第10話 ヌレッグソン・レポート 若さ故の過ち
皆さんは学生時代などに全校集会で屁を我慢した事は
一度はあるのではないのでしょうか?
そもそも何故我慢せねばならないのか?
もし仮に全校集会で放屁爆音を体育館で響かせようものなら
全校生徒から白い目で見られ少なからず二次被害に遭うのは必至だろう。
そこで所謂透かす、透かし屁という概念が誕生したのだ。
何故音を殺す、放屁を透かすという表現になったのかおおよその検討は付くが。
しかし透かし屁といえど一定の訓練下において、
正常にコントロール出来るのであるが、
透かし屁概念以前はどうしたのかというと○○に乗じてとか
喧噪に紛れさしてとかである。いわば相殺である。
この相殺といえども気を付けなければならないのは周波数であり
あまりに高周波、いわゆる高音になれば、
その音は通りやすくなりバレてしまうので注意が必要だ。
これは実際に私が遭遇した出来事なのだが一例として述べようと思う。
とある中学か小学生だった頃に前の同じクラスの生徒が全校集会である
曲が流れたのだ。どんな曲だったかは記憶が定かではないが
私の前のクラスメイトはその音楽が流れている間に、
その音楽に乗じて放屁をし放屁音を相殺しようと試みたのだ。
その曲は初見というか初めて聞く音楽だったのでいつ、
どのタイミングで終わるのかは、
その曲を掛けた本人しか知り得ないのであるが。
さて仮にその前のクラスメイトの名はバリクソンとしておこう。
そのバリクソンは頃合いを見計らって放屁を繰り出したのだ。
そもそも曲と同時に放屁を行い相殺を試みたバリクソンが何故、
放屁を繰り出したとわかったのか?
それは何故か?
恐らくだがバリクソンが放屁を試みたのが遅かったのか、さあ放屁するぞ!
と脳に指令を出したが、思いの外タイムラグが発生したのかは定かではないが、
バリクソンが放屁をする前にその曲は突然切られたのである。
曲は突然途切れ、体育館に一瞬の沈黙が訪れる。
その刹那バリクソンから指令を出された脳が放屁を実行に移す。
ブロロスピー。
静まり返った体育館にバリクソンの放屁音が鳴り響きこだまする。
こうしてバリクソンの目論見はハズレ大失敗に終わった。
その後の体育館の雰囲気は知る由も無いが
小学生なら笑ってごまかしたのかもしれない。
こうした例が示すように放屁といえど自らのタイミングに何時も応えて
くれるとは限らないのである。その為にはどうすればよいか?
兎にも角にも鍛錬に他ならない。
そしてもう一つ懸念材料として挙げられるのが
本当にそれは屁で間違いないのか?である。
どういう事かというと肛門から排出される第二の存在を忘れてはいけない。
これを仮に第二ソリッドとでも名づけようか。
そもそもは第一な気もするが今回は第二ということで了承を得たい。
その第二ソリッドなのか?放屁ガスなのか?を判断する肝は、
これはもう己の肛門の感覚と経験に頼るしかない。そこでそれらも含めての
鍛錬が重要になってくるわけである。瞬時にそのどちらかを判断し放屁に
繋げなければバリクソンのような無様な失敗を犯す事になりかねない。
それともう一つ仮にコレは第二ソリッドでなかったとしても
まだ安心はしてはいけないのだ。
第二ソリッドが第二ソリッドでない場合があるのである。
これを仮に第三ウェッティとするならば所謂ゲル状、ゾル状もあるかもしれないが非常に判断が困難な場合が存在するのである。
もし判断を間違い放屁と共に第三ウェッティが肛門から決壊しようものなら
その後の被害は甚大で目も当てられない事態に陥る。
第三ウェッティは衣服と呼ばれる繊維の隙間をを巧みに掻い潜り
そのおぞましい臭気と共に空気中に放たれるのである。
惨状を想像するだけで恐ろしい。
かといってここでひるんでもいけない。
とにもかくにもそれも想定しつつの鍛錬なのだ。
その判断が正しく行われたその後に必要になってくるのは
肛門の開度コントロールに他ならない。
第三ウェッティだったとしても
この開度コントロールが絶妙であれば第三ウェッティたれども
決壊を防ぎ放屁のみに留まらせる事が可能になってくる。
先のバリクソンは開度コントロール以前の問題だったが、
例え曲が途切れた後でもこの開度コントロールが十段階中の1か2だったならば
屁は音を発する事なく透かし屁として世に放たれた筈である。
バリクソンはいわば若さが故、若気の至りに尽きる。
さてこの開度コントロールも一長一短では身に付かない。
ストレートな放屁で放つのは初級。
音量調整が出来て中級。
上級者ともなれば高中低音の音程の調節が自由自在になり
且つある程度の指向性を持たすことも可能だ。
皆さんも常日頃からこの開度コントロール習得に励んでほしい。
いたずらに放屁しても大して向上はしない。
常に一定の放屁量、音量を揃える事が
飛躍的に肛門マネージメントを向上させるのだ。
判断を誤り、自身の肛門のだらしなさにむせび泣きながら
ズボンを洗濯する事も回避出来る。
そしてこの開度コントロールを習得した暁には
開度10が確実に生きてくるのだ。
貴方の放屁ライフに幸あれ!
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