第25話 競売物件

某日某所、今から約10年くらい前とある物件の内覧をしに行きました 




父と、母、そして私と兄の四人だったと思います 



その当時実家を新しく建てたい、あるいは引っ越したいとかで父は毎日新聞に載ってる不動産の広告や不動産に自ら電話して新居を探していました 



そこで父の職場も近い物件でもあるしそんなに立地の悪い場所ではないので私もついて行く事にしました 




庭とシャッター付きガレージがあり、今住んでいる方もいるのですが内覧させて頂きました 




階段にも本がいっぱい並んでいて、住んでいる方がよほど本が好きか熱心な学生さんか学者の方でも住んでるのでは?と、想像を掻き立てました 



家に住んでおられる方も上品なマダムという感じで歳は60代くらいの方でとても親切にしてくれました 




ただ気になるのは…





やはり競売物件という複雑な物件で私も詳しくはないんですがやはり、家全体のオーラが疲れ切ってるというか明るく陽の光も差し込むのにそれに値しない真逆な絶望感みたいなのものが家全体から感じられる気がしました 



実際主の方は事業で失敗したとか何とか…。 



立地は悪くなく通りに面してますが音が無い 



そして、まるで日曜日の午後みたいな妙な寂しさ…





別に霊が出る事がなくても此処は良い事無いな…と、満場一致で大変申し訳ないですが我々は其処はあくまでも見学だけに致しました 



これは、賃貸のアパート、マンションでもあります 



前に住んで居た方の念が残るそうです 




それが成功者ならいいのですが…。









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