11
「ケイティー!1人にさせてごめんなさいね。寂しかったでしょう?」
しばらくすると、レジーナ姉様が勢いよく抱きついてきた。姉様の溺愛が嬉しいような、恥ずかしいような…反応に困っていると月の柱が私の前に現れた。
「私は月の柱、オズウェルと言う。君の姉君の婚約者となった。お前はケイティだろう?アーノルドから話は聞いている。」
アーノルド兄様はどんな話をするのだろうか。想像がつかない。姉様ほど過激ではないが、彼もゲームではそこそこシスコンちらつかせてたもんな。レジーナを追いかけて死ぬエンドとかもあったし。
「ケイティと申します。月の柱とのお茶会の機会をいただけて光栄です。」
「…オズウェルでいい。敬語もいらない。恩人に対してそんな態度をとられても困る。」
恩人、とは私のことだろうか。あの私の魔法がわかった日かな?そんな昔のこと覚えているのか…。
魔法が暴走しただけで、私は悪党を倒そうとして、大樹を出した訳ではないからなぁ。それに自分が生きたいって気持ちでいっぱいだったし…。私が生きてるのはオズウェルとエレノアのおかげだよなぁ。
「では、オズウェル様と。姉様と同じ呼び方で…ですます調は癖ですので…」
「また1つケイティとお揃いが増えて、嬉しいですわ!」
嬉しそうに微笑むレジーナ姉様と、それに若干引きぎみであるオズウェル様、まるで関係ありませんといった雰囲気を出すアーノルド兄様。みんなでのお茶会はなかなか面白かった。主に姉様が暴走してたけど。途中から男女で会話が別れていたけれど。
「ユリウス。アイツを連れてこい。」
「はい。」
一礼してユリウスさんは去っていく。もしかして…少し早いけど、新しい攻略対象の出番かな。私の生存によって今後のストーリーも変わってくるし、登場が早くなってもおかしくはない。
そしてユリウスさんが1人の男の人を連れてきた。紫色の髪に片目が隠れているが緑色瞳を持ち、褐色肌で一本角の鬼人だ。やはり攻略対象の1人であった。
「彼はオズウェル様が、アーノルド様たちに用意した護衛でジークといいます。」
「はぁ…自分、子供の面倒見るために力磨いてる訳じゃないんですけど。それに2人だと聞いていたのに、1人増えてるじゃないですか。」
面倒くさそうにして言っているが、護衛としてその態度はいいものか…。でもこの人こういうキャラクターだったものなぁ。
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