第15話 違う世界

整理しよう。

私は今、自分の思う現実の世界から、

それとは違う、でも確実に時間の流れた、

別の世界に来てしまっている、ということ?


って聞くわけにいかないしな。。


「トモコさん、今日お家行っていいですか?」


また怒りに来たのかな、っていつもの癖で

山田くんが後ろを歩いたから

背筋を伸ばしたというのに、

彼から言わらたのはこんな一言。


しかも耳打ち…。

あざとい、あざとすぎる。


というか、家にくるって私たちは

一体どういう関係なんだ?

今日、それもちゃんとはっきりさせないと。


あとこの、私の中で大きくなる、

懐かしい記憶。

ずっとずっと避けてきた、

私の、大切な青い春。

山田くんを見てると、

そうだはじめて会った日から、

思い出すように押し寄せる、若い感情。


「ねえ、、い?」

『うんいいよ。鍋にでもしよっかー。』

「トモコさんそれは、日曜にしよって

約束したのに、、待ちきれなくなっちゃいました?」


ふぇええ。鍋の約束!?

一体コチラ側のトモコは

何をしてくれてるんだ。


『ごめんごめん、テキトーに作るよ。』


ご存知の通りだが、そんなスキルは一切ない。


「ううん、今日も俺作る。トモコさんは

いつもみたいにビールでも開けてて。」


今日【も】!?!?!


全く、男に料理を作らさて酒を飲むなんて、

つくづく、「コチラ側のトモコ」は

何やってんだっ…

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