第3話 フロデーコプコプ博士
午前六時過ぎに夫のフロデーコプコプの隣で寝ていた妻のヘップリーは目を覚ました。眠い目を擦りながら半身を起こしベッドから降りようとしていた時、
まだ寝ている夫のフロデーコプコプがストロークが長めの放屁をした。
ヴーーーーーッ。
これが俗にいう寝屁である。
勘弁してよ!まったく。うわっ!くさっ!国宝級ったらありゃしない!
たまらずヘップリーはキッチンへ避難した。
夫は顔は悪くないし、優しいし経済的にも安定してるから結婚したのだが、
放屁癖と匂いが原因で離婚してまで手放すには惜しい物件であるのは間違いないので容認していた。
ケミカルバイオガスウェポンコーポレーションの主任研究員で博士号を持つフロデーコプコプはいつもと変わらずにマウスを使った実験、研究を行っていた。
ただ博士には、とてつもなくしょーもない習慣があった。
それは自身の執務室で飼っているマウスに尻を近づけて放屁するというものだった。
ばびゅううううっ!
それは日課のようなものでマウスにたいしての挨拶みたいな事に過ぎなかった。
だが今日の屁は一味も二味も違っていた。
屁を浴びたマウスが痙攣をし始めやがて息を引き取ってしまったのである。
何っ!一体どういうことだっ!一体何がっ!
あまりの臭さで? いや! 臭いから死ぬなんてありえない。
まさか私の屁にマウスの命を奪うほどの殺傷能力があるというのか?
だが現にマウスは死んでしまった。
うーーーむ。これを、この考えを発展研究させていけば世界はひっくり変える。
とりあえずマウスを解剖してあらゆるデータを引き出す必要がありそうだ。
まさか放屁がヒントになるとは屁肉なもんだな。
フロデーコプコプは豪快に笑いながら且つ同時に
ぷぅうううう
と小気味よく放屁した。
この出来事が後の未来で軍事暗殺兵器ガス、プヴァトロンV2を生み出す発端になろうとは誰が予想できただろうか。
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