12
「ジーク、お前にはアーノルドとレジーナの護衛にあたってもらう。」
「はいはい、月の柱が言うのであれば。でも、一番小さいお嬢さんの護衛をした方が良いのでは?」
普通に考えるとそうだよね。まぁ、私が死ぬ運命を避けたから生じた亀裂だ。自分の身は自分で守る覚悟はあるけど、それを兄様や姉様が許しはしないだろう。
「…アーノルドはいずれ俺の剣となる。レジーナは盾となる。だが、ケイティは何もない…それ故に、王家では護るに値しないと判断した。」
…ですよねぇ。どこまでも王家が護るわけにはいかないし、むしろ王家から護る対象ではないと公表している方が私の身も安全だ。護らないと言っているのに私に手を出す人間は馬鹿しかいないだろう。
「私は納得いきませんが、お兄様がケイティのためになると言うのであれば…。」
レジーナ姉様はチラチラとアーノルド兄様を見ている。まぁ、アーノルドなら賛成するだろうな。現にニコニコしているし。
「…ケイティはどうだい?」
「私は、王家がそう判断したのであれば何も言うことはありません。」
まさか兄様に意見を聞かれるとは思わず、息止まるところだった。こんな幼い子に意見求めるとは。
その後、私が良しと言うのであれば問題はないと言うことで片がついた。ジークさんは本日から護衛に就くそうで、共に家に帰った。レジーナ姉様は家に帰ってから納得いかないと駄々をこねて、ジークさんに私の護衛をするように命令していた。
「…いや、アンタ、バカですか。無理ですね。」
「そんな風に言わなくとも、無理だってわかっているのですわ!でも、こんなにもかわいいケイティに護衛が付かないなんて…。あ!私が強くなってケイティを護れば!!私、強くなるわ!」
そういって暴走しているレジーナ姉様を止める人はいなくて、ジークさんと私はため息をついた。
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