第53話・自衛隊と交渉したかったけど戦闘になってしまった

 ヤバいぞ、自衛隊が来てしまった。取り敢えず一旦逃げよう。というか逃げる以外に選択肢無いだろ。


「死霊魔法・死霊転移・闇助」


 俺は取り敢えず逃げるために闇カスダンジョンまで向かったのだが、まあ、うん、あれだな盛大に失敗した。

 闇カスダンジョンに自衛隊の方が30人も集まって攻めてきてらっしゃる。

 でも考えてみれば当たり前だな向こうは魔物暴走を止めに来たんだ。そりゃ、その原因になりそうな。ダンジョンは潰すわな。それはいるわな。


 しかし、どうするか、無慈悲にも俺の眷族たちがバッタバッタと死んでいく。


 どうする、もう一回死霊転移で逃げるか?それとも私は無実ですって交渉するか。もしくはこのまま戦うか。流石に戦うは無しだな。でも、交渉する価値はあると思う。自衛隊だって人間だ。誠心誠意もって私は無実ですって交渉すれば。多分「そうでしたか、申し訳ございません」とかなって何とかなるやろ。うんその可能性にかけてみよう。


「すみません、自衛隊の皆さん、わ」


 俺が自衛隊の前に出て交渉しようとしたら。


「見つけたぞ、化け物め、そのおぞましい魔力お前が今回の事件の黒幕だな。皆、対魔王戦で行くぞ」


 そう隊長ぽい人が言うと俺を自衛隊の人が10人で一定の間隔大体3メートルを開けて囲ってきた。ありゃ雲いきが怪しくなってきたぞ。


「え、ちょっと、たんま」


「魔法射撃用意、撃て」


 10人から一斉に高威力の魔法攻撃が浴びせられる。


「闇魔法・闇盾」


 急いで盾を闇で作り出してなんとかガードしてほっと一息する暇もなく。


「二発目は光魔法だ、さあ、用意、撃て」


 急いで闇魔法・闇盾でガードするも簡単に破られて。レーザー光線のような光が俺の身体を焼く。


 いや、痛い、くそ痛い、肉が肉が焼ける。

 こういうの何か多くない。勘違いで殺されかけるの多くない。

 しょうがない、戦うか、もうこういう時は基本何言ったて無駄だ。力を見せつけてからの交渉だな。


「我が闇カスダンジョンにいる眷族たちよ。この場に集まって自衛隊の足止めをしろ」


 俺がそう言った瞬間このダンジョンにいる眷族たちが音を立ててこちらに向かってくる。


「やはり、お前がこのおぞましきダンジョンの主であったか。ならば。なんとしてでもお前をこの場で滅ぼさなければならない、陣形変更・個々に好きでやれ」


「サーイエッサー」


 指揮官らしき人がそう言った瞬間何か嫌な予感がして慌てて身体を曲げると同時に俺の左腕が飛びその場に集まっていた眷族たちの半分が爆散した。


「チ、本当は首を貰うつもりだったが左腕だけか、だけど、次は当てる」

 俺の左腕とナイフを持っている20歳後半位の青年。


 何だあれ、姿が見えなかった。早すぎるいや、それとも何らかの魔法かスキルか、分からない。

 でも、取り敢えず周りに闇盾を置いておくか。


「闇魔法・闇盾」


 俺は闇盾を自分の周りにともかくたくさん闇盾を展開させる。


 パキン


 そんな俺の闇盾を割り襲いかかって来るさっき俺の左腕を落とした青年。

 だけど、分かったコイツは透明になれるスキル持ちだ。

 多分透明になって俺に近づいて攻撃しようとしたのか。でも、コイツはアホなことに俺の魔力でできている闇盾を破壊した。つまるところ闇盾の魔力がたっぷりついて場所がもろばれという事だ。


 俺は間抜けにも自分が透明になっているから場所がバレてないと思って俺に近づいている間抜けを蹴った。

 俺が蹴ると透明化が解除される。いきなり蹴られて驚いている間抜けに麻痺毒を当てて麻痺させる。

 更にそこから仲間がやられたことに驚いている自衛隊メンバーのみを狙い一気に駆けて近づき、麻痺毒を順々にくらわしていく。

 更にそれに驚いていた自衛隊もドンドン麻痺毒で麻痺させていく。

 やっぱり動揺した人間は隙が出来てやりやすいな。


 そして。残った自衛隊は8人。でも、ここからが大変だ仲間が麻痺しても顔色一つ変えずに、俺の眷族を処理し続けた。化け物じみた強さと心を持つ相手。


「ダンジョンの主よ、何の目的があってこんなことをする」


 自衛隊の隊長っぽい人が俺に少し怯えながら堂々とそう言ってくる。そんなこと言われても俺は別に悪いことしてないし。信じてもらえるかは分からないが正直に言いますか。


「いや、あの、目的はないです。というか別に俺は魔物暴走を起こした悪しき者じゃないです。どちらかというと止めた方です」


「へ」


 間抜けな声を出す隊長さん。


 ほんで事情を説明すること10分。


 土下座されました。

 まあ、当たり前だと思う。そりゃ完全にあんたらの勘違いで俺を殺そうと襲いかかって。左腕を切り落しているからな。まあ、もう生えているんだけど。


「いや、顔を上げてくださいよ、別にそこまで怒ってはいません。よくあることですし、その代わり今回の事は大きな貸しですよ」


 俺の言葉に隊長さんが涙を流しながら喜んでくれる。


「ありがとうございます」


 その後は自衛隊の人とお別れしようとした時に思う。そういえば俺が直させた街の説明どうしようって。

 なので、自衛隊の人に貴方たちが街を直したという事にしてくださいと頼んだら。

 断られた。流石にそんなことは自分たちが出来ないから無理だって。 


 それなら裏ダンジョン連合の人が直したという設定にすればいいと考えた。

 まあ俺は裏ダンジョン連合の人なんだし嘘ではない。一応電話で聞いたらそれでいいよと言われたので、そうすることにした。


 今回は思ったよりもスムーズに事が運んだ。街のことも解決したし。人死にはほとんど出ていないし、街は元通りになっているし。魔物暴走が起こったとは思えないぐらいだな。自分で言うのもアレだが俺超凄いな、まあ、俺は家族を守りたくてやったことだけどな、さてと家族の元に戻りますか。

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