「長いタイトル」ってどうしてダメなんだと思う?

※ 移転載しました:

https://kakuyomu.jp/works/16817330663922262667/episodes/16818023213584443060

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 こんにちは、たてごと♪ です。

 また元気無くなってきました、まー体調がアレしそうでアレなので、おと無くなったらお察しを(


 さて、作品タイトルについて、「えらい説明的でやたら長いタイトル」というのがライトノベル、特にネット小説において乱発されてるのは、ご周知の通りかと思います。

 そしてそれについては〝長すぎるウザい〟〝簡潔にまとまってないダサい〟などと、そこそこ悪評も出ているようで。

 印象が良くないっていうのは、素直に印象が良くないですよねえ(

 ただ断わっておくと、


  〝作品タイトルは長ければ


 って傾向があります。

 理由は単純、「より多く単語が詰め込まれるほど」から。

 これは結構いろんな方が検証してらっしゃるので、それこそけんさくすればすぐ出てきますが、ヘタにこねたくつなんかではくつがえしようの無い、歴然とした統計データが出ちゃってる。

 まあ本当を言えば、そういうけんさく補助はタグがになうはずなんですけど、むしろタグって設定しててもあんま何も起こらない感ありますし。

 もちろんアクセスされたところで、読ませる作品が書けてなかったら意味無いのですけども、逆にそれが書けてたとしても、そもそもアクセスしてもらえなかったら徒労もいいとこ。

 だから、「とにかく突出したい」という目標を持ってる作者さんにしてみれば、作品タイトルを短くしておく理由は無いんですね。

 乱発されてるのにはちゃんと理由がある、というわけです。



     †



 で、それを踏まえて。

 その長いタイトルって、印象が良くないっていう他にも実は、問題が有るんですよ。

 例として、……いやこれ、適当なのを作って挙げようと思ったんですが、どうしても的になりがちで、説得力に欠けそうな気がしましてね。

 一応「」と断わったうえで、恐縮ながら実例出しちゃいますけれども。


  ◦ Aランクパーティを離脱したおれは、元教え子たちと迷宮深部を目指す。

  ◦ おしかけ勇者嫁 勇者はほうちくされたおっさんを追いかけ、スローライフを応援する

  ◦ 悪役令嬢の執事様 破滅フラグはおれつぶさせていただきます

  ◦ 元悪役令嬢とS級冒険者のほのぼの街暮らし

  ◦ 強制的に悪役令嬢にされていたのでまずはおかゆを食べようと思います。

  ◦ 転生したら悪役令嬢だったので引きニートになります

  ◦ 転生したら乙女ゲーの世界? いえ、魔術を極めるのに忙しいのでそういうのは結構です。

  ◦ 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます

  ◦ 没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた

  ◦ かつては悪役令嬢でしたが今では立派なオジサンです


 重ねて言いますが、これは悪いタイトルの例ですよ。

 どれもコミカライズまでされているタイトルなので、ご存じのものも挙がってるかもしれませんが、さてどうでしょう。

 もちろん、実際には10タイトルなんてことは無くて、5けた6けたに届けとばかりにタイトルは並んでるわけです。

 そして、そもそも〝名前とは区別をするために付けるもの〟なんですが、


  〝こう並んでるやつ、パッと?〟


っていう。

 つまり、単体ではそう悪くもないけれど、複数を並べたときに問題が出てくる、ってわけですわ。


 まず使われてる単語、結構かぶってますよね。

 それもそのはず、人が思いつく話のネタなんてそうそう無いもので、大抵は既存のネタの組み合わせになっちゃうもんです。

 それを説明的に書いちゃったら、当然かぶるに決まってるし、なんなら固有名詞も登場しにくい。

 そしてその説明的な体裁、そんなの全部似たような文体にならざるを得ないし、それじゃあ全部似たような印象になっちまうじゃないですか。

 特に、〝ことばの印象は基本的に後着優先〟なのにかかわらず、末尾が「〜です」「〜ます」とか、それらに準じるやつになるでしょうしね。

 これ、自分から埋もれに行くようなものだと思いません?

 つまり、「まともに識別してもらえない可能性が高い」んですよ。


 あまつさえ長いタイトルは、それ単体で認識に時間が掛かるし、そもそもおぼえにくい。

 じゃあ仮におぼえれなかったとして、「あの話もう一回読みたい」ってなったとき、ブックマークし忘れでもしてたとしたら、どうですかね。

 要するに、長いタイトルって「けんさくシステムありきの手法」なんですけど、さいけんさくするにしても、似たようなのがいっぱい出てくるわけです。

 けんさくのしかたが悪かったら、もう二度と辿たどり着けないかもしれない。

 それ、悲しすぎません?

 だったらおぼえやすいように、できるかぎり短くしたほうがいいんじゃないの、とぼくは思ったりします。



     †



 まあそのぼくなんかは、


  ◦ 作品の価値は書き上がった時点で確定してるもので、PVや人気に左右されるものじゃない


と考えるので、無理してそういうのかせごうと思わないんですが。

 一方で、


  ◦ 人からの評価こそが、作品の価値なのである


という考え方もあって、これも否定されるべきものではなく。

 ただこれ、分類すると前者は〝アマチュア=「宗教」〟の指針、後者は〝プロフェッショナル=「商売」〟の指針なんですね。

 ちなみにこの「商売」とは〈労力を売って代わりの物を得る〉という事なので、必ずしも金銭だけじゃなくて、PVや★をかせぐという場合も含むものです。

 ここ混ぜると、自分が何を目指してるのかわからなくなるので、どっちに寄るのか。

 それともうまいこと制御して、そのせっちゅうでやるのか。

 そこらへん、方針をはっきりさせといたほうが、混乱しないで済むと思います。


 ああそういえば、「甘い」ということばかさなるからか、たまに勘違いしてる人もいるっぽいですが。

 「amateurアマチュア」は〈愛好家〉転じて〈求道家〉って意味で、〈駆け出し〉〈しろうと〉って意味じゃないですよ。

 イタリア語だと〈愛〉という意味で「amoreアモーレ」といますが、これと同源のことばですね。

 ついでに「professionalプロフェッショナル」は〈公職的〉転じて〈職務人〉って意味なのであって、〈ベテラン〉〈エキスパート〉という意味ではありません。

 ちなみに「professプロフェス」だと〈前言を引き受ける〉のような意味になって、そこから〈おおやけに伝える者〉に転じたのが「professionalプロフェッショナル」、〈知識を伝える者〉に転じたのが「professorプロフェッサー〈教授〉」というわけです。


 そしてぼくはアマチュアでやりたい。

 自分の作品をアモーレしたい。

 でも自分の作品をおおやけに伝えたい、プロフェッショナルでやっていきたいという人には、長いタイトルおすすめしますよ。


 というわけで賛否両論ある〝長いタイトル〟、皆さんはどうお考えでしょうかね。

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