第6話 Bルート ごめんなさい
ヨーコが自室に戻っていった後、私はさっきの発言の真偽が気になり、ケーコに話を聞くことにした。
「ねえ、ケーコ。さっきの発言なのだけれど、、、」
「ああ、あれね。私とヨーコたちの血が繋がっていないのは本当よ。私は小さい時に水澄家に引き取られたの。ずっと一緒にいるのに本当の家族じゃないなんておかしな話だけれどね」
「ケーコ、私はヨーコに謝った方がいいと思うわ」
「そうね、さっきは確かに言いすぎたわ」
すると、ヨーコがリビングに戻ってきた。
「ケーコ、さっきはごめんなさい。簡単なことなのにすぐにやらなくて、、、」
「いいのよ、ヨーコ。私の方こそごめんなさい。あんな事、本当は言いたくなかったのに、つい口走ってしまって、、、」
「、、、ごめんなさい、とは、、、?」
私の疑問にケーコは返す。
「悪い事をして謝りたいときはごめんなさいと言うのよ。シロも覚えておきなさい」
「分かったわ」
彼女たちは本当は基本的に仲がいいのだろう。日々の生活でそれはよく分かる。そして私は葛藤した。そんな彼女たちをいつか殺すことになるのだと考えると、何故か胸の奥がズキズキと痛む。物理的な痛みではない、きっと心の問題ってやつなのだろう。私のこの悩みは誰にも打ち明けることは出来ない。こうして任務遂行の時までずっと迷い続けるのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます