第23話 通じ合った気持ち

ゆうは家に毎回送ってくれる。

実家だったし、近所の人にもよく見られるし、

彼氏ーなんて冷やかされることも多いから、

初めは嫌がってたくせに。


ま、こんな時間じゃ、今は2人きりだけど。


「2人きりだな。」


そういう一言一言に、通じ合う気持ちを感じて

たまらないトキメキを感じる。

あー、私たちこのままずっと

2人きりならいいのに。


『うん、2人きりだね。』


「あのさ、トモコ。」

『なーにー。』


ゆうから話しかけるなんて、

普段はあんまりないけど、

こんなところにも彼が、いつもとは違う

ドキドキに突き動かされてたりなんか

しないかなーって。浮かれて。


「俺さ、話さなきゃなんないことあって。」


えーそれはもしや、、

なんて。


「俺、彼女出来た。」


あまりに唐突で、あまりに驚いて、

そして受け入れたくなかった。


それはまるで、あと1ピースで完成するパズルの

1ピースが見つからなくて、

見つからないと探している内に、

蹴ってしまってぐちゃぐちゃになるみたいに。


『え?』


驚いて動かなくなった私の足を察して、

隣に止まる、ゆうの脚。


「んで、ソイツがあんまりこうやって夜に2人で会うの、やめてほしーっていうから。」


『約束、したの?』


「うん、したよ。だから守んなきゃ。」


じゃあ、その子のことも

泣かせたくないってこと?

その子ともあの垣根に登って、

泣かせないよって約束したの?


やだ、やだやだやだ。。

そんなのイヤだよ。


ゆうが離れてしまっていく感覚に、

気がついたらたくさん涙を流していた。


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