凶悪

 この作品は一応前情報を調べてから見ましたが、これが実際に起きた事件と言うんだから末恐ろしいですね。げに恐ろしきは人の業なり。

 事件について読んでから見ても少し人間関係に理解が必要なので、前情報一切なしだとちょっと混乱するかもしれません。


 見る前には元暴力団の話ということで直情的でサスペンス的な映像だと思っていたのですが、静かに淡々と続いていく物語、少しずつ恐怖と狂気に蝕まれていく日常が素晴らしい。ピエール瀧演じる須藤の演技がすごい。なんでこの人ヘマしちゃうの。本当もったいない。


 須藤がいつ先生を疑い始めたのかが不明ですが、告発してなかったらこの事件すべてが闇に葬られていたかと思うと恐ろしい。


 ただ、これ映画の結末で現実とは違うでしょうが、


記者(山田孝之)

→木村の罪をすべて告発できなかった無力感

→痴呆症の母を施設に入れる(罪悪感)


木村・先生( リリー・フランキー)

→捕まって無期懲役


牛場一家

→捕まる


須藤

→死刑から減刑されたとはいえ、結局堀の中


 事件を暴いて発行部数を伸ばした明潮24の一人勝ちみたいなものでしょうか。

 こういう誰も幸せにならない告発の結末、後味悪すぎて好きです(どっちだ)。

 私はハッピーエンド信者ですが、誰かが明確に不幸になるなら誰かは明確に幸せになると考えているので、今回で言えば記者の奥さん(池脇千鶴)はとりあえず救われたので良いんじゃないかなと。誰が幸せになるか明確でない胸糞エンドは好きではありませんが。


 あと思ったこと箇条書き。


・日野くん(下っ端舎弟)カワイソス。

・ピエール瀧がサンドイッチマンの富澤にしか見えない。

・ピエール瀧がたむらけんじにしか見えない。

・過去と現在を織り交ぜて少しずつ真実が明るみになっていくの面白い。

・掘り返すのは違法行為では?



 今まで見てきた映画の中ではショッキングなシーンは少なめだったのでは。

 あれ、感覚おかしくなってる?

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