第12話扉を開けるときはノックから

祐介は愛深を家へと送った後真っすぐに自分の家に向かった。

家に着くころには日は落ち空には星が輝き始めていた。

祐介は家に帰るとすぐにベッドで寝てしまった。


場所は愛深の家に移る


愛深の本性は家の人にも隠している。

家に祐介が送ったときに本来愛深は込めて家にあげたかったが今回は見送った。

愛深は家に入ると黙って自分の部屋に向かう。

部屋に入ると自分で取り付けたのか鍵を何重にも鍵をかけた。

部屋の電気は点けないでしばらくベッドで座り込み今日の出来事を思い返していた。


「ああ、ご主人様♥私を抱きしめて、私を奴隷にしてくれた♥なんて幸せなの♥

ご主人様~♥」


と口では言わないで心の中で叫んだ。


時は流れ月が沈みまた日は昇る。

祐介は学校に向かう前に美花の家に向かった。

一緒に美花と高校に向かうために。

美花の家に着くとおばちゃんが店を開いていた。


『おや?あんた今日は買い物にでも来たんかい?』


「いや、今日は美花さんと一緒に高校に行こうと思って。美花さんは居ますか?」


『ああ、いるとも。そう言えばちょっと手伝っておくれよ。家の中に忘れ物をしちまってね。家の中に入って右側の2番目の扉を開けて部屋に入って机の上に置いてあるものを取ってきておくれよ。そのついでに美花を呼んでくればいい。美花の部屋はその反対だから。頼んだよ。』


「ちょ、ちょっと。」


おばちゃんは祐介にそう言うとそそくさと店の支度を始めるために店の奥へと入っていく。。

祐介の言葉もおばちゃんはあえて聞こえないふりをした。


「えー。」


祐介は思わぬ言葉に驚きながらも家への入り口の玄関を見上げた。

美花の家は1階がそのまま店になっていて部屋に行くためには店の横の階段を上る必要があった。

祐介は覚悟を決め階段を上り始めた。

階段を登りきると右側に扉があった。

扉を開くとまっすぐに伸びる廊下が伸びている。

扉を開けた時にほのかに芳香剤の香りがひろまっていた。

靴を脱ぎ廊下を進んでいく。


「確か右側の2番目だったよな。」


―ギシ

廊下を進んでいると1っか所だけきしむ場所があったが特には気にせず進んだ。

祐介はおばちゃんに言われた通りに廊下を進み部屋へと向かっていく。

部屋に付きドアノブに手をかけ扉を開け部屋に入る。


『そういえば家から出るときに見て右から2番目だったけど大丈夫か。まだ美花も寝てるだろうし。』


時間は少し戻り祐介が家に入ったときに戻る。


【ん~。珍しく早起きしちゃったな。早く着替えておばあちゃんを手伝おっと。】


美花はベッドから起き上がると背伸びをして寝巻から仕事着に着替え始めた。

―ギシ

部屋の中にいても廊下のきしむ音が聞こえてきた。


【あれ?おばあちゃんもまだお店開けてないんだ。なら早く着替えないと。】


美花が寝巻を全部脱ぎ終わるとほぼ同時に部屋の扉が開いた。


【おはよう、おばあちゃん。今日もお店手伝う、か、ら、・・・へ?】


「・・・」


美花は扉の方を振り返るとそこにいたのはおばあちゃんではなく祐介の姿があった。

祐介は扉を開けてから見たその光景に思わず固まってしまった。

絶対に見ることはないだろうと思った姿がそこにはあった。


後に彼はこう語る。

「いや、驚きましたよ。部屋には誰もいないと思って入ったんですけどね、そこには周りから天使やら、女神と言われている人の姿があったんです。それもあられもない姿のですよ。銀髪の彼女にはやはり白が似合うと思っていましたが黒色の衣装を身にまとっていました。なびく銀髪、それに対抗するかのような黒。彼女にとっても似合っていました。いや、ほんとに驚きましたよ。それと同時にもう俺の人生もここまでなんだなとも思いましたけどもね。あれ?誰か来たみたいですよ。」


【キャア―――!!!】


その悲鳴は外の道を歩く人にも聞こえた。

道行く人たちは驚き少し肩が跳ねた。

祐介は美花の下着姿に思わず見とれていたがその悲鳴で正気に戻った。

祐介が正気に戻ると祐介に向かっていろんなものが飛んできた。

クッション、スリッパ、ぬいぐるみなどなど、美花は様々なものを祐介に向かって投げつけた。


「いやっ、ごめん。別に見ようと思ったわけじゃないんだ。ただ、おばちゃんに頼まれたものを取りに来ただけなんだ。!!」


祐介はすぐに部屋から出ていき扉に背を向けながら大声で美花に弁明した。

しばらくして美花は服を着始める。


見られた、見られた、見られた!!それより何で彼がここにいるの!?とりあえず、落ち着いて、深呼吸を。


スー、ハー、スー、ハー、よし。


美花は落ち着きを取り戻し着替え終わると部屋を出る。


【部屋の中で待ってて。絶対になにも触らないこと、いい!?】


美花は少し声を荒げながら祐介に指をさしながら言いつける。

祐介は小刻みに首を縦に振った。

祐介は大人しく美花の部屋に座って待った。

それを確認して美花は1階の店に向かう。

10分した後に美花が部屋の前にに戻ってきた。


【少し、話しましょうか。】


美花は真剣な表情で祐介を見つめる。

ゴクリと祐介は息をのむ。







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