第13話 妄想が悪夢か
私は逃げる様にトイレに駆け込む。
理由はただ一つ、
トイレに行く夢を見ると私は、
決まって飛び上がって起きてしまうからだ。
そう、まだ夢という可能性に賭けている。
あ、れ?起きない。
手を洗うと、、、水が冷たい。
トイレを出れば、
「急にどこ行っちゃうんだよー」
待ち構えていた山田くんに、
びよーーん伸ばされた両頬が、、
『痛い。』
「ごっ、ごめんなさい。」
『いや、いいの。もっとしてほしいくらい。』「ええ!トモコさんもっと!?してほしいの!?!?」
いやいや、驚きたいのはこっちなんだよ。
『うん、もう少し痛めにお願い…』
何言ってんだトモコ。
ついにおかしくなったんだ。さよなら。現実。
ビヨーンビヨーンと
無邪気に人の頬で遊ぶ後輩。
いや、後輩の、、、妄想?
『やっぱり、痛いんだよなあ。』
「ごめんっ、、」
『いや違うの違うの。こっちのはなし、、』
今度は、さっきまで遊んでいた
私の頬をその冷たい両手で挟まれる。
『なに。』
人の顔をむぎゅっと真ん中に寄せる。
すると気付けば、
視界は山田くんの顔でいっぱいになっていた。
え、、ウソ。ちょいまちちょいまち。
「今日はオデコにしとく。」
チュッという音と、
お昼休みの終わるチャイムの音。
えーーーーー!!?!!!
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