第22話・オークションと闇カスダンジョンの購入 受験まで後3日

「早速始まりました、第13回岡山支部オークションが、今回は10点出展されます。どれも一級品ばっかり特に目玉の【美肉体のセット】これを求めるために来た人も少なくないでしょう。もちろん目玉ですから出展は最後です。それでは時間も限られてますし、テンポよくやって行きましょう」


「まずは1点目、風の妖精から出た超レアアイテム【暴風の剣】です。この剣は持つだけで暴風魔法と同等の力を自由に操れるという、超優れものこの機会を逃したらもう、二度と手に入らないかもしれません。お値段は100万円からどうぞ」


「110万」

「115万」

「150万」

「165万」

「166万」

「170万」

「185万」

「190万」


 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・


「おっと、190万円以上の方いらっしゃいませんか」


「それでは、190万円で落札決定しました」


「では、2点目実験スキルスクロール【反転・性別・属性】です。このスキルはその名の通り、性別と属性を反転させるスキルです。このスキルの属性反転は火魔法なら水魔法に、光魔法なら闇魔法に、土魔法なら風魔法に、更に、更に、このスキルの凄いところは性別と属性の反転を自由自在に変化させられることです」


「因みに気になっているお客様もいらっしゃると思いますが。この実験スキルスクロールという文字、これはですね、このスキルが元々反転性別と反転属性に分かれていたのですがとある研究室の実験で合成して反転・性別・属性になったという、大変貴重なスキルスクロールです。この素晴らしいスキルを100万円からどうぞ」


 よし、このスキル絶対に欲しいしな一発やってやるか。


「200万」


「おっと、いきなり200万円来ました、他にいらっしゃりませんか」

「それでは、200万円で落札決定しました」

 よし、手に入った、後は俺の出展品がどれだけの値段で落札されるかだな。


 10分後


「では、最後の出展品、今話題の超スキル【美肉体】それが20個、更に【美骨格】が20個、【肉体再生】が20個、【骨再生】が20個、これさえあればどんな人間だって、イケメンに、美女になれます。

 その上、どんな怪我・病気だってほぼ一瞬で治る。つまるところ、病気や怪我に侵される心配がなくなるのです。更に、更にスキルなのでそれが永遠に持続します。さ、さ、この超スキル、この機会を逃せば一生手に入らないでしょう、しかも、それが20ずつ、つまり20人の人に使用できるのです。こんなにこのスキルが大量に出回るのはここだけです2000万円からどうぞ」


「1億」

「3億」

「3億1000万」

「3億4000万」

「3億4500万」

「4億」

「4億3000万」

「4億8000万」

「5億」


「おっと、5億来ました、他にいらっしゃりませんか」


「それでは、5億円で落札決定しました」


 5億円・・・とんでもない大金だな、落札者はどんな人かな、そこそこ太ったオッサンだった。当たり前だけどメッチャ高そうな服を着てた。まあ、そりゃ、健康に気を使う体型してるわな。

 さて、オークションも終わったしお金を受け取って帰るか。

 てなわけで、受け付けまで行き200万円を支払って【反転・性別・属性】を貰い、早速使用する。


 スキル反転・性別・属性を獲得しました。


 よし、スキルは獲得した後は5億円を受け取って帰るか、そう思った時。


「やあ、君が泰斗君かね」

 後ろから超イケメン長身でガタイの良い人が話しかけてきた。


「えっと、どちら様でしょうか」


「あ、そうだね、自己紹介を忘れてたね、はい、これどうぞ」

 そう言って、胸ポケットから名刺を取り出して渡してくれる。

 そこには【武器防具中山製作所社長 中山 秋良】と書いてあった。


 ・・・・・・・・・


「え、武器防具中山製作所って超大手の会社なんじゃ」


「そうだね、私は正真正銘の武器防具中山製作所の社長だよ、そして、私はね泰斗君から【美肉体セット】を買い取った人だよ」


「え、てことは【美肉体】の効果で」


「そうなんだよ、あの忌まわしき脂肪ともお別れできた上に体がとてもスムーズに動くようになったんだよ。その感謝の気持ちを伝えにきたってわけ、それとお礼にその名刺に電話番号が書いてあるからね、何かあったら電話してね、それじゃ今から予定が入ってるし、またいつか会えることを願ってるよ」


 そう言って、ガードさんと共に去っていった。


「何か、嵐のような人だったな、ま、いっかそれよりも5億円だな」


 で受付嬢さんに5億円を頼んだら、4億円渡された、話を聞けばオークション手数料で2割取られるらしい、それでも4億円でも十分大金だ、前々から考えてた夢が叶うぐらいの、そう、その夢はマイダンジョンだ!


 ダンジョンそれは原則ダンジョン連合が管理しているが、お金と実力があれば買い取り個人で使用することが可能なのだ。

 俺が買いたいと思ってるのは、もちろん闇カスダンジョンだ。資料室で調べたところ、評価1で潜ってる人が基本的にいないようなダンジョンは1億円ぐらいらしい、4億円あるんだ多分余裕だな、よし、買いにいきますか。


「すみません、闇カスダンジョンを購入したいのですが」


「はい?闇カスダンジョンを購入したいとおっしゃっりましたか」

 何か凄い驚かれた、美肉体の山を目にしても驚かない受付嬢さんが。


「え~と、もう一度言います、闇カスダンジョンを購入したいのですが」


「・・・はい分かりました、私では対応できませんので、ちょっと上司と話をしてきます、話が付いたらお呼びいたしますので、少々待ってください」


 3分後


「泰斗様、すみませんが応接室までついてきてください」


「はい、良いですけど」

 で、受付嬢に案内されて応接室に入ると、加藤教官と眼鏡かけた細マッチョなおじさんがいた。


「県部長連れて来ました」


「おう、ありがとね、では仕事に戻りなさい」


「はい、分かりました」

 そう言って受付嬢の人が部屋を出てきオッサン2人と少年1人となった。気まずい。


「やあ、泰斗君こんにちは、私は【ダンジョン連合岡山県支部部長 石嶋 嶺二】だよろしく」

「よろしくお願いします」


 え、岡山県支部部長って、超偉い人じゃんどうしてそんな人が。


「早速だが本題に入ろう、君はダンジョン564もとい闇カスダンジョンを購入したいのだったな」

「はい」

「理由は?」


 理由そんなもの決まっている。


「小さい時から、マイダンジョンに憧れていたのと、ダンジョンに潜ってる時自分や自分の眷族がうっかり冒険者に攻撃しないようにするためです」


 ・・・・・・・・・

 しばしの沈黙の後


「そうか、よし、では100万円でダンジョン564を売ろう、面倒な書類などはこちらでやっておこう、この契約書にサインしてくれればいい」


 あれ、相当簡単に認められたし、しかも凄い安い、契約書も目を通したが、怪しい点はなかったしサインするか。


 上野 泰斗


「はい、これで闇カスダンジョンは泰斗君のものになった、おめでとう」


「ありがとうございます」

 そう言って家に帰った。


 ――――――――――


 スキル


 闇魔法862 身体強化473 精神強化2189 骨強化246 魔力強化414 骨太191 打撃耐性185 状態異常耐性389 骨再生165 再生292 腐敗魔法212 肉体強化215 奇声113 腐敗耐性102 肉体再生151 異臭耐性83 美肉体78 美骨格72 腐敗強化103 死霊魔法114 精神魔法163 毒魔法125 異形化24 指揮31 魔法耐性154 飛行192 吐息83 二刀流極1 皮膚硬化212 物理攻撃耐性196 暗黒魔法231 騎乗41 眷族強化82 呪魔法67 悪魔法58 死魔法46 魔法強化133 戦闘狂21 超精神強化5 消滅魔法6 崩壊魔法8


 NEW

 反転・性別・属性1


 ――――――――――

 闇カスダンジョンを簡単に売ってくれた理由。

 闇カスダンジョンに潜っているのは実質主人公のみで、もう既に主人公最の私物みたいなものなうえ、主人公の眷族たちが徘徊しており難易度が急上昇、しかも、主人公の眷族は当たり前だけどドロップ品なんかは落さないし一体倒せば千で襲いかかって来る悪夢状態。

 しかも、もしそんなダンジョンが魔物暴走を起こせば大惨事確定、その場合の責任問題は半端じゃない、なので、内心闇カスダンジョンを売れて安心している。(まあ、闇カスダンジョンで何かあっても責任を押し付けれるからね)

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