「三人称」の意味を勘違いしてた話する?

 こんにちは、たてごと♪ です。

 〝百合ゆりはさまる男は許されない〟みたいな話はありますが、「電車の閉まるドアにはさまってくる男」も許されないようにするには両ドアに「百合ゆり」って書いとけばいいわけですね。


 ……はい(

 もともと『たてごと♪さんの、ことばノート』という別作品で、言葉についての考察をたれ流し()てたのですけれども。

 この節と次節『「長いタイトル」ってどうしてダメなんだと思う?』は、そこからの移転載になります。

 というのも、こちらのエッセイでもわりと言葉に関する話を書いちゃってるんで、なんか自分の中で境界を敷くのが困難になってきてしまったんですね。

 というわけで、みなさんにはお手数ですが、興味持てない話題については適切に読み飛ばしていただくようお願い申し上g


 え、全部?(


 ……はい(2回目

 文章、特に物語の記述において、「いちにんしょう」あるいは「さんにんしょう」との記述方式が存在することは、まあよく知られていることではありますが。

 恥ずかしながらぼくはかつて、このうち三人称について、およそ三人ほどの人物からの視点で語る方式、つまり〈複数の一人称を織り交ぜて記述する方式〉だと勘違いしていた時期がありました。

 なら、本来の三人称はどう呼ばれると思っていたかと言えばまあ、その別称である「かみてん」ですけど、それはまた別の話で。



     †



 そもそも気にわないんですよ、こういうことば

 他にも「だいいっしゃ」「だいしゃ」「だいさんしゃ」ということばも同様にあって、つまり{一}とは自身、{二}とはその当事の相手、{三}はそれ以外の無関係なたいしょう、って感じの意味が持たせられているわけですけど、


  〝読んで字のごとく〟じゃあ全然ない


じゃないですかこんなの。

 知らなきゃわからんて。

 類型として「いちまい」「まい」……というものもありまして、これは由来で八枚目まであるらしいですが、そんなん数字でおぼえてられんわ。

 そして程度を表す「いちりゅう」「りゅう」「さんりゅう」に至っては、なんかもう定義も使われ方もまちまちで、何が何やらです。


 基本的に「いち」「」「さん」……などの数詞はそのまま数量を表すもので、その個々は意味を持ちません。

 だからこそ、その数量であることに特に意味があるという「たん」「そう」「てい」などの字も存在します。

 そういうわけで〝三人称は一人称の三倍〟などという、知っている人からすれば荒唐けいな解釈も、通るには通ってしまうわけですね。

 極端な話をするならこれは、〝数字でってはいるけど実際には別の意味があるんだよ〟という説明を、〝そんな根拠なんか無いだろ〟と却下されたら対抗ができない、ということですらあるわけで。

 ことばの曲解による誤用ってやっぱり、そういう所から始まるものじゃあないですか。

 うん。


 正直これ、ことばの作り方どヘタクソかと思います。

 ことばっていうのはきちんと伝わらないと困る代物で、しかしながらへいというものもあるわけですよことばってやつには。

 だったら、新しいことばを産み出す場合には、なるべく誤解の起こりづらいように設計をしなきゃまずいとぼくは思うんですけども。

 でも世間的には、〝辞書にそう載っていればそれが全てだ〟だの〝言葉とは自由なものだから、どんな形であれ伝わればそれでいい〟だのわれたりするなど、まあこんとんとしたものですよねえ。


 伝わらないから困ってるんですけどね?


 そういうのってどうなんだって言うか、せめて書き手の一端に参画するような立場だったら、そんな無責任はさずにいたい、とは自分では思います。



     †



 ところでぼくは、


 〝序数は「れいいちさんよんろくななはちきゅうじゅうひゃくせんまん」を用いて表記する〟


というルールを()作りました。

 あるいは中二病いている、とは受け取られるかもしれません。

 でも、このルールを通用させると実際のところ、言語として一定の恩恵があるんですよね。

 というか〔弌〕〔弍〕〔弎〕については、元から序数字として遣われてたみたいですし。


 そして例えば掲題の人称、これらを「いちにんしょう」「にんしょう」「さんにんしょう」と表記したならどうでしょう。

 序数とは、数のなかでも序列を示すものを言います。

 英語の「firstファースト」「secondセカンド」「thirdサード〜」に当たるやつですね。

 序列が発生するには必ず理由が存在するか、少なくとも理由づけがされるものなので、厳密にはとして機能するものです。

 だとしたら「自分」「相手」などの、本来は数なんかで表現すべきでないような言葉をあえてそううにしても、「そこで登場している数詞は数量以外のところを意味する」という説明をことば自身に主張してもらえる、と考えるわけですよ。

 実際にも人称のその数字は、「そのたいしょうが人の思考内で意識される順番」でもあります。

 その意味までを調べるかどうかは人による話ですけど、少なくとも数値として扱うような間抜けなことは、させなくて済むようになるんじゃないですかね。


 いいと思いません?

 広めませんか序数表記、便利ですよ序数表記。


 そういや、〔貳〕〔弍〕が正字なのであって、〔貮〕〔弐〕は誤字、なんて話もあったりしまして。

 〔武〕がその誤字の元、ってふうに推定されてるんですが、この字の部首も{止}であっで、{⿱一弋}のような構えの部首は存在しない、って事になってるんですよね。

 個人的には、そういう字はあんまり使いたくないなあって思うんですけど、皆さんはいかがでしょうね。

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