第47話・悪夢のような魔物暴走
「魔物暴走が起こっている」
俺はそうつぶやくと同時に急いで自分の家まで飛んだ。
・・・・・・
そこには魔物に壊された家の残骸があった。
それだけだった、父親も母親も妹もいない。
そして、俺の家を踏み壊している魔物が俺を見つけてニヤリと笑った。
プチン
俺の中の何かが切れた。
「あああああああああ」
俺は叫びながら、目の前にいる魔物を斬り殺した。
そしてすぐさま近くにいた魔物を斬る。
斬る。斬る。斬る。斬る。斬る。斬る。俺がもっと速く駆け付けていれば、俺がもっと早くダンジョンを攻略していたら、俺がダンジョンにいかずに家に居たら。俺が学園に行ってなく闇カスダンジョンに潜る日々を続けていたら。
俺は自分の中でタラレバを繰り返しながら、魔物を斬っていく。ひたすらに斬って斬って斬って狂うように斬って斬って斬り殺してく。
そして、気が付くと魔物暴走の原因であるダンジョンの目の前にいた。
「この、くそダンジョンめ、お前のせいで、お前のせいで、ぶっ壊してやる」
俺は明確な殺意を持ちダンジョンに入ると目の前に人の死体を喰らおうとしている魔物達がいた。
俺はその魔物達の首を一瞬ではねると人の死体のそばによる。
その死体は前にダンジョン連合で加藤教官に剣を教わった時に一緒にいた葵さんのだった。
損傷は幸いほとんどない。これなら強くなった今の俺の死霊魔法で多分完璧に蘇らせることが出来るレベルだ。
でも、そんなことしていいのだろうか、葵さんは完全に死んでいる。死者を蘇らせるなんて禁忌もいいとこだ、本人は望まない可能性だってある。
でも、俺は蘇らせると決めた。多分俺はこのまま彼を見捨てたら一生後悔いや悩み続けるだろう。それなら蘇らせてから死にたいといったら死なせてあげよう。
「死霊魔法・死者蘇生」
「あれ、生きている、良かった、生きている、生きてる」
死者蘇生は当たり前だけど完璧に成功した。
多分ご飯を食べることも、眠ることも、子供を作ることだって出来るだろう。
それに死者蘇生した影響で強制的に俺の眷族になるから様々な闇系統魔法を使えるようになる&全能力が2倍になるからなかなり強くなっていると思う。
「あれ、貴方は確か泰斗君どうしてこんな危ないところに」
危ないところか、確かにその通りだな。まあ、俺にとっては危なくはないんだが。
それよりもどうするか、俺は彼に一回死んで蘇らせたことを伝えるか。
よし、悩むが伝えよう。彼が一体どういう反応するかは分からないが、勝手に生き返らせたのだから伝えるのが筋だと思ったからだ。
「落ち着いて聞いてくれ、葵さんは一度死んでいたところを俺が蘇らせたんだ」
「そっか、やっぱり、僕一回死んでいたんだ、ハハハ流石にあの危機的状況で生きているわけないもんね。でも、僕は今生きている、泰斗君のおかげで、泰斗君生き返らせてくれてありがとう」
そういって、葵さんは僕に笑いかけた。
その笑顔を見た時にやっぱり俺の中にどす黒くあったダンジョンに対する殺意がかなり消えた。
流石に今回の魔物暴走によって起こった被害を割り切れるわけではないしダンジョンを壊すことには変わりないが、俺の救える範囲内の命は救おうと思った。
多分この考えは正義感とかではなく、たんなる自己満足だ。でも、それでいい。それがいい。それが楽だ。
「葵さん、俺は今からこのダンジョンの魔物を皆殺しにしてくるよ。地上にいる魔物はあらかた殺したし早く避難して」
俺はそれだけ言うと返事も聞かずにダンジョンの奥に進んだ。
自己満足と復讐のためそして戦いという欲求のために、魔物を斬り殺し斬り殺し、目についた死んだ人を死霊魔法・死者蘇生で生き返らせいく。
生き返らせた人は基本は生き返らせた後はそのまま無視で奥へ奥へ進んでいく。(主人公が魔物を皆殺しにしているので安全に地上に出れます)
――――――――――
そんな時だった奇妙な死体を見つけた。
右腕に剣が生えているような感じで食い込み肩まで紫色になっている死体を。俺はその死体に食い込んでいる剣に見覚えがあった、だけど、思い出せない。
まあ、いっか、思い出せそうないなら無理に思い出さなくても。
そんな事より早く蘇生しよう。
「死霊魔法・死者蘇生」
蘇らした彼は異形の形をしていた腕にまで食い込んでいた剣が完全に同化していて右腕が無くなって剣になっている。身体も薄い紫色に変わっているし。
ぶっちゃけ気持ち悪い。幸いまだ目は覚めてないし。俺知らない、蘇らせたしそれでいいだろ、さあ、先に進みますか。
――――――――――
1時間後
道中人を蘇らせていたため少々時間がかかってしまったが、ダンジョンの最奥についた。
「よくぞ、ここまでたどり着いたな人間よ」
魔族が現れた。
それも完璧なる意思を持った俺が前学園のダンジョンで戦ったレベルの魔族が。
「一つ聞いておこう、魔族、お前がこのスタンピートを起こしたのか」
「ハハハハハハ、何を言うかと思えば当たり前ではないか」
「そっか、お前が、お前が俺の家族を殺し街をメチャクチャにした元凶か、ただで死ねると思うなよ」
ふつふつと湧き上がる怒りと殺意を込めて、俺はそう叫んだ。
絶対にタダでは殺さない、地獄を味合わせて殺してやる。
「ハハハハハハ、人間ごときが吾輩を殺せるわけがないだろ」
「闇魔法・闇再生斬り」
魔族の右腕を切り落した。
「腕が、吾輩の腕が、よくも、よくも殺してやる、暴風魔法・爆風千刃」
風によって出来た千の刃が俺目掛けて襲いかかって来る。
「吸収・発動」
全てを吸収する。
「は、ありえない、全てを吸収しただと、そんな化け物じみた芸当簡単に出来るわけがない」
「放出」
俺は吸収した攻撃に闇の魔力を込めつつ魔族の心臓部以外に攻撃を放った。
魔族の身体はズタボロ心臓部が無事なためにかろうじで生きてはいるがもう動けないだろう。
「さあて、魔族よ、お前には魔法の実験台になってもらうとしよう、幸い俺は反転を使えば回復魔法を使えるからな、生きたことを後悔させてやる」
呪魔法、毒魔法、腐敗魔法、破壊魔法、精神魔法、闇魔法、死霊魔法、・・・自分で言うのもあれだが俺はかなりの魔法を持っているが完璧に使いこなしてはいない、そもそも魔法の使い手が少ないから分かっている魔法が少ないのだ。
だから、魔法を使いこなすために実験だ。俺がより強くなるために、そして、復讐のために。
1時間後
俺の思いつく限りの魔法を魔族に試した。
今では自分からか細い声で殺してくれ~と叫ぶだけの哀れな肉片になった。このままとどめを刺そうとした時だった。
「これは一体どういう状況だ」
探索者と出くわした。
――――――――――
次回
「外伝・身体の一部を呪いの剣に持ってかれた男」
――――――――――
めんどくさいのでネタバレしますが主人公の家族は生きています。
というか、皆ダンジョン連合の地下シェルターに避難しているので無事ですよ。
それと、魔族が主人公のことを人間と言っていますが、魔族や魔物達は人間が進化して種族英雄や鬼や死霊王などなどになっても。元が人間であるため人間と言います。
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