第46話・漆黒竜との死闘

「さあ、来い。漆黒竜よ、虹鬼化発動」


 相手は格上だ。やるならば短期決戦で首を斬る。

 俺は1日前に手に入れた【融合剣】という素材と融合させることにより、その素材を完璧に生かした剣を作り出す剣に俺の虹骨を融合させて作った剣【虹骨剣】を持ち首元狙って斬りかかった。(悲しいことに虹骨剣は一本しかない為今は主人公一刀流です)


 キーン


 攻撃はあたったが想像以上首の鱗が硬かった。

 虹骨剣は幸い折れてはないがあまり無茶をすると折れる。かといって無茶しないと攻撃が通りそうにない。

 じゃあ、首を狙うのはなしだ。柔らかそうな翼の付け根から切って機動力を奪うか。


「GYAAA、ゴウAAA」


 ブレス攻撃だ。ヤバい、避けないと、いや、俺は今虹鬼化中だぞ。それにスキル吸収も持っている、ブレス攻撃を吸収出来るんじゃないか。

 俺はそう考えると腕を前にして吸収しようとしたが・・・焼けた。

 痛い、痛い、痛い、死ぬ死ぬ死ぬ、しまった特殊スキル持ちだ。スキル吸収が効かない。

 再生よりもブレス攻撃で焼かれる方が早いこのままだったら確実に死ぬ。


「死んでたまるか~~~」


 俺は叫びながら闇空間にあるドロップ品の盾を使ってガードしようとしたが一瞬で溶けた。

 だから何枚も何枚も盾を出した。

 盾が溶けるスピードよりも速く盾を出していく。

 闇空間にある盾を全て出し切り無事な盾はたったの2枚というところでブレスは止んだ。


 俺はそれに安心した瞬間。

 目の前に爪があった。

 真っ黒で鋭敏で恐ろしい俺の命を刈り取る爪が。

 慌てて盾でガードするも盾は紙のように切り裂かれる。だけど衝撃は少し緩和できた。おかげで両腕は抉られてしまったが身体は無事だ。身体が無事ならばすぐに再生する。

 でも、ヤバいな。このままでは俺はこいつに勝てる未来が見えない。

 少なくとも一人ではな。


「千鬼死霊大行進発動、命令だ、俺を守りながら目の前にいる漆黒竜を打ち倒せ」


「分かりました、主様」


 かなり広かったボス部屋に所狭しと鬼と死霊が現れる。

 これだけ集まれば倒せなくとも時間稼ぎにはなる。それに、特殊なスキルを持っていないから吸収の効果が使える。つまりどうするのかって、こういうことだよ。


「命令だ、攻撃力の高い鬼、死霊よ俺を攻撃しろ」


「分かりました、主様」


 俺を数体の鬼と数十体の死霊が攻撃してくる。

 それによって攻撃が蓄積されていく。

 理想は俺の蓄積限界まで溜めることだ。それだけあれば流石に勝てるだろ。


 10分後


「蓄積限界まで溜まった」


「命令だ、漆黒竜の首を無防備にさせろ」


 俺はそう命令を下すと同時に身体中の魔力を爆発的に高め、腕に集中させる。そして、一気に首元まで飛び放つ。


「闇魔法・闇再生斬り・全放出」


 俺の全てを出し切った渾身の一撃は漆黒竜の首に確かに刺さったが、長さが足りない、確かに完全に深々と刺さりはしたが、貫通するまではいかず重要な器官に届いていない。

 そう思ったその時、いきなり漆黒竜の身体から靄があふれ出し、鱗が逆立ち、一回り大きくなった。


「第二形態か」


「GYAAAAAA」


 漆黒竜第二形態が吠えただけで足止めやらで減っていたとはいえ、俺の眷属?の8割が吹っ飛び消えた。

 勝ったことを確信したのかゆっくりと羽ばたき俺に近づいてくる漆黒竜第二形態、まるで、その姿は強者のいや支配者の余裕と言わんばかりの顔だ。


 絶体絶命、逆転不可能に見えるが俺は勝ち筋を見出した。それも明確な勝ち筋を。


 まだ、漆黒竜第二形態の首には剣が刺さっている。

 俺の骨からできている剣が刺さっている。

 つまり、遠隔で刺さっている剣から魔法が放てるということだ。

 放つ魔法は腐敗魔法、消滅魔法、毒魔法、色々選択しはあるけれど、どれも耐性があるかもしれない、防がれたら終わりだ、だから、耐性もくそもない物理で攻めればいい。


「闇魔法・闇空間・がれき・全放出」


 グチュグチュグチュグチュグチュグチュ


 漆黒竜第二形態の首に刺さった剣からがれきの山が出て来る。

 がれきの山はもちろん剣を倒して漆黒竜第二形態の体内に入る。それも大量に。つまり自分の質量を超える物資が体の中に入るということだ。

 そんなことしたら起こることは一つ。


 パン


 漆黒竜第二形態はがれきの山に体が耐え切れずはじけ飛びドロップ品となった。


「虹鬼化解除、ふ~~~、勝った~~~、俺は勝ったぞ~~~」


 喜びの余り叫んだ、本気で叫んだ。

 今回は本気でヤバかった、特にブレス、あれは一歩間違えれば死んでいた。

 剣が首に刺さらなければ終わっていた。何らかの拍子で剣が抜けても終わっていた。

 多分剣は漆黒竜の第二形態変化により身体が一回り大きくなった拍子に食い込んだことによって抜けなくなったんだろうな。

 そう、考えると本当に綱渡りのような勝負だった。

 でも、ちょっと楽しかったな、それに勝った時の快感が半端じゃないわ。

 また、やってもいいかもしれないな。


 まあいい、そんな事よりもお楽しみの、ドロップ品の確認だ。イエ~イ。


 漆黒竜のドロップ品

 禍々しい角1本

 禍々しい爪3本

 禍々しい牙5本

 禍々しい骨が10本

 禍々しい鱗20枚

 真っ黒色の禍々しい肉が多分100㎏ほど

 真っ黒に禍々しいスキルの書が3つ


「うわ、どれも、超良さげだな、見るからに大当たりだろ、早速スキルの書を使っていきますか」


 特殊スキル【漆黒竜降臨】を獲得しました。


「は、漆黒竜降臨ってあの漆黒竜を召喚するのか、取り敢えず鑑定だ鑑定」


 特殊スキル【漆黒竜降臨】

 漆黒竜を降臨させて使役する。

 降臨させた漆黒竜は1時間立つと消えてしまうが絶対服従であり、たとえ死んでも再使用時間24時間を過ぎて再召喚すれば復活する。


「ハハハハハハ、待て、待て、待て、とんでもないチートスキルじゃないか。俺があれだけ苦労して倒した漆黒竜を使役するだって。しかも、1時間もの長時間?死んでも復活する化け物をか?ハハハ、ヤバい嬉しすぎて笑いが止まらない、これは、次のスキルの書も期待できるな」


 特殊スキル【竜の力】を・・・特殊スキル【虹骨】と反応しました。

 特殊スキル【虹竜の力】を獲得しました。


「虹竜の力ってまあ、何となく効果は予想できるが、一応鑑定」


 特殊スキル【虹竜の力】

 虹竜の力をその身に宿す。

 それにより再生力と身体能力と魔力の大幅な上昇。

 特殊スキルを除く攻撃の吸収と蓄積にそれらを循環させて新しい攻撃に作り替えての放出が出来るようになる。一定値以上の攻撃の蓄積が出来た場合【虹竜化】が発動できる。

【虹竜化】が発動すると今まで受けていた傷の全回復に魔力の全回復、ありとあらゆる能力が3倍にまで上昇し巨大な虹竜になれる。3分立つと自動的に元に戻る。


「とんでもないな、いや~、あれだけ倒すのに苦労しただけあってスキルはどれも一級品だな、これは最後のも期待できるかな」


 特殊スキル【支配者】を獲得しました。


「これは、また、凄そうなものを獲得したな、鑑定」


 特殊スキル【支配者】

 汝は支配・る者・あ・汝の支・化にある・全能力・2・に上・す・汝・支配・・力におい・下の能力・効かぬ


「表記が幾つか見えないだと。いや、でも、何となくだが効果は分かった。多分俺の眷族の全能力2倍と俺の持っているスキル吸収やら、最強の能力として知られる無効化やらのスキルの完全無効化だな。ハハハこれは、また、とんでもないスキルだな。特に眷族の全能力2倍とか笑えない位強いな」


 ふと、とある事を思う。


「これって俺の漆黒竜にも当てはまるだろ?そしたら、あの化け物が2倍の強さを持つということだよな?ハハハハハハ、とんでもない、しかし、大分強くなったな。でもまだまだ足りない、もっともっと強くならなきゃ、その為には武器だ、俺の力にもう装備が耐え切れなくなっている。幸いその素材ならば今しがた手に入れた漆黒竜の素材を持っている。また、ここで融合剣を探しても良いが、違う、これを武器防具中山製作所社長・中山さんに託そう。中山さんならばきっと最強の武器を作ってくれるだろう」


 俺は中山さんに電話を掛けるために死霊転移で闇助の所まで転移して、地上に出た時目に入った光景は魔物が跋扈し荒らされた、街だった。


「まさか、まさか、まさか、魔物暴走・・・・・・」


 ――――――――――

 次回

 悪夢のような魔物暴走

 絶対に見てくれよな


 ――――――――――


 スキル

 闇魔法3822 身体強化2781 精神強化9626 骨強化2401 魔力強化2901 骨太1777 打撃耐性761 状態異常耐性813 骨再生1014 再生983 腐敗魔法872 肉体強化1045 奇声1783 腐敗耐性1034 肉体再生391 異臭耐性432 美肉体133 美骨格144 腐敗強化571 死霊魔法648 精神魔法644 毒魔法732 異形化192 指揮73 魔法耐性311 飛行621 吐息200 二刀流極1 皮膚硬化372 物理攻撃耐性572 暗黒魔法349 騎乗271 眷族強化332 呪魔法381 悪魔法399 死魔法371 魔法強化462 戦闘狂94 超精神強化21 消滅魔法12 崩壊魔法8 反転・性別・属性1 超鑑定1 超神秘魔法1 超光魔法1 極天使降臨1 毒強化12 毒耐性6 破壊魔法17 破壊強化7 破壊耐性7 吸収3 放出5 蓄積7 極剛腕1 


 特殊スキル

【虹骨】

【虹鬼の身体】

【千鬼死霊大行進】


 NEW

【漆黒竜降臨】

【虹竜の力】

【支配者】


 ――――――――――

 主人公の知らない小話

 スキルの書辺

 スキルの書はボスによってはとある条件をクリアすると獲得できるスキルの書があります。

 今回の場合はこんな感じです。


【漆黒竜降臨】

 漆黒竜を倒した者が様々な眷族を従える種族である。


【竜の力】

 漆黒竜を倒した者が竜の力に耐えられるだけの器を持っている。


【支配者】

 漆黒竜を自分と自分の眷族だけで討伐する。


 ――――――――――

 更に小話

 主人公は最初は一人で漆黒竜を倒そうとしていましたが流石に無理だと思い眷族と一緒に倒しました。

 もし、一人で倒していたらソロ討伐報酬で【漆黒竜の力】というスキルを獲得していました。

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