第45話・主人公をこっからドンドン強くしていくよ パート4

 超巨大鬼との戦闘の後逃げるように隣の街に行きそこから電車に乗って1時間(その間は少し仮眠をとっていた)3つ目のダンジョンに向かった。


 3つ目のダンジョンはかなり難易度が高く道も複雑らしいので一応近くのスーパーで大量の食品を買い込み時間という概念のない闇空間にポイっとした後、早速入った。

 で、まあ想像以上に敵が強かった。


 ただのスケルトンかと思ったら。剣の達人だったり。ただのゾンビだと思ったら闇魔法を恐ろしいぐらい使いこなしていたり。どれもこれも一撃では死なず。何回も何回も攻撃してようやく勝てるレベル。それがふざけていることに一度に十体と出る。


 まあ、その分ドロップ品である。魔石は大きいし50%ぐらいの確率でスキルの書を落としてくれるし。カッコ良さげな武器や防具にアイテムをたくさん落としてくれるから。頑張って頑張ってやってたら。迷子になりました。


 敢えてもう一度言おう。迷子になりました。いや、まじで道が全然分からない、一応死霊使って探索させようかとも思ったが敵が強すぎるせいで簡単に殺されてしまう。


 ・・・・・・


 で、今どうしようかと悩んでいるわけだ。

 そもそも今の階層が何階か分からん。このダンジョン意味わからないことに階層ボスが今のところ見つけられないんよ。そのせいで無作為に階段を上ったり下りたり落とし穴に落っこちたりしたから。本気で分からん。


「どうする、どうする、どうする、どうする。ヒャハー」

 ちょっとリズムに乗せて口ずさんで見た。


「いや、止めよう、今はふざけている場合じゃない、あ~あ闇助とかが居れば多分もう少しは楽にって、あ~、そうだ、死霊転移使えば簡単に脱出出来るじゃん。心配する必要なかったじゃん。アホだな~俺、よし、これでいつでも脱出できる手段は出来たし、目いっぱいダンジョン探索しますか」


 ――――――――――

 多分3日位経過した。

 ようやくボス部屋らしき大きな扉の前にたどり着いた。


 それまでひたすら魔物と戦って戦って戦って死ぬほど大変だったけど。実際にスキル再生がなかったら死んでるけど。見る見る内に自分の力が上がっていっていく感覚ははとても楽しかった。


 あれだけてこずったスケルトンの剣術が気が付いたら次何処に攻撃が来るかわかるようになった時の感動は凄かったわ。

 ゾンビの闇魔法も簡単に打ち消せるようになったしな。


 集団で襲いかかってきた敵に対して最初はそこそこダメージをくらっていたが今は一切ダメージを負うことなく倒せるようになってきた。

 自分でも恐ろしいと思う位成長したと思う。


 ただ、一つ不可解なのが一切睡眠取っていないのに平気ということだ。

 3日経過しているのは時計で確認しているし100パーセント正しいはずだ。

 考えてもみろ、普通の人間は3日間も命を懸けた戦いを不眠不休でやるなんて出来ないはずだ。

 なのに俺はできている。ということはやっぱり俺はもう人間を止めていると思うわけだ。


 まあ、常識的に考えて骨が全部虹色で虹鬼の力を身体に宿している俺が人間なわけがないか。

 その事実に対しては別に悪いことではないと思った。

 特に人間を辞めて悲しいとか辛いとかは思わないしな。強くなれるんだったら大歓迎だ。それに不眠不休で活動できるとか得ばっかじゃないか。


「さてと、考え事するのは終わりだ。腹をくくってボス部屋挑戦行きますか」


 俺は重たいドアを開いた。


「GYAAAAAA」


 真っ黒い翼に、大きな図体、びっしり生えた漆黒の鱗に、全てをかみ砕きそうな牙に支配者の眼、そして、この特徴的で大きな鳴き声。更には超絶大英雄純武を除き今まで感じた全ての魔物を超えるとんでもない魔力と重圧。

 何度かドラゴン系統の敵は倒してきたけれど全てが雑魚と言わんばかりの圧倒的な力。


【漆黒竜】が現れた。


 圧倒的格上の敵を前に俺は自分でも気がつかずニヤリと笑っていた。


 ――――――――――

 次回

【漆黒竜】との死闘絶対に見てくれよな。


 ――――――――――

 主人公の種族と設定。

 今のところは主人公の種族は死霊王です。

 まあ多少は変異していますけど。後大分話が進んだあたりで種族を進化させる予定です。

 因みに、主人公は今のところ自分の種族が死霊王って理解していません。


 もしかしたら忘れている読者がいらっしゃるかもしれませんが。

 基本設定で魔物を倒せば倒すほど能力が上昇していきます。

 もちろん強い魔物の方が能力上昇は大きいです。なので、強い魔物だらけのダンジョンで3日間殺し合いを続けた主人公は潜る前よりも全ての能力がかなり上昇しています。

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