きっと醒めない夢の中で

変わっていく日々

第12話 なにこれ

『おはようございますー』

いつも通りを装うのは、

実はそんなに難しくない。

だって私の周りは、いつも通り、だから。

な、はずだったんだ…。。。

「トモコさん、おはようございまーす」

『んーおはよ。山田くん今日機嫌いい？』

あれ、、昨日はあーんな、怒ってたくせに。

む、、無視！？

『あれ、昨日のまだ怒ってる？よ、ね。

昨日はほんとに、、ごめんなさい。』

「トモコさんになら、

僕、迷惑だなんて思いませんよ、、」

へ？あれ、、

今、怒られるターンだったじゃん。

出しかけた妄想変換装置を

そっと胸にしまった。

なんだ、、あれ。

そして、不思議なことはまだまだ続いたんだ。

例えば、ほら、今、

いつもはお昼休みだというのに

カリカリと仕事をしている山田くんが、

私の横でお昼ご飯を食べている。

いや、なぜ。

「それ、美味しそう♡ひと口ください。」

『へえ！？』

しかも、こんなことを

常時言っている気がする。

もしかしたら、もはや私が、

現実ボイスを聞き取れなくなってしまった！？

『それは、ダメだよ。』

「えーじゃあ！トモコさんこれあげます、

ホラ、あーん。」

目の前に差し出された唐揚げ、、

ホレと山田くんが口を開けろ、のジェスチャー。

え？なにこれほんとになんなの。