第55話・勇者君を触手プレイ

「この化け物め、これでもくらえ、我が手に降臨せよ、聖剣エクスカリ・・・オエ」


 俺は一切空気を読まずに腹パンをぶちかました。


「勇気様」「勇気」「勇気君」


 勇気ハーレムの声が聞こえる。そうすると、まるで物語のように光を放ちながら勇気が立ち上がった。


「俺はそんな不意打ちには負けない、さあ、覚悟しr」


ドン


 思いっ切り蹴りあげて勇気君が天井に激突して、ぶっ倒れる。いやコイツ隙だらけにも程があるだろ、何故喋る。馬鹿なのかな。


「勇気君、大丈夫、今再生させるから」


 勇気ハーレムの一人であり、俺が前攫われているのを助けた白木さんが駆け寄り再生魔法を施す。


「ありがとう白木、もう大丈夫だ見ていろ、今この化け物を倒してやるからな」


 身体の傷が再生するとすぐにそんな馬鹿なことを抜かし始める。


「いや、諦めろよ。お前じゃあ逆立ちしたって俺に勝てないぞ、それとも、まだ戦うってんなら本気で殺すぞ」


 俺はかなりの闇の魔力と殺気を込めて威圧をする。


「何て禍々しい力だ、でも、俺はそんなものには屈しない、お前を必ず成敗してやる」


 そう言ってどこから取り出した剣多分聖剣エクスカリバーを持って俺に斬りかかって来たと思ったら、いきなり白木さんが俺と勇気さんの前に立ちふさがった。


「止めて勇気君、多分勇気君じゃあ彼には倒せない。それに彼は確かにかなりの闇の魔力を持っているけど心は汚れていないから、多分いい人だよ」


 多分いい人って、微妙に失礼な。まあ、いいんだけど。しかし、どうするか、何か白木さんが出たとたん急に弱い者いじめしてるみたいで戦うのが嫌になってきたわ。

 でも、コイツをこのままのさばれせてもめんどくさいんだよな。多分半永久的に絡まれ続けるだろうし。・・・よし、決めたトラウマでも植えて消させて2度と俺に逆らえないようにしますか。

 丁度前とあるゲームやりながら思いつき試したみたくなった魔法もあったし。


「闇魔法・闇触手」


 うねうねうねうねうねうね


 紫色の触手が大量に表れて勇気を縛り上げる。

この魔法はその名前の通り闇で触手を創り出し自由自在に操る魔法。

 そんでその魔法を使ってすることは一つ、触手プレイだ。


「あ、ちょ、ま」


 喋らせないように口の中に触手をぶち込ませる。

 そして始まる触手プレイ。

 いや、あれだな、イケメンの触手プレイ。腐っている方々ならばともかく見てて苦痛でしかないな。


「勇気君、なんて素敵な姿」


 白木さんが小さな声でそう呟いた。まさか白木さん腐っておりましたか。ちょっと驚きやわ。うん、でも、このまま触手プレイを続ければプライドはズタボロでもう俺にちょっかいはかけてこないだろ。よし、頑張るか。


「火炎魔法・火炎放射」


「闇魔法・闇盾」


ハーレムメンバーの一人がいきなり火炎放射をぶっ放す。まあ、闇盾で余裕ガードやけど。


「な、私の火炎放射が」


「いや、邪魔しないでくれよな、流石に女の子に手を上げるほど落ちぶれてないから。コイツの心がへし折れるまで触手プレイするだけだし、多分後10分ぐらいで終わるから」


「いや、良いわけないでしょ、今すぐ勇気君を放しなさい。火炎魔法・火炎地獄」


「破壊魔法・魔法破壊」


「え、私の魔法が、この化け物め」


「めっちゃ、俺罵られるやん、辛いわ、悲しいわ、大体最初に手を出したのは向こうだよ、俺は被害者だって」


 俺がそんな事を言っていると。いきなり後ろから


 バシ


 という大きな音が聞こえたので不思議に思いながら後ろを振り向くと。


「それは卑怯でござるよ、優香殿」


 そう言って、鉄志が女の子の持っている武器を素手で掴んでいた。怪我は一切してない模様。


「鉄志何故邪魔をする」


「そりゃ、後ろから隠密スキルで首を掻っ切るのは流石に見過ごせないでござる」


「クソ、離せ鉄志、勇気を今度は俺が助けるんだ」


 勇気のハーレムメンバの一人&俺ッ娘褐色巨乳という、なんともエロい身体つきの女の子女体化のせいで性欲が落ちた俺ですらムラっときそうな感じ子が鉄志に首根っこを掴まれてじたばたしている。何か余計に勇気に腹が立ってきた。


「闇魔法・闇触手」


 勇気に対して更に触手を増やして心をへし折りに行く。


10分後


 うるさいハーレムメンバー黙らせつつ、(普通に魔法破壊と闇盾だけだから触手プレイはしてないから安心してくれ)触手プレイをすること10分、勇気の目から生気が消えて絶望に落ちた真っ暗な目をし、白木さんは完璧に腐の道に行き。残りの2人が必死に勇気を励ましていると。

 愉快、愉快、中々気分がいいものだわ。


「流石、泰斗殿でござるな、あそこまで完璧に心を潰すとは」


「まあなって、ん、鉄志お前の隣にいるというか腕に絡みついている可愛い女の子誰?」


「あ~~~、彼女は拙者の婚約者でござる」


・・・・・・・・・


「待て待て待て、その銀髪小柄の美少女がお前の婚約者だと」


「そうでござるよ」


「え、何お家同士で決めた結婚とか」


「いや、普通にダンジョンで出会って、そのまま恋愛結婚でござる、あ、因みに紗江はSクラスに転入したことになったから、よろしくでござる」


「あのう、よろしくお願いします」


 そう、鉄志の婚約者もとい紗江さんが小さな声可愛い声で俺によろしくと言ってくる。

 つ~か、待て、一人抜けて転校生が来るって言ってたけどまさかのこの娘。

【あのう、ご主人様一応のご報告をさせてもらってもよろしいでしょうか】

いきなり、頭の中で死霊虫が語り掛けて来る。

【どうした、死霊虫】

【鉄志と紗江は一応もう行くところまで行っています】


・・・・・・


【あ因みに勇気とハーレムメンバーも全員行くところまで行ってますよ】


そっか、そっか、そっか。


「鉄志すまん、少し外の風にあたって来る」


 俺は一人外にある誰も来なさそうな校舎裏でひっそり泣いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る