転校と出会い

 僕が普通の学校に通うことが難しいと判断されてしまい、結果、霊能力者が通う白鷺学園に通うことになった。霊能力者ってどんな人たちがいるんだろう。そんなことを考えながら準備をしていると、制服を着たシキが現れた。


「…あれ?シキも生徒として通うの?」

「えぇ、優史様の式神として公言し、貴方のことをお守りしようかと。」

 狙われる前提で話しているけど、白鷺学園は結界が張ってあるから安全って思ってたんだけど。なんでだろうと首をかしげていると、シキはため息をついた。


「学園の中が安全だとして、登下校中は安全じゃないでしょう。次期当主様が寮生活はダメというから、私が共に行くことになったんですよ。」

「そっか…。父さんが帰ってくるまでは兄さんに決定権があるもんね。」

 父さんは現在任務で海外へ行っているらしい。当主が家を空けるのはどうなんだと思ったけど、兄さんが強いので問題ないそうだ。むしろ早く引退したいから、家を空ける期間を長くしているとのことだ。


「まぁ、でも、シキがいてくれるなら心強いや。ありがとうね。」

「優史様はまず、攫われないようにしてください。」

 それは努力をしたいけど、何もしていないのに好かれてしまうのは僕も困っている。そんなに魅力的な何かがあるのだろうか。


「シキから見て、僕ってどんな感じなの?こう、攫いたくなるの?」

 そんなことを聞けば、シキは不思議そうな顔でこちらを見ていた。


「何というか、手元に置いて反応を見たいって感じですかね。」

「え、なにそれ?」

「うーん、難しいんですよ。言葉にするの。とにかく、囲ってみたいって感じですかねぇ。」

 いまいちよくわからないけど、気をつけるに越したことはないか。シキが隣にいてくれるなら、たいていの霊はどうにかなるだろうし、学校生活で友達ができるといいな。

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