第4話 ヘシターラミガ参謀長官

      屁っぷり暦20000000ピュイピー年ズバっぷゅ月ぷぺぺ日

ある国の大統領が放屁暗殺兵器ガス、プヴァトロンV2を最重要国家機密として完全封印してから50年の歳月が流れようとしていた。そして某国のブロンコプ大統領の側近中の側近、ヘシターラミガ参謀長官は旧国家機密廃棄整理に追われていた。

政治的に再利用可能な機密文書だけを残し選別、廃棄する作業である。

内容を全て理解する必要は無いが、短時間で概要を理解する頭脳と知識が必要とされる重要な任務のひとつだった。

こればっかりはいかに事務作業でもそこら辺の者に任すわけにはいかない。

事務的に作業を進めて行くうちにある聞きなれない文書が目に留まった。

それはプヴァトロンV2計画と書かれたものだった。

なんだこのプヴァトロン計画というのは?

放屁音みたいなふざけた名前だな。

この手の事情に精通していて博識で知られるヘシターラミガにも聞き覚えの無い計画であった。無理もない。その文書が封印されたのが49年も前の日付だったのだ。

取り敢えずは持ち帰り内密に目を通すようにするか。

自動データ移送機にセットし、不可逆、転送端末にケーブルで繋ぎ転送開始のボタンを押し、再び帰宅時間までベースの効いた屁を奏でながらプピプピと黙々と作業をこなすヘシターラミガであった。

任務を終えて風呂に浸かりコプコプと放屁しながら疲れを癒したヘシターラミガは

ガウンのまま転送したデータに目を通していた。読み進めて行くうちに興奮を抑える事が出来ず、その都度、放屁を挟みつつ野心の炎が燃え滾ってくるのを実感していた。

はっはっはっ!

ぴゅっぴゅっぴゅっ!(風呂上りなので若干ウェッティな放屁音)

こいつを上手く使えば自らが国のトップになる事も夢ではない!

こいつは傑作だ!

ぶうううぅ!(乾いた放屁音)

今後の展望を思い浮かべるヘシターラミガの気分の高揚と共に極上のワインが

放屁頻度を緩やかに後押しし、加速させていくのだった。

すぱぁーんっ!(甲高い破裂音的な放屁音)

でヘシターラミガの、その日の夜は終わりを告げた。


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