第43話・主人公をこっからドンドン強くしていくよ パート3

 俺は今鬼の体内にいるらしい。

 うん、どうするか、剣振り回して腹掻っ捌いて脱出するか。

 それとも、消滅魔法で体内を消滅させていくか。

 毒魔法を使って体内から毒を侵入させて殺すのも良いな。


 悩むな、いや、どれも止めた、せっかくだし虹鬼化して鬼の体内から這い上がって顔面をぶっ飛ばしてみるか。


「虹鬼化発動」


 身体から力があふれて来る。

 しかも体が虹に光り輝き角が生えてきた。ヤバい、ヤバい、ヤバい、力があふれて楽しい、戦いたい、壊したい、全てと戦い戦い戦い戦い戦い戦い殺し合いたい。


「ハハハハハハ」


 笑う、笑う、笑う、笑いながら鬼の体内を掴み駆けあがった。

 アホみたいにでかい喉仏が見えた。俺はその喉仏を掴み引っこ抜いた。


「イタイ、イタイ、アアア」


 鬼が悲壮な叫び声を上げ、そのでっかい口を開いた。

 俺がそのまま口から飛び出して。鬼と顔を合わせる。

 良い顔だ。歪んでて血走って傷を与えた俺を殺そうとしている。

 そうだ、俺を殺そうとしろ、俺を楽しませろ。


 超巨大鬼はその体の大きさからは想像できないほどのスピードで俺にパンチを繰り出す。

 そのパンチを俺は真正面から受け止めた。

 とんでもない威力だけど吸収スキルを持っている&虹鬼化状態の俺の前じゃあ、無駄だ。

 パンチの威力を吸収していく。蓄積してく。


「自分の力ごと喰らいやがれ、くそったれた鬼め」


 俺は自分の腕に魔力とさっき吸収し蓄積した鬼のパンチの力を載せて鬼の顔面を殴った。


ドン


 俺のパンチは50メートルは行くであろう超巨大鬼を数メートルにわたり吹っ飛ばした。

 そして、吹っ飛ばした鬼の前に立ち挑発した。


「立て、超巨大鬼よ。お前の力はその程度か」


 俺の言葉に鬼は青筋を浮かべて怒り出した。


「チガウ、シネ~~~、ニンゲン」


 超巨大鬼はすぐさま立ち上がり何処からともなく取り出したこん棒を俺に投げつける。

 咄嗟に腕を組みガードした結果、こん棒が崩れてそのまま破片が腕にめり込んだ。

 かなりの血が出るし相当痛い、そういえば、スキル吸収は攻撃の威力を吸収するのであって、石や木材に金属といったものを吸収するものではなかったな。

 これは結構明確な弱点だな。今度からは注意しよう。

 俺はこん棒の破片がめり込み使い物にならなくなった腕を使いものにするため自ら腕を引きちぎった。

 引きちぎった瞬間あっという間に腕は再生する。


「さあて、超巨大鬼よ、第二ラウンドだ」


 俺は一気に鬼の頭上まで飛ぶと、剣を取り出して思いっ切り斬りかかったが、鬼はその巨大な片手で簡単に受け止めると剣をいともたやすくへし折り、そのまま足というか身体全部を掴まれて叩きつけられた。

 叩きつけられた衝撃は一部は吸収できたが破片が身体に刺さったりして肉が抉れて骨が見えたのだ。

 俺の愛剣(まあ、予備は山ほどあるんだけど)が折れたつまり俺の剣じゃ文字通りこいつに刃が立たない、じゃあ、どうすればいいか考えて思った俺の骨を使えばいい。

 俺の骨はありとあらゆる面で優れた虹骨だ、少なくとも簡単に折れたりはしないだろ。

 俺は左腕の骨を抜き取り。すぐさま再生させる。


「チイサキオニヨ、ワレニハカナワヌゾ」


「いや、そうでもないよ」


 俺は右手で自分の虹色に光る骨を持って超巨大鬼の左脚を刺した。


グジュ


 超巨大鬼の大きさからしてみればかすり傷みたいなものだろうが、俺の魔力で染まっている、俺の骨が相手の体内に入ったそれが大切なんだ。そうそれが大切なんだ。


「腐敗魔法・肉体腐敗」


 超巨大鬼の体内に対して俺の骨を媒介に魔法を放ち超巨大鬼の左脚を腐敗させていく。

 物凄いスピードで腐敗していく超巨大鬼の左脚。


「チイサキオニメ。ブッコロス」


 超巨大鬼が右腕で俺に殴りかかるがそれを華麗に避けると、そのまま右腕に飛び乗り。鬼の眼下まで駆け上がる。

 もし、もし超巨大鬼の左脚が腐敗していなかったらここで叩き落されたり振り落とされたりしていたかもしれないが、思いっきり左脚が腐敗していることにより体勢を崩している。つまり大チャンスという訳だ。

 俺は超巨大鬼の眼下にたどり着いたら、超巨大鬼の目に骨を突き立てる。


「メガーーー、イタイ、イタイ、イタイ」


 俺は突き立てた骨から手を放して右腕に力を溜めて殴った。


グチュ


 衝撃で超巨大鬼の右目は完全につぶれ刺さっていた俺の骨が凄い勢いで超巨大鬼の頭を貫通した。


「アアア、アアア、アアア」


 痛みで叫び散らす超巨大鬼をしり目に俺は殴った蹴った。

 何回も何回も何回も鬼の顔が原型をとどめなくくらい殴った。

 そして超巨大鬼は気が付いたらドロップ品になっていた。


「勝った~~~、そこそこ手ごわかったな、大分疲れた。まあいいや、取り敢えず虹鬼化解除」


「大分魔力が減ったな、残り魔力は3割ぐらいか。つーか、なんであんな真正面から挑んだんだ。普通に体内から魔法ぶっぱで簡単に勝てただろ。俺は戦闘狂かよ本当に、ハア、疲れたまあいい今考えても仕方ない、そんなことよりお楽しみのドロップ品の確認だな」


超巨大鬼のドロップ品

・1メートル以上あるとんでもないほど巨大な魔石

・1メートル以上ある真っ白で鋭い牙が一つ

・5メートル以上ある硬くてカッコイイ赤黒い角が一つ

・真っ黒でどす黒いスキルの書が一つ

・キラキラ光り輝くスキルの書が一つ


「うわ、夢広がるな、どれもとても凄そうだな、じゃあ、早速使ってみますか。まずは真っ黒でどす黒いスキルの書から」


特殊スキル【百鬼夜行】を獲得しました。

特殊スキル【百鬼夜行】が種族死霊王と反応しました。

特殊スキル【百鬼夜行】が特殊スキル【千鬼死霊大行進】に進化しました。


「うわ、【千鬼死霊大行進】って明らかにヤバそうなスキルだな。つーか、種族死霊王と反応しましたって?どういうこと?分からん、まあ特に実害はなさそうだし気にしないでおくか。それよりも【千鬼死霊大行進】を早速鑑定してみるか」


特殊スキル【千鬼死霊大行進】

 発動すると千の鬼と何千、何万の死霊が現れる。

 現れた鬼と死霊はスキル所有者に絶対忠誠であり、ありとあらゆる命令を聞く。

 鬼と死霊の中には戦闘以外の料理や鍛冶や大工や裁縫に掃除といった戦闘に関係のないことを得意とする者もいる。


「凄い強そうだし、汎用性が効きそうだな、これは超大当たりのスキルだな、さて次だ次光り輝くスキルの書だ」


スキル極剛腕を獲得しました。


 その瞬間腕に恐ろしいぐらい力があふれてくる。

 極スキル俺はいくつか持っているけど実際は手に入れるのに運に力がいるとんでもないスキル。

 多分、体感的にただでさえ化け物じみてた腕の力が倍以上に上がっている気がする。


「これでまた俺は強くなった、うん、さてと、この惨状どうしようか」


 超巨大鬼との戦闘でメチャクチャになった街、家はほとんどが潰れたり半壊していたり、いくつか戦闘の余波でクレータが出来ており地面はデコボコ・・・どうしよ・・・完全に俺のせいだよな。

 俺のダンジョンが暴走してこうなったしな。

 どうする、逃げるか?それとも素直に謝るか。どうする考えろ。パッと見た感じ住民は全員避難している。

 ・・・よし、決めた素直に謝ろう。そんでいくつか俺の持っている希少なアイテムを売ってお金で弁償しよう。

 いや、やっぱり無理だ。こんだけ被害が出てたら何百億とか行くかもしれない、どうしようか・・・、よし決めた。被害を少なく見せるか。幸いその為に使えそうなスキルが手に入ったところだし。


「千鬼死霊大行進発動」


 ドンドンドンドンドンドン

 その音と共に鬼と死霊が現れる。

 その姿はただ一言で表せた。


【圧巻】


 千の鬼と何万という死霊が俺に頭を垂れている。

 綺麗に並び揃っている。姿は千差万別で大きさも色も形もバラバラだ。

 でも、こいつらは皆俺に忠誠を誓っている。

 最高じゃないか。コイツらと他の眷族たちを合わせたら本気で日本ぐらい落とせる気がしてきた。

 やべ、脱線してた、俺がこいつらを出した目的はこの荒れた場所のある程度の立て直しだった。


「命令だ。超巨大鬼と俺が戦ったせいで荒れてしまったこの場所を元の状態に出来る限り近づけろ」


「分かりました。主様」


 その瞬間、恐ろしい速度でがれきが撤去されクレーターの穴がふさがり、新しく家が建っていった。

 見た感じがれき撤去は闇空間に収納しているんだろう。俺の闇空間に大量のがれきが出てきた。

 クレーターを塞いでいるのは多分土魔法で土を出して、固めているな。

 家はマジでよく分からん。何処からともなく木材やらセメントやら釘やらを取り出してある程度残っている家を元に家を作っている。

 しかも、見た感じ家の中にあったであろう物も多分復元魔法や細工が得意なのが直しているのかな?

 え、本当に凄いわ。まず見てて飽きないは、いや~本当にこれは凄い。何か何でもできる気がしてきた。

 そうやって、千の鬼と何万の死霊達の行動を30分ほど見た結果。

 綺麗に終わった。

 あれだけボロボロだった周りが綺麗になり家もほとんどが新品同然。

 さて、これなら大丈夫だろう。


「主様、ご命令完了しました」


「お~、ありがと、ありがと、完璧な仕上がりだよ、じゃあ帰って良いよ」


 そう言った瞬間千の鬼と何万という死霊が一瞬でこの場から消えた。


「さて、これだけすれば、大丈夫だろう、むしろここまでやったんだし逃げるか、謝るとか事後処理とか超めんどくさそうだしな」


――――――――――


スキル

 闇魔法3822 身体強化2781 精神強化9626 骨強化2401 魔力強化2901 骨太1777 打撃耐性761 状態異常耐性813 骨再生1014 再生983 腐敗魔法872 肉体強化1045 奇声1783 腐敗耐性1034 肉体再生391 異臭耐性432 美肉体133 美骨格144 腐敗強化571 死霊魔法648 精神魔法644 毒魔法732 異形化192 指揮73 魔法耐性311 飛行621 吐息200 二刀流極1 皮膚硬化372 物理攻撃耐性572 暗黒魔法349 騎乗271 眷族強化332 呪魔法381 悪魔法399 死魔法371 魔法強化462 戦闘狂94 超精神強化21 消滅魔法12 崩壊魔法8 反転・性別・属性1 超鑑定1 超神秘魔法1 超光魔法1 極天使降臨1 毒強化12 毒耐性6 破壊魔法17 破壊強化7 破壊耐性7 吸収3 放出5 蓄積7 


特殊スキル

【虹骨】

【虹鬼の身体】


NEW

【千鬼死霊大行進】

【極剛腕】

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