空間転移」


 北先生は俺にそう熱弁して全責任をなすりつけて逃げた。ピキピキ、あのクソ教師。まあ、北先生らしいといったららしいが、マジで酷い。

 俺がブチ切れそうになった時、鉄志が俺の肩に手を乗せて優しく声をかけてくれた。


「泰斗殿、大丈夫でござる、某を含め泰斗殿には皆がついているでござる、だから、先生を殺しに行きそうな顔は辞めて出し物を考えようでござろう」


「鉄志、そうだな、ありがとう落ち着いたよ、よし頑張るか」


「その意気でござるよ泰斗殿」


 ―――――――――――


「てなわけで、皆、今回の学園祭の出し物でやりたいものはあるか?」


 心機一転し学園祭の為に取り敢えずすることを決める質問をしてみたが帰ってきた答えは思ったよりも個性がというか癖が強かった。


 金山「俺は強い奴と戦いたいな」

 戦闘狂というか思考回路がいかれてない?今学園祭について質問してるんだよ。


 鉄志「やっぱり定番はメイド喫茶とかお化け屋敷とか劇でござるかね、しかし、せっかくならばSクラスらしい出し物をしたいでござるな」

 あ~ね、確かにでもSクラスらしいって結構難しいな。というかこのメンツでメイド喫茶は難しいな顔は良いけど全員彼氏持ちやし。となるとお化け屋敷か劇だな。


 純武「皆が決めたものをやるよ」

 一番めんどくさい答え、自分の意見を言えよ。


 白木「私の魔法でケガなら治せるし回復診療所とか?」

 それ学園祭の出し物としてどうなのか?というか白木さんのレベルでやったら千切れた腕とか再生出来るやつだから、結構問題になる気がするな。流石に無理やわ。


 月影「勇気と同じで、というか俺は生産系スキル一切持ってないからあまり凄いことはできないから」

 こいつ舐めてやがる。まあ、でも、確かにね、生産系スキル持ってないか、言われてみればそれはそうだな、俺らはほとんどが前線に立ってダンジョン攻略するタイプだし、そうなると女子の一部なんて見てくれはいいけど純武もとい勇気ラブラブの使いにくい人材ってことじゃ・・・。北先生マジでふざけてやがる。


 羽川「私は白木さんのように人を癒す仕事をしたいです、もしくは人の悩みを聞いて導いてあげる仕事とですかね」

 だから、それ学生レベルじゃないねん、人を癒す力はもちろんのこと、何で学生が人の悩みを聞いて導くのそれ神父の仕事。学生の文化祭でしてたまるか。


 石嶋「僕はお化け屋敷とかやりたいかな、お化けのほうは、泰斗君の眷属を使えば簡単に出来そうだし、部屋の広さだって北先生の魔法で広げてもらえばいいし、置物とかは僕の家はそこそこ歴史があるからそれっぽいものいっぱいあるから持ってこれそうだし、あ、でも、よければだけどね、どうしてもってわけじゃないから」

 石嶋大分性格変わったな、一人称が僕になって、少々おどおどしてるし、俺のこと泰斗君ってホモホモしく言うし、いったいどんな説教されたんだか。

 まあでも、お化け屋敷という案はいいかもね、俺の眷属のお化け起用を始めとして北先生の空間魔法に石嶋の置物、うん、結構いいね、普通に成功しそう。まあ、でも少し物足りない感はあるな。


 十川「私は上野君の眷属を使って戦わせれば良いと思う、だって、上野君の眷属の評判はかなり良いし、絶対に怪我とかは起きないだろうし、それに、他の所から来た冒険者とか冒険者学校の人も楽しめそうだし」

 なるほど、確かにいいねそのアイデアだな、それならば金山の戦闘欲求を満たせそうだし、Sクラスらしさもある、他にも上級者コースだけ命は取らないが怪我はさせるとかにして白木さんと羽川さんに直してもらうとか、もちろん有料で。

 うん、なんか、いける気がしてきた。回復魔法は学生レベルじゃないけど、まあ、Sクラスということで納得してもらいますか。


 ―――――――――――――――


 皆の意見をまとめて考えること10分


「てなわけで、決まりました。今回初めての文化祭でSクラスが出す、出し物は「お化け屋敷」と「戦闘劇」が良いと思います、取り合えずそれがどんなものなのか、今から説明するから気になることがあったらドンドン言ってくれ」


「まず、今回のお化け屋敷はレベルがある、レベルとしては1~10まで作るつもりだ。

 とりまレベル別表はこんな感じ。因みに料金は一律レベル×100円でやるつもりだ。

 レベル1・・・初心者向け、幼稚園児や小学生低学年向け、ほとんど怖くなく眷属も怖そうな外見の眷属は一切出てこない。

 レベル2・・・まだ、初心者向け、小学生から中学生向け、そこそこ怖くなっていくがせいぜい内装が怖いだけで、怖そうな眷属とかは出てこず、いきなり驚かしたりもしない。

 レベル3・・・初心者卒業、怖いものが苦手な人向け、一応普通のお化け屋敷よりは怖くないけど、しっかり驚かしたりするし内装も作る。

 レベル4・・・普通、普通に怖い、内装も怖いし眷属も怖い、いきなり剣を持ったスケルトンが驚かしてくる。

 レベル5・・・そこそこ怖い、内装もだいぶ凝り始め、眷属も剣スケルトンに鎧死霊にリッチと豪華になってくる。多分耐性の低い人は気絶すると思う。

 レベル6・・・かなり怖い、というかやばいと思う、眷属は剣スケルトンに鎧死霊にリッチを始めその特殊進化形態も出現、更にリッチの魔法を使い全体の温度を下げるとともに、魔力を放ち常に魔力が張り詰める威圧状態にする。多分心臓が弱い人だったら死ぬと思う。まあ、最悪生き返れるし大丈夫やろ。

 レベル7・・・ここからは、少し変わって、お化け役の俺の眷属が攻撃を開始する。このレベルならばせいぜい剣スケルトン1体と鎧死霊1体とリッチ1体しか攻撃しない、まあ、イージーモード。

 レベル8・・・剣スケルトン5体、鎧死霊10体、リッチ1体、結構鬼なモード。

 レベル9・・・剣スケルトン10体、鎧死霊10体、リッチ10体、虹スケルトン10体、鬼畜モード、これクリアできるの多分鉄志並みの戦闘力がないと無理そう。

 レベル10・・・万死手・ヘカントケイル、勝てたら賞金を上げてもいい。というか上げるは賞金1000万円、まあ、勝てたらだけど、因みに怪我のほうは白木さんと羽川さんに直してもらおうと思ってるもちろん有料でな」


「泰斗殿、レベル10の賞金1000万円以外にもレベル7で1万円、、ベル8で10万円、レベル9で100万円にするのはどうでござろうか、それと一度クリアしたステージは再入場できませんという注意書きを入れたほうが良いと思うでござる」


「なるほどね、確かに、その案採用させてもらうよ鉄志、てなわけで鉄志の案採用に異議のある人いる?」


「ない」「ないわよ」「ない」「賛成だよ」・・・


「いないね、よし、じゃあ、話の続きをするよ、一応お化け屋敷以外にも戦闘劇をやるつもりだ、戦闘劇の内容としては俺の眷属もといお化け屋敷にでてくるお化け達が襲い掛かってくるのを金山がバッタバッタと切り倒していく戦闘劇で行こうと思う、これならば、金山の希望である戦いを満たせているし、Sクラスの強さというのも見せつけられる、その上、鑑賞料金は500円設定にすれば、そこそこの収益も見込めるしどうかな?」


「俺としては願ったり叶ったりだ、泰斗の眷属は強いし戦いがいがあるってもんだよ、だけど、一つ案をいいか」


「うん、いいけど」


「じゃあ、劇の終わりに俺と戦いたいってやつを募集して実際にそいつと戦うってのはどうだ?ほんで、俺に勝てたら100万円自腹で払うからさ」


「なるほど、案としては悪くないけど、それって金山が強い敵と戦いたいだけじゃない?」


「まあ、そうだけど、な、いいだろ」


「まあ、でも、白木さんと羽川さんいるし、最悪死んでも生き返らせればいいし、大丈夫かな?どう、この案に反対な人はいる?」


「ないでござる」「特には」「ない」「どんな怪我でも直してみせるよ」


「よさそうだね、よし、それじゃあ、今回の学園祭Sクラスの出し物はお化け屋敷と戦闘劇に決まりました」


 パチパチパチパチ

 一応皆拍手してくれる、すこし嬉しかった。


「それじゃあ、係決めをするよ、まあ、といっても大まかに俺のほうですでに決まってるのだが、どうしても嫌だったら言ってくれ」


「まず、お化け屋敷の備品係として石嶋、お化け役として俺の眷属、戦闘回復係として白木さん、羽川さん、受付として俺の眷属である闇助とダースカルム、それと十川さんと月影さん、戦闘劇のほうはやられ役は俺の眷属、戦闘担当は金山だけにしようと思ったが客が飽きてくる可能性も考慮して、俺と鉄志と勇気にも戦闘劇をやってもらう、受付と回復担当はお化け屋敷の方と同じで、まあ、こんなところかな、異議のある人はいる?」


「ないでござる」「私もない」「勇気君の戦闘劇が見られるのは嬉しいから大賛成だよ」「あ~、白木抜け駆けはずるい、俺も勇気の戦闘劇楽しみだぜ」「私も楽しみですわ」「俺の戦う時間が減るのが少し気に食わないが、まあ、許そう」「備品係か、僕頑張るよ」


「うん、良さげかな。よし、それじゃあ、Sクラス頑張るぞ~~~」


「「「オ~~~~~」」」


 ―――――――――――――――――――


 一応作者としてはこの学園祭がとんでもない試練のつもりです、こっからいろいろ問題が起きて、問題起こして、いろいろ起こってかなりハチャメチャな学園祭をやるつもりです。

 一部先生の胃に穴開くレベルで。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。

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