第九話 依頼完遂
白根医院裏 薫・に組の皆(みこと以外)
そして、美空さんと話していた吹雪さんが戻ってきた。
「あとは上沼さんを、医院長のところへ連れて行けば依頼は完遂になるわけですが、よろしいですね?」と吹雪さんが上沼さんに声をかけた。
「はい、それでお願いします」と消え入るような声になりながらも答えたのであった。
人でないとはどういうことなのであろう? 少なくとも私には、今回は見かけに騙されて気配で見ていないなと思ったが、今更なのでそのままとした。
◇
白根医院 吹雪・
そして、私と麻美で上沼さんをガードをしたまま、白根医院の中に入っていく、受付嬢に医院長がいるかどうかを聞いて、アポイントメントはないが、依頼の件だと告げると、すぐに対応してもらえた。
やはり余程重要なことらしい。
美空さんからは、人ではないと聞いているし、対応を知っているのかもしれないな、と思いながら診察の合間を縫って、合うことになった。
「依頼通り、連れて来ていただきましてありがとうございます。助かりました。ウチは少ない人数で、やっているもので、一人減ると大忙しなのです」と医院長の白根真理がそのようにいった。
これは本格的に、人でも何でも、手として使えれば使う系か? と思った。
そしてそのまま引き渡すと、医院長が上沼さんを抱きしめて「怪我はないですか、調子は大丈夫ですか?」と調子を問診で引き出していった。
そのまま少し休めば大丈夫であることが分かり、「休息をとったら診察に入って下さい」といわれ
そして、我々探偵社側は、依頼料の後払い分を頂き、無事依頼完遂となった。
◇
白根医院表 美空・薫・紅葉
「吹雪さんたちが出てきたら、どこかパーっと食べに行きませんか?」と私はいった。
吹雪さんたちの報酬を当てにしているのではない、私は普段から溜め込んでいるので滅多に使わないからである。
そして吹雪さんと麻美さんが出て来た、どことなく笑顔であることが分かる。
多分依頼は完遂したのであろう。
二人と合流した、そこで切り出す「どこかに食べに行きませんか? 少しお腹がすきました」といってみた。
「今回は三人に迷惑をかけてしまったみたいだからな、私のおごりで、いつもの店でいい、という条件なら、おごらしてもらおう」と期待以上のものが、引き出せてしまったわけではあるが、それはそれでありとした。
「それなら、いつもの牛鍋屋ですね」と私はいった。
「そこなら大丈夫だ」と吹雪さんがいった。
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