第11話 声
帰って、漫画を読む。
あー、今日も山田くん、結局キレてたなー。
あの後私は、わざわざエレベーターをずらして
帰らなきゃならなくなるほどに
気まずくなるくらい、
私はまた山田くんの仕事を増やしてしまった。
そしてまた、眠りにつく。
アレ?明晰夢??夢の中が
遠くから見える様な。
そこに意志があるかのような。感覚。
【夢の中】
「トーモコ。」
周りを見回しても、誰もいないのに。
私は誰かに呼ばれている気がして、
暗いトンネルの様な、
終わりのない空間の真ん中で、
しゃがみ込んでいる。
「トモコってば、こっち。」
『ん?え?やっぱり誰かいるの?』
相変わらず、声という声が聞こえない。
どこか心の奥で、呼ばれている、のか??
「俺だよ…。声、忘れた?」
えっ、、その声、、
『ゆう、、?』
私が、あなたの声を忘れるわけないんだ。
「そーだよ、やっと気付いた。
ほら、こっちおいで。」
『ゆう!!!』
抱きついたゆう?は、
私が腕を回した瞬間に、
白いモヤになって、
ホワッとどこかに消えてしまった。
目が覚める、また、目に溜まった涙。
あー、もう勘弁して。
蘇る深い思い出に、
いつも通りじゃない感覚。あー、むかつく。
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