第6話 山田という男

帰りのエレベーターの中、あ、山田くん。


正)「早く、押してください。」

➡︎「早くおして♡他の人入ってきちゃうよ?」


あー、ダメだ。今日は疲れたせいで、

やたらと妄想が進んでしまう。


「今日、疲れました?」

『うん、少しね。』

「僕もです。だから、少し当たってしまって、、すみませんでした。」

『あれは私が悪いの、、ほんとすみません。』

「ですよね。」


あ、ああ、システムシステム。 


➡︎「僕、もうトモコさんから目、離しません♡」

あーおっけーおっけー。


『ごめんねー、ほんと、じゃ、お疲れ。』


降りてエントランスに着くと、

ひらひらーっと手を振って、

彼は反対の駅に向かって

歩いて行ってしまった。


さ、そんなことだし今日は何読むかな。

あーあれの5巻、読み返してもいいんだよな。

てかあの、橘さんって山田くんに少し、

似てないか?あー気のせいか気のせいか!

今日はお酒しちゃおっかなー。

なーんて、ほらね、いつも通り。

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