第23話 通じ合った気持ち
ゆうは家に毎回送ってくれる。
実家だったし、近所の人にもよく見られるし、
彼氏ーなんて冷やかされることも多いから、
初めは嫌がってたくせに。
ま、こんな時間じゃ、今は2人きりだけど。
「2人きりだな。」
そういう一言一言に、通じ合う気持ちを感じて
たまらないトキメキを感じる。
あー、私たちこのままずっと
2人きりならいいのに。
『うん、2人きりだね。』
「あのさ、トモコ。」
『なーにー。』
ゆうから話しかけるなんて、
普段はあんまりないけど、
こんなところにも彼が、いつもとは違う
ドキドキに突き動かされてたりなんか
しないかなーって。浮かれて。
「俺さ、話さなきゃなんないことあって。」
えーそれはもしや、、
なんて。
「俺、彼女出来た。」
あまりに唐突で、あまりに驚いて、
そして受け入れたくなかった。
それはまるで、あと1ピースで完成するパズルの
1ピースが見つからなくて、
見つからないと探している内に、
蹴ってしまってぐちゃぐちゃになるみたいに。
『え?』
驚いて動かなくなった私の足を察して、
隣に止まる、ゆうの脚。
「んで、ソイツがあんまりこうやって夜に2人で会うの、やめてほしーっていうから。」
『約束、したの?』
「うん、したよ。だから守んなきゃ。」
じゃあ、その子のことも
泣かせたくないってこと?
その子ともあの垣根に登って、
泣かせないよって約束したの?
やだ、やだやだやだ。。
そんなのイヤだよ。
ゆうが離れてしまっていく感覚に、
気がついたらたくさん涙を流していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます