第54話・学校の建て直しをすることになりました

 今回俺の故郷で起こった魔物暴走はかなりの規模であったにも関わらず死亡者は勇敢にも魔物暴走に立ち向かった探索者が8人という驚異的なまでに少ない人数となった。


 更に裏ダンジョン連合と呼ばれる人の力により完全に破壊されていた街が元の形に戻っており。

 実質的被害はほとんどなかった。このことは岡山の奇跡と呼ばれ後世に語り継がれることとなる。

 しかしながら不思議なことにこの事件を解決した人が名乗り出ず。

 また裏ダンジョン連合及び自衛隊も誰かは教えられないと黙秘したため、この事件を解決した人を謎の英雄と呼び世間では褒めたたえられた。


 ――――――――――

 俺は久しぶりに自分の家で家族と楽しく過ごしていた時だった。

 いきなり電話がかかってきて裏ダンジョン連合の人に自衛隊の件の謝罪と俺が街を建て直したのを知って前魔物暴走によって壊れてしまった学園の建て直しを頼まれました。


 特に断る理由もなかったし。新幹線に乗って学園まで行き、事情話して人払いをしてもらったと後に【千鬼死霊大行進】で1時間ほどで直しました。

 いや、正確に言えば更に強度を上げて、建物の数も増やしてそう簡単に魔物に破壊されないように凄い建物に直したわけだけど。まあ、俺は何一つやってないんだけどね、全部眷族任せでポイしてるんだけど。

 ほんで、まあ終わったら裏ダンジョン連合の人にかなり感謝されて、10億円貰えました。


 ・・・・・・


 10億円貰えました。

 待って10億円だよ。かなりの大金だよ。凄くない。10億円だよ。

 俺1時間だけ眷族を出しただけだよ、何なら俺何もやってないよ。眷族達頑張っているな~と思いながらラノベ読んでただけだよ。

 凄くない。いやマジで凄くない。まあ、10億円あって何に使うんだよって話なんだけど。家とかマンションとか買うか。それとも株式投資でも初めて見るか。いや、まあ、どれも俺には向いてなさそうだし。貯金でいっか。いつか何かあった時に使えるだろ、お金は腐るもんじゃないし。

 そう、自分の中で結論付けて帰ろうとした時だった。


「泰斗よ、頼まれた物用意しといたぞ」


 いきなり裏ダンジョン連合のお爺さんに話しかけられた。え、頼まれた物って、俺何か頼み事してたっけ。


「なんじゃ、自分が頼んだ物忘れたのか」

 やべ、ばれてる。まあ正直に言いますか。


「はい、すみません、忘れてしまいました」


「全くしょうがないのう、ほれ、これじゃよ、これ、お主の眷族の戸籍じゃ、取り敢えず闇助とやらの戸籍を用意しといたぞ」


「あ~あ、思い出しました。ありがとうございます」


「ほっほっほ、まあ人間忘れる生き物じゃ、気にすることはない、それと、今回の学校建て直しは本当にありがたい、裏ダンジョン連合いやダンジョン連合としてはかなり恩が出来てしまった。他に欲しいものや頼みたいことがあれば、遠慮せずに言うのじゃよ」


「分かりました、ありがとうございます」

 そう言って家に帰ろうとしたとき。


「あっと、忘れるところじゃった、Sクラスに新しく転校生が一人入るから、資料は用意するの忘れとったから鉄志にでも聞いとくれ、ほな、儂はこれから会議かあるのでな戻らせてもらうのじゃ、空間魔法・空間転移」


「あ、えっちょっと、何新しい転校生って何、あ、転移された」


しかも、今から会議って言ってたし電話は無理そうだな。うん、よし、学校始まってからでいいや。別に今すぐにその転校生の正体が知りたいわけじゃないし」


そして、俺は新幹線に乗って家に帰った。


 ――――――――――


 俺が学校の建て直しをしたため学校再開は大幅に早まり1週間後となった。

 その間俺は自分を鍛えるのではなく、家族とのんびり過ごした。

 そりゃ、まあ自分を鍛えようかとも思ったが、そんなことよりも家族と過ごす時間の方が大切だと思ったからだ。学校に通い始めたら家族と会える時間も減るって、いや、別に飛行使うなり、死霊魔法・死霊転移するなりすればいつでも会えるんだけど。うん、そういう屁理屈みたいなことは考えないようにしよう。よし、今を楽しもっと。


 1週間後


 久しぶりに家族で旅行したり、家でグータラ漫画読んだり、ゲームしたり、温泉行ったりとまったり楽しく過ごしました。

 運のいいことに魔物暴走が起こったので復興は完了しているが精神ケアや魔物が本当にもういないのかなどの関係で妹の学校が1週間休みになったのもあり久しぶりに家族団らんを過ごせて良かったです。

 やっぱり家族は良いものだな。本当に魔物に殺されたんじゃないかって思ったあの時はヤバかった。あのまま八つ当たりでダンジョンを破壊しまくるだけの復讐者になってたかもしれない。そう考えるとゾッとする。

 てなわけで、家族の周りに死霊虫と魔力と魔石をふんだんに使って陰に潜む闇系統の魔物ナイトストーカーを作って護衛させときました。これで余程なことがない限りは大丈夫やろ。


 ――――――――――


 学校が再開した。といっても生徒の何割かはもっと休みになると思っていたため不満をたれ流したり魔物暴走の件で辞めた人やトラウマ抱えた人もかなりいるために生徒の半分が休みというかなり凄いことになった。まあ、我が同志鉄志は普通に来ているけど。

 ほんで、まあ、久しぶりに鉄志と楽しく話していたら。


「お前はあの時の化け物じゃないか、よくもあの時はやってくれたな、この俺が成敗してやる」


「キャー、流石勇気様カッコイイ」

「あの時って、あの人が勇気が言っていた、残酷で残忍な化け物」

「確かに恐ろしいまでの闇の力を感じるわ、私でも浄化できる気が一切しない、なんて闇の力」


 うん、クソめんどくさいのに絡まれました。

 いや、マジでもうコイツ腹立つし殺していいかな。


――――――――――

ナイトストーカー

 陰に潜み敵を殺す闇系統の魔物。通常個体の能力は陰に潜むことと、そこからの奇襲が主であり、太陽の光や聖魔法に当てられると簡単に浄化される。ぶっちゃけ弱い。

 ただ主人公が創ったナイトストーカーは通常の1000倍位以上の魔力を持ち太陽の光に浴びても平気&聖魔法もある程度ならば無効化できるという半端じゃないくらい強い。

 陰から陰に自由に瞬間移動が出来、その豊富な魔力で様々な魔法を放つ、倒すのが非常に困難な恐ろしく強い魔物。しかも質の悪いことに主人公のスキル【支配者】により全能力が倍になっている。

 ぶっちゃけチート、チート、ダンジョンに出てきたら死を覚悟するレベルに強く仕上がっている。

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