第16話 キレイな部屋

『ちょっと待って、、山田くん』

「いーじゃん、

別に今更恥ずかしがんないでよ。」

『いや!ほんとにダメ!ってば、、』


私より先に部屋に入ろうとする山田くんの

腕をパシっと掴んで、必死に後ろに追いやる。

私の部屋は、想像されているだろうが、

雑多で汚くて、コタツの中から何が出てきても

おかしくなくて、、、


ヒョイ。ってアレ。カラダ、、ウイテル??


「もー、トモコさん早く行こ寒い寒い」


山田くんの肩に乱暴に担がれ、

がちゃったドアが開く。。。終わったー。


ってアレ!?!?!?


『部屋、綺麗。。』

「えーいつも綺麗にしてんじゃん。いつも通りだけど。朝慌てたりしたの?」

『あ、、うんそう。ちょっと探し物してて』


なんなら、少し甘くていい匂いがするような気がするほど、私の部屋は整頓されていて、

とっても綺麗。


もしかして本当に、夢を見ている?のかな。


「トモコさんキッチン借りるねー。

先お風呂沸かしといてくれてもいーですよー」


振り向けば、キッチンでいたずらっ子みたいに

笑う、山田くんの顔。


でもわたしには、その光景にも、

なぜか見覚えがあったりする。

そう、遠くに仕舞い込んで、

もう2度と開けないと決めた、思い出。


ゆう


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