第30話 甘い声と死の恐怖
ど、どうして美花たちが俺の家にくるんだ!?
別に約束もしてないし、スマホに連絡なんか、そう思いながらスマホを片手に取り画面を見ようとするがボタンを押しても黒い画面のままだった。
「あ、あれ?」
何度ボタンを押しても画面は黒いままだ。
「もしかしたら、電池が切れているのではないですか?」
祐介は愛深に言われ電源ボタンを長押しすると電池切れのマークがスマホの画面に現れた。
「ほ、ほんとだ。」
祐介は急いでスマホに充電ケーブルを差し込む。
それと同時に母が下から祐介を呼ぶ声が聞こえてくる。
「祐介ー!お友達が呼んでるわよー!」
祐介の母親は美花と冴子をすでに家の玄関に入れ待たせていた。
「そういえば、まだ聞いてなかったけど祐介とどうゆう関係なの?」
先に答えたのは冴子だった
「初めまして、私は剣崎冴子です。祐介さんにはよくお世話になってます。」
「はい、えっとわたし、天乃美花と言います。僭越ながら祐介さんとその、お付き合いをさせてもらってます。」
美花は少し恥ずかしそうに答える。
「えー!うそ。あの祐介に、彼女が、それもこんなに綺麗な女の子が、あいつも隅に置けないわねー。これからも、祐介の事よろしくね、2人とも。」
「「はい。」」
「それにしても、いつまで待たせてるのかしら。二人ともあがって。祐介の部屋は2階に上がって左側の部屋だから。あとで飲み物持っていくわね。」
母親は階段を指さしながら祐介の部屋の場所を二人に教える。
「いえ、大丈夫です。」
「なに遠慮してるの。甘えられるうちに甘えときなさい。」
そう言いながら母親は2人の背中を軽く押して階段を上らせる。
そのころ祐介は愛深に毛布をかぶせたまま、部屋のかたずけをしていた。
そのとき、
コンコン
祐介の部屋のドアからノックの音が聞こえてきた。
「祐介、入るよ。」
その声と同時にドアノブがゆっくりと下がる。
「ちょ、ちょっとまったー!!」
祐介は急いでドアノブを掴み上えと上げる。
「い、今部屋が汚いから、も少し待って。」
「え、ええ、わかった。」
なんとか美花たちを一旦は部屋に入れずに済んだ祐介は頭を悩ませていた。
その理由は部屋の汚さではなく下着姿で毛布にくるまっている愛深だった。
あ、あぶなかった。もし今の状態で美花たちが部屋に入ってくればただじゃすまなかっただろう。いやむしろ冴子がいるから死すらあり得た。
とりあえずは、愛深に服を着させるとして、それからどうする。
祐介は愛深に近づき耳もとで小さな声で話しかける。
「とりあえず、服を着て。」
「んっ!///♥」
祐介の息が耳にかかり愛深から甘い声が漏れ、体が少し跳ねる。
その声はドア越しに美花には聞こえなかったが冴子には聞こえた。
声を聴いた冴子はドアノブに手を伸ばす。
「祐介!今の声はなんだ。」
冴子は声と同時にドアを開け部屋に入り込む。
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