第2話・念願のダンジョン

 俺の名前は上野 泰斗


 ラノベやアニメに漫画にゲームが大好きの中学三年生14歳だ。

 そして明日で誕生日だ。


 つまりダンジョンに潜ることが出来るようになるのだ。


 長かった。物心ついた時からダンジョンに憧れを抱きダンジョンに入るために、毎日身体を鍛えるのはもちろんのことダンジョンについて調べて、お年玉やおこづかいもほとんど貯めて、両親も必死になって説得して過ごした。

 いや、本当に大変で長かった。だが、それも全てはダンジョンのため。


 そして明日ついに、ついに、ダンジョンに入れるのだ。イエ~~~~~~イ、テンションが大分おかしくなっているが。まあ許して欲しい。

 それくらい、ダンジョンに潜るのが楽しみなのだ。

 そんなわけで、かなりはやる気持ちはあるが、睡眠不足は良くないので気持ちを無理やり抑えて、明日のダンジョンに向けて寝た。


 ――――――――――


 そして夜が明けて、俺は誕生日を迎えて晴れてダンジョンに入れる15歳になった。


 俺は朝8時から家を出て、自転車でダンジョン連合に向かってダンジョンに入る為に必要であるダンジョンカードを作ってもらい、今持ってる全財産30万円を使って、5万円の片手剣2本と10万円の皮鎧に10万円で売ってある10キロ物が入るアイテム鞄を1つ買って、うきうき気分でダンジョンに向かった。

 マジうきうきで足取りがルンルンのランラン状態だ。


 向かったのは出てくる敵がスケルトンやゾンビだらけな上にドロップ品がカス魔石ばっかりで驚くほど人気のない闇カスダンジョンだ。


 もちろんこの闇カスダンジョンを選んだのには理由がある。

 俺がダンジョンに潜ってるのをちょっと恥ずかしいので知り合いに見られたくないのと人気のあるダンジョンは魔物をほとんど狩りつくされて戦えないからの二つだ。

 うん、だってそうやん、誰が好き好んで人がいっぱいいて、魔物より人のほうが多いダンジョンに行きたいんだよ、魔物なんて出てきた瞬間、上級者か中級者にドロップ品にされんだぞ。初心者はマジで何もできないらしいからな。


 てなわけで、闇カスダンジョンまで自転車を飛ばすこと30分。

 はい、やってきました、闇カスダンジョン。念願のダンジョンに俺は今は入れるんだ。


 俺は超絶ワクワク気分で早速ダンジョンに入った。


 ―――――――――――――


 入ってそうそうスケルトンが現れた。

 情報通りだ。確かスケルトンは、頭が弱点で頭さえ破壊すれば簡単に倒せる雑魚魔物だったよな。


「てなわけで、オラ」

 俺は威勢のいい声を出しながら思いっきり剣をスケルトンの頭めがけて振り下ろした。


 バキ

 という、骨が砕ける音がして簡単に倒れるスケルトン。

 そして、スケルトンは小さい魔石を残して消えた。


「うん、一撃ですか、弱いなでも、俺初めて魔物を倒したのか、オ~~~~~~。なんか凄い感慨深いな、さて頑張って楽しくスケルトンを倒して行きますか」


 その後も次々湧いてくるスケルトンを一撃で倒して倒して倒しまくること2時間。


 さすがにお腹が減って来たので一旦外に出てお母さんがくれた弁当を食べて、腹を満たすとまた迷宮に潜った。


 そして、5時間後、かなりのスケルトンを倒して、だいぶ満足したので外に出て、ダンジョンに設置されている自動精算機という、ダンジョン連合が設置した機械に今日手に入れた魔石を全て入れた。{因みに自動精算機とはドロップ品を入れると自動で精算してお金をダンジョンカードに振り込む機械です}


 1分後


 チャリーン

【振り込みが完了しました】


 よし、振込完了。どれくらい稼げてるかな、俺はダンジョンカードの機能の一つであるドロップ品売却確認を使い、自分の売ったドロップ品の確認をした。


 ドロップ品

 11月27日

 10等級魔石・2341個


 合計残高

 23410円


 思ったよりも倒せたし稼げたな。

 でも魔石一個当たり10円か。安いのか高いのか悩むな。まあいっか。そんなことよりも今日ダンジョンに初めて潜って強くなったという思いの方が強い。

 なんかダンジョンに潜れた感動と魔物をしっかりと倒せた感動で急に泣けてきた。


 泣き止むまで1分


 よし、取り敢えず今日の初めてのダンジョンは大満足。


 さてと家に帰りますか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る