たてごと♪さんの、ことばノート

「三人称」の意味を勘違いしてた話する？

※ 移転載しました：

https://kakuyomu.jp/works/16817330663922262667/episodes/16818023213584301659

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　こんにちは、たてごと♪ です。

　もと「近況ノート」に載せた話から。

　文章、特に物語の記述において、「一（いち）人（にん）称（しょう）」あるいは「三（さん）人（にん）称（しょう）」との記述方式が存在することは、まあよく知られていることではありますが。

　恥ずかしながら僕（ぼく）はかつて、このうち三人称について、およそ三人ほどの人物からの視点で語る方式、つまり〈複数の一人称を織り交ぜて記述する方式〉だと勘違いしていた時期がありました。

　なら、本来の三人称はどう呼ばれると思っていたかと言えばまあ、その別称である「神（かみ）の視（し）点（てん）」ですけど、それはまた別の話で。

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　そもそも気に喫（く）わないんですよ、こういう語（ことば）。

　他にも「第（だい）一（いっ）者（しゃ）」「第（だい）二（に）者（しゃ）」「第（だい）三（さん）者（もの）」という語（ことば）も同様にあって、つまり｛一｝とは自身、｛二｝とはその当事の相手、｛三｝はそれ以外の無関係な対象、って感じの意味が持たせられているわけですけど、

　　〝読んで字の如く〟じゃあ全然ない

じゃないですかこんなの。

　知らなきゃ解（わか）らんて。

　類型として「一（いち）枚（まい）目（め）」「二（に）枚（まい）目（め）」……というものもありまして、これは歌（か）舞（ぶ）伎（き）由来で八枚目まであるらしいですが、そんなん数字で憶（おぼ）えてられんわ。

　そして程度を表す「一（いち）流（りゅう）」「二（に）流（りゅう）」「三（さん）流（りゅう）」に至っては、なんかもう定義も使われ方もまちまちで、何が何やらです。

　基本的に「一（いち）」「二（に）」「三（さん）」……などの数詞はそのまま数量を表すもので、その個々は意味を持ちません。

　だからこそ、その数量であることに特に意味があるという「単（たん）」「双（そう）」「鼎（てい）」などの字も存在します。

　そういうわけで〝三人称は一人称の三倍〟などという、知っている人からすれば荒唐無（む）稽（けい）な解釈も、通るには通ってしまうわけですね。

　極端な話をするならこれは、〝数字で云（い）ってはいるけど実際には別の意味があるんだよ〟という説明を、〝そんな根拠なんか無いだろ〟と却下されたら対抗ができない、ということですらあるわけで。

　語（ことば）の曲解による誤用ってやっぱり、そういう所から始まるものじゃあないですか。

　うん。

　正直これ、語（ことば）の作り方どヘタクソかと思います。

　語（ことば）っていうのはきちんと伝わらないと困る代物で、しかしながら語（ご）弊（へい）というものもあるわけですよ語（ことば）ってやつには。

　だったら、新しい語（ことば）を産み出す場合には、なるべく誤解の起こりづらいように設計をしなきゃ拙（まず）いと僕（ぼく）は思うんですけども。

　でも世間的には、〝辞書にそう載っていればそれが全てだ〟だの〝言葉とは自由なものだから、どんな形であれ伝わればそれでいい〟だの謂（い）われたりするなど、まあ混（こん）沌（とん）としたものですよねえ。

　伝わらないから困っているんですけどね？

　そういうのってどうなんだって言うか、せめて書き手の一端に参画するような立場だったら、そんな無責任は做（な）さずにいたい、とは自分では思います。

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　ところで僕（ぼく）は、

　〝序数は「伶（れい）・弌（いち）・弍（に）・弎（さん）・仕（よん）・伍（ご）・仂（ろく）・佚（なな）・伐（はち）・仇（きゅう）・什（じゅう）・佰（ひゃく）・仟（せん）・俛（まん）」を用いて表記する〟

というルールを（勝手に）作りました。

　あるいは中二病粧（め）いている、とは受け取られるかもしれません。

　でも、このルールを通用させると実際のところ、言語として一定の恩恵があるんですよね。

　というか〔弌〕〔弍〕〔弎〕については、元から序数字として遣われてたみたいですし。

　あっそういや、〔貮〕〔弐〕は「武」に引きずられて生じた誤字で、〔貳〕〔弍〕とかの上に｛一｝が無いほうが正字だという事ですよ。

　そして例えば掲題の人称、これらを「弌（いち）人（にん）称（しょう）」「弍（に）人（にん）称（しょう）」「弎（さん）人（にん）称（しょう）」と表記したならどうでしょう。

　序数とは、数のなかでも序列を示すものを言います。

　英語で「first（ファースト）」「second（セカンド）」「third（サード）〜」に当たるやつですね。

　序列が発生するには必ず理由が存在するか、少なくとも理由づけが做（な）されるものなので、厳密には数詞ではなく代名詞として機能するものです。

　だとしたら「自分」「相手」などの、本来は数なんかで表現すべきでないような言葉をあえてそう云（い）うにしても、「そこで登場している数詞は数量以外のところを意味する」という説明を語（ことば）自身に主張してもらえる、と考えるわけですよ。

　実際にも人称のその数字は、「その対象が人の思考内で意識される順番」でもあります。

　その意味までを調べるかどうかは人による話ですけど、少なくとも数値として扱うような間抜けなことは、させなくて済むようになるんじゃないですかね。

　いいと思いません？

　広めませんか序数表記、便利ですよ序数表記。