第26話 変わり果てた者
某日某所スーパーで買い物を終えた私はショッピングセンター内を歩いていた
駐車場まで距離があるので横切りながらのウィンドウショッピングだ
ショッピングセンターと言っても都会にあるわけではないので部屋着同然の格好で其処に現れるのが私の流儀だ
近くに精神病院がある為、時より勘違いしてるのか店員からの偏見な視線を感じる気がするがそんな事は気にしない
そういった方に偏見を持つ人間のほうが悪いと思っている私がいる
全国チェーンのドーナツ店を越えた辺りにレザーの背もたれなしのソファーがあるがそこに見かけた顔を見つけた
義理の姉である
それは一瞬目を疑ったくらい見違える姿であった
セットもしてない真っ黒の髪にアイラインを細く黒く塗りグラデーションややまんばメイクとかではなく一筆書き風に細めのマジックで目の周りを一周したような、言わばひと昔前のメイクというかTVで演者がノイローゼを演じてる時のような出立ちであった
その姿は私の部屋着スタイルを上回っており一瞬言葉が詰まったが、一応「元親戚として」声かけをしないわけにはいかず
やあ、久しぶり!と手を挙げ声をかけた
それまで本人は顰めっ面で携帯を弄っていたが私を見るなり少し笑った
たわいもない話をして、其処から離れたがどうも浮かれない自分がいた
実は以前兄の奥さんであり、家庭内の事情で離婚したばかりなのだ
それも、何かに取り憑かれたように最後のほうはヒステリーを起こし大変だったらしい
それでも人様の戸籍に傷を付けるような気がして我々は反対してたんだが、幼い子供いるのに恥ずかしい兄の交際関係を暴露されたり泥沼が広がっていたので離婚を親族ながら黙認せざるを得なかったのである
あれ以来会ってなかったのだがまさかあそこまで変わり果ててるとは思いもよらなかった
その姿は申し訳ないが取り憑かれてるとしかいいようがなかった
人はいつそうなるかわからない、不器用な生き方をしてる人もいる
ただあまりに何かに執着し過ぎたり嫉妬心に燃え誰かを呪ったりすると、とんでもないものを引き寄せる事がある。
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