第44話・ダンジョン連合第7支部2番隊の話

 ダンジョン連合第7支部2番隊。

 10存在するダンジョン連合支部の7つ目であり、その中でも2番目に偉い部隊。


 在籍メンバーは30人、自慢ではないが裏ダンジョン連合と合同で行った、ダンジョン犯罪グループ壊滅作戦時は3つものダンジョン犯罪グループを潰した。


 ちょっとばかし自信が付きこれからも頑張って上を目指そうとか考えていた。

 そんな俺達はいつもの業務であるダンジョンに問題が起こってないかという確認をしていた。

 その時だった。


 魔道具・危険察知防犯ブザーが今まで聞いたことないほどなったのは。

 俺達は慌てて住民をダンジョン連合の地下シェルターに全員避難させるとともに本部に応援要請をした。

 本部すぐに英雄の一人である古市を派遣するからその援護をしてくれと命令した。

 俺達は英雄古市が来てくれるという安全感とその手伝いが出来ると知って大いに沸いた。

 絶対に英雄古市と共にこの街に訪れる魔物を倒すんだって。


 そしてしばらく待って。

 魔物が現れた。

 いや、違う。鬼が現れた。

 鬼の顔の形をしていたダンジョン付近の地面が盛り上がり。50メートルは超える超巨大な鬼が現れたのだ。

 怖いとか恐ろしいとかそういう感情は抱かなかった。

 抱いた感情はただ一つ逃げなければそれだけだった。

 俺達は皆逃げた。


 ついでに英雄古市も逃げてた。

 あんな化け物勝てるわけがない。もし勝てる人がいるのならばそれは化け物だけだ。


 俺達はダンジョン連合の地下シェルターにこもり、本部に更なる応援要請をしようとした時だった。

 あの超巨大鬼と思われる叫び声が聞こえた。

 誰かが鬼と戦っている。

 でも、誰が・・・分からない。本部に聞いたが知らないと返され。英雄古市は今一緒に地下シェルターに避難している。

 分からない。分からない。分からない。


 それから軽度の揺れと超巨大鬼の叫び声がいくつか響いた後。

 音が止んだ。揺れがなくなった。


 多分決着がついたんだと思う。


 だけど俺にはそれを確認する勇気が無かった。

 そして、ひたすら本部に早く増援を下さいと連絡しただけ。

 俺は臆病者だ。


 そして30分ほど経過したとき。

 本部が寄越した部隊から連絡が来た。


「何も起こってないじゃないか」


 と


「そんなバカな」


 一人大声で叫び。周りから驚かれつつも慌てて部下を連れて様子を確認しに行ったら。

 前見た光景とほぼ全く一緒だった。

 だけど、2つ違うというか違和感を感じる部分があった。

 それは、かなりの数の家が綺麗になっていることと。

 一部の場所がコンクリートから土に変わっていることだ。


 全く持って意味が分からん。


 あの、超巨大鬼が暴れればこの街ぐらい簡単に更地になってもおかしくないというのに。


 結局、機械の故障と結論ずけられてしまい。

 私たちの言葉は信じてくれなかった。まあ、その大きな理由の一つが英雄古市いや臆病者古市が自分が逃げたという事実を隠すため。超巨大鬼なんていなかった多分機械の故障だとほざきおったからだけど。


 結論を言えばその時俺は住民達は怪我一つなく解放されて、特に問題は起こらないだろうと思った。

 がしかし、住民達から家の物がいくつか破損していたという被害届けが届いた。


 その数は数百を超えており、かなり処理が大変だった。

 そんな中でも特に大変だったのは一人の子供が空き地で虹色に光る人の骨を見つけてきた事件の処理だった。


 まずこの虹色の人骨が恐ろしいまでの魔力に硬度をもっている&様々な衝撃や魔法を吸収し蓄積する能力も判明、本部に持っていったら数億円は軽く超える価値があるって言われた。


 メチャクチャもめた挙句最終的にはオークションにかけられることとなって終わったらその金額を今回の事件で起きた物破損事件の補填とすることとなった。


 俺達は結局今回超巨大鬼という格上と会い逃げて逃げて逃げた臆病者で、どういう経緯か知らないけど超巨大鬼がいなくなって結局何もなかった事になった感じだ。

 それについて俺は本当にありがたいと思うとともに。上を必死こいて目指そうとは思は無くなった。いや違う思えなくなった。


――――――――――

 一応これが主人公が起こしてしまった超巨大鬼討伐辺の裏話です。

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